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動画でわかる英文法[読解入門編]

武田塾に通い出した息子は、大岩の英文法を終わり、英文法ポラリス1に入った。武田塾チャンネルによると、英文法ポラリス1を終わると、いよいよ英文解釈だ。使う教材は、「肘井の読解のための英文法」から「動画でわかる英文法[読解入門編]」にスイッチされたらしい。
そこで、息子か使い始める前にやってみた。

まずは形式面から
本編は文型、品詞、構文のパート1〜3で構成され、さらに冒頭に英語の基本としてパート0が置かれている。
本編の各パートは2〜5のチャプターに分かれ(全11チャプター)、各チャプターはそれぞれ2〜6のレッスンで構成されている(全43レッスン)。また、各チャプターの末尾にはエクササイズA(各5問)、各パートの末尾にはエクササイズB(各5〜6問)が設けられている。
各レッスンは見開き2ページで完結し、例文とその図解付き解説が2セット(要するに1レッスンにつき例文2つということ)、最後にそのレッスンで学んだポイントのまとめという構成になっている。
例文は1〜3行と短いもので(中には3単語というのもある)、英文の構造を把握して意味を考えましょうという課題が与えられる。
図解は、主語がブルー、述語動詞がピンク、目的語がグリーン、補語がオレンジに着色され、名詞句・節が〈 〉、形容詞句・節が[ ]、副詞句・節が( )で囲われる(括弧の使い方はThe Rulesと同じ)。また、矢印で修飾関係が示され、andは何と何を結んでいるの分かるように図解されている。
各レッスンとエクササイズBには動画が用意されており、QRコードを読み込んで視聴する(YouTubeチャンネルに飛ぶ)。

続いて内容面。
各レッスンは、いずれも「●●を見抜く」と題され、与えられた例文に対し、どのように頭を動かして(どの点に着目して)文の構造を理解していくのかが解説されている。要するに、思考プロセスが示されているということだ。
この点は、肘井が、●●にはこういう場合があります、ああいう場合もありますと例文をたくさん掲げた上、どちらであるかは、このように区別しますという解説の仕方をしているのと異なっている。武田塾が肘井から動画で分かるにスイッチしたのは、このプロセス重視の解説がされているということが主な理由であろう。
しかし、プロセス重視の解説とは言っても、最初の方の「短い文のSVを見抜く」とか「SVCかSVOかを見抜く」とかはともかく、先に進んでいくと、解説されている思考プロセスを理解し、運用するためには、肘井が例文で掲げているような知識がないとついて行けない。たとえば、「動詞+名詞+to doを見抜く」というレッスンがあるが、例文では、動詞としてallowが出てきたので、allow O to doを想定などと解説されるが、何のことはない、allowの語法の知識にほかならない。それならば、肘井で例文をたくさん見た上で確認問題をやるのと同じではないか。いずれにしても、動画でわかるを読んでいて強く思ったのは、語法を強化する必要があるということだ(息子には、はじめの英単熟語ドリルをやらせたいと思った。)。
各レッスンには5分程度の動画がついている。内容はテキストをなぞるものだが(テキストだけで十分理解することができる)、テキストでは触れられていない、ちょっとした役に立つ点が触れられたり、直訳からこなれた日本語に変換するプロセスが触れられていることもある。
エクササイズAは、そのチャプターで学んだ例文とそれほど変わらない英文について、構造を把握して意味を考えさせるというものだ。
エクササイズBは数行の英文に意味を考えさせるというもので、入試問題からの出典であり、解説動画がある。
本書は、思考プロセスを解説するということをコンセプトにした参考書で、意欲的なものではあるが、その理解のためにはそれなりの知識が必要であり、初学者がいきなり取り組むのは難しいだろう。また、例文も短いものが86文と少なく、エクササイズAも例文とあまり変わらないものが55しかない。本書のあとには、入門問題精講などに取り組む必要があろう。


 


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