note前澤さんお年玉表紙

前澤お年玉、当選者の1年。~天使と悪魔が戦った~vol.95 (ユースケ)

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皆様、あけましておめでとうございます。
YouTubeチャンネル「寺田家TV」寺田ユースケです。(チャンネル登録者2.7万人) 生まれつきの脳性麻痺で車椅子で生活しております。YouTuberとしては2年目の若手ですが、障がい者歴は今年で30年目のもうベテランですね(笑)

昨年2019年の始まりは、ZOZO前澤社長(当時)の#月に行くならお年玉、100万円の当選でした。

当選写メ


今年2020年は、前澤さんのお年玉が100万円を1000人、合計10億円のお年玉にスケールアップ!前澤さんご本人もYouTubeチャンネルでおっしゃっていますが、アピールの有無は関係なく完全抽選で選ばれるとのことです。

そしてベーシックインカムの個人実験という素敵すぎる内容。

昨年はツイッター上でお年玉の使用目的を前澤さんにアピールするのが主流になっていて、当選者発表後もワイドショー等で「当選者の特徴はアートか社会貢献か!?」などと大きく取り上げられました。

僕は「ZOZOの前澤社長からもらう100万円のお年玉で、100万円分の服を購入して、僕を含めオシャレがしたい障害のある方々100人に服をプレゼントして、一緒に堂々と100人で表参道を歩きたいです」と応募して当選。

すぐに口座に100万円が振り込まれました。

前澤さんお年玉通帳塗りつぶし


このマエザワ ユウサク1,000,000の記帳が入った通帳は僕を1年間、落ち込んだときも励ましてくれ、勇気付けてくれた宝物です。しかし、同時に重くプレッシャーとしてのしかかってしまったのも事実です。

「完全抽選」の今年は宝くじ同様になり、肩の力が抜けて当選者も行動しやすくなるのではないかな。

僕の場合ですが、中途半端なアピールをしてしまったが故に「天使と悪魔」が戦う1年間となってしまったのです。

今年当選する方が有意義に100万円を使えますように、僕のしくじりとハッピーを今日は恥を捨ててここに記したいと思います。

●●正直、まさか当たるなんて思っていなかった●●


まさか当たるなんて…!?ほんの軽い気持ちで「どんなチャンスでも飛び込もう!」って後先考えずに応募。100万円当たったら何に使いたい?妻と話してまず最初に出てきたのが「YouTubeの制作費」に充てたい!ということ。障がい者の僕と生活を支える妻のふたりきりで、企画・撮影・編集。自転車操業すぎて毎日大変だったのです。当時はチャンネル登録者1500人くらいしかいないチャンネルで広告収入も1円も入らない状態。

これしかない!制作費に!これで行こう!いや待って、もう少し考えよう。

次の案が、YouTubeと平行して動かしていた車イスヒッチハイクの旅の「旅費」に充てたい!都内と旅先を行き来しながら、出会った方々に車イスを押してもらって47都道府県を訪れる旅。予想以上に車イス旅は大変でクラウドファンディングで集めた資金も底をついており、都内で仕事をしながら旅費を工面していた。(結果的に約3年間かけた旅は昨年に47都道県を周り終え、1000人以上の方に車イスを押して貰えた!終えれて良かった!涙)

このふたつの活動資金が必要でこのどちらかで応募しようと思った。これで行こう!!!!しかし、、、たくさんの素敵な応募内容をみる中でこんな個人的な想いでは前澤さんには届かないなぁと思うようになる><。。。

そこでZOZOはお洋服を作っている会社だからこれだ!!!とその場で閃いた第3希望の「障害者100人にお洋服をプレゼント」という内容で応募した。

どうせ当たらないだろう〜と。

が、まさかの当選。。。。。。。。。。。。。。

その日は、恥ずかしながらとんでもない有頂天!
妻と大喜び、家族・親戚・友達に報告報告報告!!!
テレビ・メディアから取材取材取材の嵐!!!

