ゴリラは一夫多妻、チンパンジーは乱婚、テナガザルは一夫一妻、人間は?
チンパンジーとゴリラの間が人間らしい。
どういうことかというと、決まった夫婦という形を持たず乱婚をするチンパンジーの一発の精子は6億くらいで、群れでハーレムを作るゴリラは5千万、人間はその間で2.5億から3億くらいと言われている。
何それ?という感じだが、昨日の夜中にやっていたBS-NHKでの織田裕二さんが出てるヒューマニエンスという番組でそのようなことが放送されていた。
それがどうしたの?ということだが、結論を言えば、人が一生同じパートナーと生涯添い遂げるというのは、進化の過程から見ると合ってないんじゃない?
ということらしい。
冒頭の精子数の話の詳細を説明すると、単純にオス同士の競争が激しく自分の子孫を残そうとすると、精子数は増える傾向があるとすると、ゴリラは群れを作って競争無く子供を作れるので少なくなる。
精子数ではその中間が人間ということなので、家族計画についても、その中間なんじゃないの?という推測になる。
乱婚と一夫多妻の間は、一夫一妻なのだろうか。
そこでゴリラやチンパンジーの話ばかりでなく、人間はどうなの?ということだが、番組内では人間が何年目に離婚するのかのデータを出していた。
それによると、晴れて結婚してから夫婦が離婚するのは、3年目付近が突出して高く、他の年代に関しては、ほぼ似たりよったりの水準という感じだった。
要するに、これが人間の本来の家族の在り方なんじゃないか、という説らしい。
一生一人と添い遂げるのではなく、2~3年でシリアルモノガミーと呼ばれる期間限定的な一夫一妻制が、人間の最適なんじゃないかということらしい。
これについてみなさんはどう思うだろうか。
メディアで報道される不倫についてバッシングする人が多い世の中だが、実際に科学的な考察や進化論的な考察も行われてこなかった。
奥さんが偉いとか、子供がかわいそうなどと、実際に彼らの子供に会って悲しんでいるか聞いた訳でもないのに、勝手に先入観で決めつける方が可哀想と私は思うが、不倫メディアも一大産業化しているような感じはある。
もちろん私は不倫賛成などと言いたいわけではないが、一夫多妻制の国もあるし、一妻多夫制の民族などもいる。
それならば、マイノリティの意見も尊重されるべきなんじゃないのか。とも思ったりする。別に正解は無いし、勝手に過去の日本人の誰かが法律で決めただけの話ではある。
そもそも、現代日本で不倫したいと思っている人がマイノリティなのか。という疑問もある。不倫や浮気は嫌だけど、お店に行って行為をするのは大丈夫という謎の理屈をこねる人もいる。そんなこともあり淋病や梅毒患者が現代でも増えているのは先進国で日本くらいとも言われる。
日本はイスラム教のように、一発目で結婚して、それまでは誰ともキスもハグもしない、という文化ではない。(全てのイスラム教がそうではないが。)
日本の場合、欧米などよりボディタッチは少ないが、普通にデートするし、キスもするし婚前交渉もする。
婚前交渉をしない硬派な人間はバカにされてヤバイやつなんじゃねぇかみたいな偏見がある一方で、やりまくっている人もそれはそれでヤバいという、何とも言えないバランスの社会ではある。
結婚せずに子供を産むと法律的に不利になることが多いので、そのような選択を取る人は少ないが、出来ないこともないし、基本的に自由恋愛ではある。
最近だと結婚相談所に入会する人が多いが、結婚相談所では仮交際というシステムがあって、結婚相手探しを効率化させるために、同時進行で複数の相手とデートが可能らしい。
一日の間に複数人会う人もいるそうだ。
それでどこまで大丈夫なのか細かいルールは結婚相談所によるのか、共通のルールがあるのか知らないが、とりあえず同時進行は認められているらしい。
それが大丈夫なのに結婚したらダメというのは、気持ち的な問題なのか、慰謝料取られるからやらないのか微妙なところだと思う。
結婚相談所を経由して結婚を前提にデートしているのだから本気だし、行動だけ見れば付き合ってる段階の浮気に近いのかもしれない。
『何だそれは!そんな結婚相談所は運営できないようにしろ!』という人もいない。システムに組み込まれていれば、浮気(結婚相手を探す行為)は倫理的にやって良いということになる。
もちろん結婚していない独身だから大丈夫、ということもあるんだろうが、付き合っている段階での浮気も、日本で広く認められているのかというと、そんなことはないというのが一般論だと思う。
感情はさておき、同時進行でいいですよ。というシステムなら、人は浮気をする傾向が強いのかもしれない。
