マイナンバーカードの再交付顛末記
1 経緯
(1) マイナンバーカードの再交付申請
私は、令和2年8月中旬に横浜市から呉市に仕事の関係で転居しました。その際、マイナンバーカードを利用した転居手続きを行いましたが、マイナンバーカードの追記欄の余白がなくなり、転出後の住所の記入ができなくなったとの理由で再交付申請を行うよう、転入手続きを実施した呉市役所広支所で指示されました。その際、「保有しているマイナンバーカードは使えないので広支所で預かる。」と言われましたが、マイナンバーを保有していないと自分のマイナンバーを確認できないのでそれを拒否したところ、保有は認められました。
しかし、「再交付申請したマイナンバーカードが届くまでの間、旧マイナンバーカードは使えなくなると、コンビニでの住民票交付や既に利用していたマイナポータルへのログインが行えなくなるなどの不利益を被るのはおかしい。」と抗議したところ、「国が決めていることなので、どうしようもない。」との回答でしたので、納得はできませんでしたが、それ以上抗議することは控えました。
(2) 再交付されたマイナンバーカードの受け取り
約1ケ月後、マイナンバーカードが交付されたので、居住地の近くにある呉市役所川尻支所に受領に来るように郵送で案内がありました。案内書には、受領時間の指定に関する記述はなく、平日の支所の窓口が開かれる時間(午前0830~午後1715)は、勤務先の勤務時間であり受領に行くことはできないので、日曜日の休日窓口を訪れました。「休日窓口ではマイナンバーカードの交付はできない。」と言われたため、「平日の窓口の時間は、勤務先の勤務時間と重なっているため休日にしか受領に来ることができない。どうしたらよいか。」と尋ねたところ、翌日、担当から電話させる旨回答されました。
その週の水曜日、川尻支所長から電話があり、月に1回の日曜日と毎週木曜日の1900まで呉市役所のマイナンバーカード交付の窓口を空けるので、そこで受領することができると言われたため、今歩いて行ける場所にあるカードが川尻支所から市役所に引き上げられることと、私自身の往復の足代と取りに行く時間が無駄だとは思いましたが、直近の木曜日に受領することとし、その旨支所長に伝えました。なお、支所長に伝えられた内容は「案内」には記述がなく、後に呉市役所のホームページで確認できました。
その翌日の木曜日に定時1700に職場を出て、1830頃、呉市役所に向かい再交付を受けました。
2 問題認識
(1) 一連の経緯を通じて私が持った主な疑問点は以下のとおりであり、呉市役所の市民窓口課に問い合わせを行いました。
・追記欄の余白がなくなるという理由でカードが使えなくなる理由
・カードの交付窓口が普通の勤め人が受領できる時間まで空いていない理由
前者については、総務省の通知「通知カードの運用上の留意事項、個人番号カードの運用上に留意事項及び転入届の特例及び住民票の写しの交付の運用上の留意事項について(平成27年9月29日総行住第138号)」により「追記欄の余白がない場合」は個人番号カード(マイナンバーカード)が利用できない場合とされ、「個人番号カードの廃止・回収を行い、住民の希望に応じて新規に交付を行う。」との規定に従っているとの回答でした。
また、後者については、「マイナンバーカードの交付につきましては,市の内部での協議により,夜間・休日において呉市役所市民窓口課のみにはなりますが,毎週木曜日(平日のみ)19時までの窓口延長と原則毎月最終日曜日の8時30分から16時30分まで窓口を開設してカードを交付しておりますのでご利用ください。
夜間・休日における窓口開設のため市民窓口課では,勤務時間の変更や振り替えで対応しておりますが,各市民センターでは,このような対応が難しいことから,執務時間である平日8時30分から17時15分までとしておりますので,ご理解のほど,よろしくお願いいたします。」との回答でした。
3 所見
(1) 追記欄の余白がなくなった場合のマイナンバーカードの廃止については、市としては総務省の通知どおりに業務を行っているので問題ないとの回答だと理解しています。しかし、利用者の利便は損なわれていることは事実です。総務省の通知には、確かに廃止・回収を行うとありますが、その時期については明示していません。再交付を受けてから廃止・回収すれば、再交付まで利用できないということは起こらないと思うのですが、広支所の職員は即座に私のカードを回収しようとしました。ちょっと考えれば、私が困るということはわかると思うんですが。また、廃止手続きを行っていないカードが本当に使えなくなっていたのかも疑問です。実は使えたのではないかと思われるのですが。
(2) カードの交付窓口については、週に1回は1900まで空けているし、月1回は日曜日も空けているので、それで我慢せよということなのでしょうが、大多数の住民の利便性を考えれば十分とはいえないと思います。憲法には「公務員は全体の奉仕者」とあります。市民窓口課の回答中にある「内部での協議により」の記述は、このような意識の欠如が如実に表れているようにに思えます。
4 補足
本件については、総務省にも窓口があるので、問い合わせようかと思っています。特に、再交付を受ける前にカードを廃止・回収しようとした広支所職員の行動と廃止前のカードが使えなくなるとの説明は正しかったのか確かめたいと思います。
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