2019年のスタートダッシュは切れた!前澤社長ありがとうー!!!
そんな楽観的で幸せ満載の寺田家。
天使と悪魔が戦う地獄のプレッシャーに押し潰される一年になろうとはこの時は思いもしなかった。

●●中途半端なプレゼンはしてはいけない!●●


結論から言うと、「障害者100人にお洋服をプレゼント」は出来なかった。1年目の寺田家TVの運営と車イスヒッチハイクの旅で手一杯、企画に取り組む体力と気力が僕には無かった。楽しみにしてくれていた皆さん、ごめんなさい。当選から1ヶ月、2ヶ月と時間が経ち、企画しなきゃ企画しなきゃと焦りと時間ばかりが過ぎて行った。通帳には大金の100万円、、、もしかしたら別の使い道があるんじゃないかと考えるようになったのです。

その頃から僕の頭には「天使と悪魔」が現れました。

天使:宣言通りの使い方をしないとダメですよ!あなたは堂々と「宣言」したんだから。
僕:そうだよね、有言実行しないと楽しみにしてくれている皆にも悪いよね。この100万円は企画の運営だけのために使うよ。
悪魔:ケケケ。独立したばかりで生活キツイくせに良く言うわwお年玉なんだからよ、自由に使ったらいいじゃんよ。別にアピールしたから当たったという確証はないだろ?
僕:でもそれじゃ、格好悪いよね?
悪魔:ケケケ。誰も気にしねーよ。子どもの時だって、お年玉もらってドンキーコング買いにおもちゃ屋行ったら、やっぱりマリオ買っただろ?それと一緒で気が変わったでいいんだよ!
天使:そんなことしたらせっかくお年玉くれた前澤さんに刺さらないですよ!
悪魔:前澤さんに「刺さるか、刺さらないか」を気にしてる時点でダメだろw お前の人生なんだから、やりたいようにやって、結果的に前澤さんに刺さればラッキーくらいに考えとけばいいんだよw

僕:ボフッ(思考停止)

そして僕は、とりあえずリボ払いを完済した。

独立1年目で何かとお金がかかってリボ地獄だったのだ。

前澤お年玉・・・残り50万円。

ここで学んだことは、中途半端な想いを口にしない方が良いということ。毎日更新しているのにも関わらず、チャンネル登録者数がたったの1500人だった当時、自分たちの活動に心の底から自信が持てなかったのかもしれない。今ならばはっきりと「YouTubeの制作費」に使いますと断言して応募し実行する体力と気力がある。なぜなら、それが多くの障がいのある子どもたちを幸せに出来る自信がある。でも当時は勇気を持てなかった。

金銭的に余裕が無かったからなのか、外れてしまったら自分を否定されているみたいで、本当の夢を語れなかった。だから、第一希望でエントリーすらせずに、傷の浅い第三希望で応募して偶然に内定させてもらった感覚だった。もちろん、お洋服をプレゼントしたい!という気持ちは嘘ではない。
けれど、自分で発しておいて無責任なのだが、

人生に余裕が無い時は、自分の力を発揮出来ないシーンもある。

この時の僕は本当に頑張れなかった。
後にメディアで「本気の夢のプレゼン」で生き生きと活躍する当選者たちのニュースを観るたびに、圧倒的な差を感じて、前澤さんのが「最高じゃないですか!」とおっしゃってくださったのに、実行出来ずにどこか不甲斐ない気持ちが残るようになってしまった。

当選で得た教訓は
チャンスが訪れた時は、
小手先な想いではなく、落選しても良いから本気の想いを伝える!
ということだった。

●●お年玉で購入したカメラで撮った動画が空前の600万再生フィーバー!●●


リボ払いを完済して心も身体も楽になった僕は、なんだか全てが上手くいくような気がしていた。そして今までは家庭用カメラを使っていたのだが、4Kの撮れる撮影用カメラを購入。(ついでにGoProも)15万円。もはや天使さんはどこかに行ってしまい悪魔くんの独壇場だった。

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人間とは不思議なもので、
生活に余裕が出来ると思い切った行動が出来るのだ。

