ランクマッチで不必要な運ゲーをしてしまう人が抱える「運ゲー以前に勝てない理由」
上記記事のように、公開のまま残す記事において、表現や誤字の訂正や必要と思われる追記を行うことにしました。
一度読んだ方でももしお読みいただければ嬉しく思います。
先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。
以下に20本ちょっとの記事をマガジンでまとめておりますので、この記事をご覧いただいた後、ご興味がありましたらご覧いただければ嬉しく思います。
○初心者が「不必要な運ゲー」をしてしまうのはなぜか
基本的に、どんな競技であっても、プレイヤーが目指すのは最も自分が勝てる状況を作ることが必要ですから、勝つための条件に「確率」が含まれる場合、その確率を最大にすることが求められます。
仮に80%で勝てる行動があるのに70%でしか勝てない行動をしたら、その10%が「不必要な運ゲー」であり、程度を超えた次元になったものが「あんたなにやってんねん」的に「クソ運ゲ」「なめプ」と呼ばれてしまうものとなってきます。
こういう話をすると、大抵「まだうまくないんだから仕方ないじゃないか!」と思ってしまう初心者の方が多い印象があるのですが、ちょっと冷静に考えてみましょう。
というのも、この話の本質は、単純に現在の実力が原因とまとめていい話ではないのです。
ポケモンと関係ない話で例えてみましょう。
誰だって20%の確率で100万円もらえるのと21%の確率で100万円をもらえるのをどちらか選べと言われたら、1パーセントという小さい確率の変動であっても、後者を選びますよね。
普通このような選択で前者を選ぶのは、確率が低い方が200万もらえるとかのリターンが違う場合であって、完全にリターンが共通で当選率が違うだけなのに分が悪いほうを選ぶことはありません。
つまり。
利益の内容自体が完全に共通であれば、自分がその利益を受ける確率に違いがあることさえ認識できていれば、普通の人間の一般常識として、わざわざ確率が低いほうを選ぶことはありません。
さて、ポケモン対戦においてのリターンは「勝ち星がつく」ことで、結果のレート変動はマッチングして相手が固定された時点で同じなはずですから、つまりリターンは同じでただ確率が違うだけです。
これでわざわざ確率が低いものを選ぶ人は普通に考えておかしいですよね。「勝ちたい」と思っているごく常識的な人聞のプレイヤーが、「どっちが理論上勝てるか」に明確な違いがあることを理解しているなら、確率が低いことを意図的にやることはないです。
ということは、どう考えても机上論の時点からですら「いやあんたどんだけ低い確率でしか勝てないことやってるんだ」 という人は、その人が一般的な感覚を持っているのであれば、
「そもそもちゃんと勝つ気がない」か。
「勝率見込の計算ができない」か。
「勝率自体を意識していない」か。
のどれかになると思われますよね。
このうち、競技の場にいるのに「ちゃんと勝つ気がない」人を想定してもしょうがないと思いますが、他の可能性はどうでしょうか。
○複合的な確率計算はともかく、誰にだって難しくない計算はいくらでもある
「勝率見込の計算ができない」というと、さも実力がーみたいな話になるように聞こえると思いますが、ここで言いたいのはそういう段階の話ではありません。
例えばですが、ハイドロポンプは命中率が80%の技ですが、自分が勝とうとする方法にハイドロポンプを撃って当てることが含まれる場合、どんなに自分の思い通りに事が進んだとしても机上論の勝率は80%までになるわけです。それがトッププレイヤーでも最低順位のプレイヤーでも変わりません。
例えばあなたが、ハイドロポンプを1回は絶対撃つが、それを当てらればどんなに相手が強くてもそれ以外の運がどんなに悪くても100%勝てる天才的なプランをくみ上げられたとしましょう。
しかしそれは、どんなに自分が相手より上手だろうが、どんなに完壁に相手を掌の中で転がそうが、ハイドロポンプを1回撃つ想定で、プランをくみ上げた時点で5回のうち1回は負けてしまうプランだということです。あなたがどんなに天才的に上手いプレイヤーでも関係ありません。だってどんな人でもハイドロポンプは5固に1回外れる設定になっているからです。
つまり、例えばハイドロポンプとなみのりを覚えるとして、なみのりがダメージ乱数が80.1%以上であるなら、この面で見る限りハイドロポンプを使い意味は全くないはずです。ちなみにこの判断はポケモンの腕という次元の話ではなく、普通の一般常識的な判断の段階です。
勿論他の場合にハイドロポンプでは足りないかといった検討が実際には入るわけですが、少なくともこういった単発の話であればそもそも書いてあることそのままであったり、ダメージ計算アプリで計算したものと比べるだけなので、ネット環境とスマホがあれば誰でも当然のように行うことができます。
そもそもランクマッチをしている時点でネット環境はありますし、今のご時世、スマホを持っていない方は現在かなり少ないと言えるでしょう。