3年目近辺で離婚する人の原因はよくわからないが、前に記事で書いたリストによれば、『性格の不一致』とか『価値観の違い』というものが上位にあった気がする。
昨日まで大丈夫だったけど、今日3年目の結婚記念日になっていきなり離婚したくなった。という事はありえないので、日本人の忍耐力を考えると、モヤモヤした期間が半年から1年くらいはあって3年目付近で決断するというのが自然じゃないだろうか。
私は結婚したことがないのでわからないが、結婚するほど好きだった人なのに、3年で一緒にいたくないほど嫌いになるというのも絶望である。
それだけ結婚を続けるというのは難しいことなんだと思う。
だから、不倫しても仕方ないというのは、筋が通らないかもしれないが、根本的に人間は不倫したいのか一人を愛したいのか、どちらなんだろう?という問題は以前から興味があった。
めっちゃ好きだったのに、慣れなのかわからないが、なんか前ほどすごい好きじゃなくなったな。という感覚は誰にでもあると思う。
異性に興味がなくダサい人間もいるし、異性を魅了するためだけにこの世に生まれてきたような人間もいる。
「男だから…」「女だから…」「人間ならこう。」と一括りにできないだろうが、良い人を見つけるために、たくさんの人と付き合いたいと思う人は多い気がする。逆に一人で一発で決めたいという人もいると思う。
『付き合う』と『結婚』は違う。という人も多いが、それを言う人は人を選べるモテる人だろう。
そのような人が付き合う目的は、短期的な癒やしの為なのか、交際相手がいないとダサいから見栄なのか、身体目当てなのか、経済的負担の解消等、結婚には繋がらない何かを得るための人が多いのだろうか。
なんか試食のウインナーだけ食って、買わずに帰る客感はあるが、別に付き合ったら結婚しないと違法でもないし、学生でも、卒業したらほぼ別れるのに、承知で付き合うということは、まさにシリアルモノガミーと言えるかもしれない。
ただ、そんな生活で生きてきた人でも、結婚するとシリアルモノガミーをストップさせなければいけない。
その本能的な恋愛観のシリアルモノガミーから脱却する事が結婚であって、結婚したら途端に不倫はアウトになる。
婚姻後の身体的な性交渉は完全に法律上で不倫ということになって慰謝料請求されるが、気持ちが結婚相手から離れたら浮気という人もいる。そもそも相手を好きじゃないし、結婚生活をやめられるならやめたいという状況で10年くらい長引かせている人もいる。
逆に、お金を払ってお店に通うのは気持ちが結婚相手に向いているから大丈夫という人もいるらしい。
ただ、人間にはそうでもない人でもキスをすると『自分はこの人が好きなんだ』というホルモンが出て、好きになる傾向が強くなる。とも聞いたことがある。
ここまで議論した内容だと、ほぼ一人に絞り込めないような要素が強い。他者へ向かわせる要素が多すぎるような気がする。
結婚後に3年でそんな好きじゃなくなるとすれば、3年くらい事前に結婚同様の同棲をして確かめるか、ニュートラルな感情を維持し続けるしかない。
周りにいるいろんな人と付き合いたいのに、我慢して結婚している人が一定数いるとすれば、残念な話である。
最後に、タイトルに書いたテナガザルが、なぜ人間の理想に近い一夫一妻なのか、という話をしておきたいが、一夫一妻か一夫多妻かは、雌雄の身体の大きさに関係するらしい。
簡単に言えばテナガザルの雌雄の身体の大きさはほぼ同じだが、一夫多妻のゴリラは2倍くらい身体の大きさに差がある。ゾウアザラシなどもオスの身体が大きく一夫多妻らしい。
人間で身長の2倍は不可能だが、体重90キロと45キロのカップルとかなら、現実的に全然あり得るだろう。
そう考えると、『じゃあ人間って本来、一夫多妻じゃん。』となってしまいそうだが、人間にも理性があるので、どうにかなっているんだと思う。
男女似たような体格の人と付き合えば上手くいくのかわからないが、猿だった時代からのDNAの進化的なものなので、話が別の気がする。
人間は一夫多妻になりたいのに、我慢して過ごしているんだろうか。
テナガザルのように、仲睦まじい夫婦になれるような身体的特徴が似ている他に今の人間に応用できそうなものがあればいいが、趣味とかだとどうも浅い気がする。
ただ、子孫繁栄という観点がメインで語られているが、人間は別に子供が欲しくないという人もいる。ただ、金だけ欲しいので金持ちと結婚したいという人もいる。
そのあたりが、人間と猿を分ける重要な手がかりになりそうな気がする。
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