前澤お年玉・・・残り35万円。

開き直った時の人間のパワーは凄くて企画・撮影・編集にいつも以上の気合いが入る!
そしてなんとなんとお年玉で買ったカメラを使って撮影した動画が空前の600万回再生オーバーーーーーーー!を記録したのだ。

この動画に関しては賛否のあるセンシティブな内容を明るく楽しくお話してくれた中嶋涼子さんと曽塚レナさんに感謝しかない。


1500人しかいなかったチャンネル登録も一気に2万人まで跳ね上がった。


前澤お年玉・・・35万円+動画広告収入35万円=残り70万円

通帳残高が盛り返した。

実は僕は、生まれつきの脳性まひからの、元車イス芸人・車イスホスト・車イスヒッチハイカーとそこそこ異色な人生を歩んでいる。自叙伝もこそっと出版しているのだが、基本的に試行錯誤な歩みなのだ。

このお年玉当選の前年に、ある大手芸能事務所の偉い人に「良い活動してるけど、他者を巻き込んだ数字が足りないよね」的なことを言われていて、かなり凹んでいた。チャンネル登録1500人だったからそう言われて当たり前だったんだけども。

登録者が増えて障がい当事者を含めたくさんの方々からメッセージをもらえるようになった。オフ会なんてものも開いてみたらいっぱい参加してくれた。こんなに僕らと接して笑顔になってくれる人がいるんだと心の底から嬉しかった。やっと活動が軌道に乗り始めたような気がしてきてさらにポジティブになった!なんだか前澤さんのパワーをもらえたようだった。

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夏(ミーンミーンミーン)

夏

パソコンを開くと福岡から一通のメールが届いていた。
「5歳になるカイトは病気で外で遊ぶことが出来ません。ユースケさんのユーチューブを観ていつも笑ってます。いつかもし福岡に来たらカイトと会っていただけないでしょうか?」
実はカイトくん、ウイルス性の病気で2歳の時に余命宣告を受けたけど、今はなんとか症状が落ち着いていて外ではなかなか遊べないけど、元気に寺田家TVを観てくれていた。
夏の思い出をプレゼントしてあげたくて、お母さんと連絡を取り、カイトくんが何をしたいか聞いたところ「ラーメンを一緒に作りたい!」と。早速、福岡まで飛ぶことにした。


僕たち寺田家TVにとって最初の遠征ロケだった。ロケで福岡まで飛べば一泊二日、飛行機で往復10万円以上、とても駆け出しユーチューバーが払える金額ではなかったが、前澤さんお年玉のおかげで気持ちに余裕があったせいか、自然とGOサインだった。カイトくんとお母さん、ラーメン屋の大将の笑顔は僕たち寺田家TVにとってもやりがいのある仕事が出来た瞬間。打ち上げてみんなで食べたラーメンの味は格別だった。

前澤お年玉・・・70万円―福岡への旅費10万円=60万円


●●障害のある子どもたちの笑顔に救われた●●


悪魔:ケケケ。リボ払い終えてから調子いいじゃんw
天使:結果オーライですよ。ちゃんと宣言通りの人生を運びましょう!

もはやどっちが天使で悪魔かわからなくなっていた。

僕はそもそもZOZOの「Be unique. Be equal.(みんな違うけど、みんな一緒)」という考え方に感動していた。だから障がい者100人にプレゼントする服はZOZOで作ってもらおう!と楽観的に考えていた。当選直後から一緒にファッションショーをしましょうとある企業からご提案をいただいていたのだが、ZOZOでやらないと意味がないと盛大に断ってしまっていた。

そして満を持してZOZOの広報担当者に、この100万円で前澤さんにZOZOでお洋服をつくってもらえるようプレゼンしたい!と伝えたところ、今回のお年玉企画はそういう趣旨ではなく前澤さん個人からのプレゼントで、今は忙しいから難しいです。と盛大にフラれてしまっていた...涙(※受け手(寺田)の主観による表現です。)