よって、こういった計算ができる人が限定的ということは絶対になく、なんらかの縛りがなければ、ある程度の年齢以上の方であれば普通にできることなはずですから、それこそ初心者かどうかに関わらず、技術的に「勝率見込の計算が全くできない」人は、基本的に存在しないはずなのです。
だからこれができない理由、腕がどうこうだ、というのは正直考えづらいのです。
つまり常識的に考えて、「どんだけ自分が勝てないことばかりやってるんだ」ということをしてしまう人は、「勝率自体を意識していない」のです。
○勝率を考慮せずに他人より高い成果を得れるわけがない
言うまでもないことですが、机上論はしょせん机上論であり、複合的な要因が絡む以上、机上論80%で勝てるという想定が実際に80%の勝率をたたき出せることはありません。
我々はスパコンでもなんでもないですから、机上論よりも現実の勝率は落ちるものです。ただ確実にいえるのは、基本的に勝てないということは負けているということなので、自分が勝率40%ということは相手の勝率が60%ということであり、勝率が高いほうが有利で、ある以上、自分がまける見込が高いということです。
ちなみにここまではポケモンがどうとかいうことは一切関係ない話です。
それを踏まえて一つ例を出しましょう。「初手の50%同速勝負に勝った上で、ハイドロポンプを1回当てれば絶対勝てる」だったらどうでしょうか。
初手に机上論として50%で勝ちになり、その50%のうち80%でしか勝てないのですから、既にこの想定の時点で期待できる勝率は50%を切りますよね。
普通に。
ごく常識的な人間的な発想として。
どう考えても。
この程度考慮しただけ時点で勝率、つまりを利益を得られる確率が50%を切るなら、まずは他のプランがないか考えますよね。だってこんなくらいで既に50%を切る時点で自分が不利なんですから、それをわかっているのにわざわざ負けに行っているようなものですよね。
そして、この勝ち負けというのは、全員が一斉にコインの表の回数を競うように、相互関係なく起きるものではなく、誰かに勝ちがつくということは誰かに負けがつくということですから、誰かが多く勝つということは誰かが多く負けるということです。
つまり、机上論の時点で勝ち目が薄いことを繰り返す人が、勝ち目が高いことを繰り返す人よりも、一般的に多く勝てるはずがないのです。
要するに、不必要な運ゲーを繰り返してしまうような方は、ポケモンの技術がどうとかではなく、あくまで一般的なことの範囲として、「どうやったらより勝てるのか」「当たり前に気にするべきことをしているのか」といったところを意識できていないのです。
○当たり前のことを当たり前のように意識するだけで当たり前のように上手くなれる
あくまで個人的な感覚としてはですが。
先の例のように、それこそ「相手に勝ちたい人が集まる場所で」このような「わざわざ勝ち目が薄い人は普通いない」上で「特定の人にしかできないことではない」にも関わらず、なぜ「自分が勝ち目がある側なのかを気にできていない」人がいらっしゃるのか。
どう考えても、そういうことを意識するだけで、絶対に勝率によい影響が出るにきまっていることを、逆に言えば意識しないだけでわざわざ負けに行くことになるようなことを、意識しない人がいらっしゃるのか。
さらにいえば、どんなにカジュアルな対戦しかする気がなかったとしても、勝ち負けという結果がはっきり出るもので、「わざわざ負けたい」人は普通いないはずなのに、どうして勝ち目がうすいことを許容できる人がいるのか。
正直私にはわかりません。
私は格ゲーがほぼできない人ですが、今友人の付き合いでスト6を遊び程度に触っています。いわゆる完全カジュアル勢で、ランクマッチもやっていません。そんな私ですら、別にわざわざ負けたいわけでもないし、あまりに弱すぎると相手も面白くないだろうからと、少しですが練習自体はしています。そのうえで、例えば「フレーム」といった、多分格ゲーが好きな方がだれでも同じように当たり前に意識するようなことを意識するようになったただけで、それを理解する前よりかはマシになりました。一応友人とは遊べています。
まあ、そんなもんですよね、対戦競技って。
そういう誰でも意識できることを他の人と同じように意識できるようになって、やっとどれだけできる量が違うのかを比べあうスタートラインに立てるわけで。上手い下手、勝てる勝てないという「他人との差」の影響がどう出るかはその先の話です。
つまり、不必要な運ゲーをする人がそういった状態にある理由が「その場の人たちにとって当たり前のことを当たり前と思えていない」時点で、実際の確率がどうの以前にしっかりとは勝てるはずがないのでは?ということです。
まずはそういった、「当たり前のことを当たり前にちゃんとしよう」という意識をもち、「他のひとが普通出来るのに自分ができないこと」をなくしていくことで、必ず成果は上向くと思います。もしどなたかの参考になれば幸いです。