せっかくのチャンス。本来はここで、前澤さん本人にDMするなり、直接アポを取りに行くなり、企画を実行出来るよう諦めずに頑張りどころなのだが、この時の僕は気力と体力を保つことが出来なかった。妻とのふたり暮らしとはいえ、仕事をしながら、日本全国を巡る旅をして、さらに動画制作、身体が悲鳴をあげていて、とてもじゃないが精神的にもこれ以上は進めなかった。

今までの人生は挑戦の連続で、なぜ他の障がい者たちもチャンスを得ようと僕らのように頑張れないんだろうと疑問に思ったこともあった。でもそれは大きな間違いだった。人それぞれ置かれた環境で、頑張りたくても頑張れない時もある。まさに僕自身がそういう状態になって恥ずかしながら今までの考え方がいかに無知であったかを痛感した。

途方に暮れた僕は、キングコングの西野亮廣さんMCのAbemaTV「ニシノコンサル」にお年玉100万円の使い道を相談したいと応募した。するとまさかの書類審査が通り収録することに。さらにアドバイザーは乙武洋匡さん、憧れの大先輩ふたりに相談出来る機会を貰った。

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そして「車椅子の子どもたちをキャンプに連れて行こう!」という使い道が決まった。

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車椅子でのアウトドアは実はかなりハードルが高い。土や草の上では動きづらいこともあり、多くの家族が断念している。もちろん僕も人生二度目のキャンプで初心者だ。でもみんなで行けば怖くない精神で、スタッフも万が一に備え、医師・看護師・理学療法士・めっちゃ丁寧に動ける女子etc たくさんの方が協力してくれた。

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参加者も寺田家TVの視聴者さんを中心に募り、予約段階で約30人涙!

が、、、、まさかの当日が土砂降り(笑)

車椅子雨キャンプという最高難易度のものになってしまった(笑)

それでも欠席者が0人という気合いの入った車椅子家族たち(笑)

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みんなが笑ってくれて、楽しんでくれて、
障がいがあるとなかなか遊びに行きたい気力が持てない、でもこうやって子供達が外で遊ぶキッカケを得てくれたと思うと嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

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キャンプの様子はこちらのAbemaTV ニシノコンサルより⬇️


前澤お年玉・・・残り60万―60万(キャンプ代37人前)=0円


お年玉を使い切った。

●●継続して後押し出来る人間へ●●

正直に話すとついこの間まで、「お洋服をプレゼント企画」を有限実行出来なかったことで落ち込みました。他の当選者がイキイキと前澤さんに成果を報告する中で、僕は何も出来なかった、不甲斐ない、、、そう思ってました。

けれど、年末になりお年玉をもらった一年がどんな年だったかを振り返った時に一番に思い浮かんだのが「障がいのある子どもたちの笑顔」でした。総じてすごくハッピーな一年だったんだなと改めて感じたのです。

+αのお金を貰ったことにより天使と悪魔が戦って、自分の本音や、本当にやりたいことが明確になった1年であったし、前澤さんには感謝しています。

前澤さん本当にありがとうございました!!!!!!!!

(⬆︎ご本人に届いて欲しい)

使い道は違ったけれど、寺田ユースケくんに100万円を渡して良かったよ!と思ってもらえるようにこの先も頑張らなきゃですね。

そして僕も前澤さんからプレゼントしてもらえたように、誰かを継続して後押し出来る人間になるためには「心の余裕が必要だと痛感した1年」でもありました。

昨年一年で十分勉強させていただいたので、今年の応募は辞退させていただきます。ご応募される皆さまの幸せを願っています。

(妻のまゆみは応募しました^^いつも頑張ってくれてるので、もし万が一当選したら自分の好きなことに使って欲しいです^^)

今年2020年も寺田家TVを盛り上げて行きますのでどうぞよろしくお願いします!!!

おまけ:まだまだYouTubeチャンネルは試行錯誤ですが、別の使い道をするならば必死に動画を作ろうと思えたことで今年一年で編集力がだいぶつきました。これもお年玉のおかげです。

一番最初に作った動画⬇️

最新の動画⬇️

こうみると成長したなぁ〜。

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