写真を撮らせてもらうこと。
少し前、個展をさせてもらった。
個展をする。と決まってから日常を過ごす中で、
あまりめにみえないところで、気づかないように働いている人の写真を集めていた。
自分たちがあたりまえにつかっている
電気やガス、水の管理や、
電車が事故もなく当たり前に動いていたり、
街をきれいにしてくれている人を、
あたりまえをあたりまえのようにしてくれてる人たちを、撮りたい、と思った。
「まったく知らない人の写真を撮る。」
という経験がなく、
あ!撮りたい!と思うことはあっても、
見ず知らずの人に
声をかけて撮らせてもらうことは
とても勇気がいった。
心臓がドキドキと全身でいってて、
なにをしゃべってるのかわからなくなる。
へんな汗もかいてしまう。
声をかけられずに、前を通り過ぎたり、
うろうろしたり、結局断られるのが怖くて
やめたことも、何度もあった。
少しイヤやわ!と怒った表情になる人もいれば、
聞こえてなかったかのように無視する人もいた。
でも、そのおかげでこうやって、快く写真を
ええよ!って撮らせてもらえることが、
あたりまえでない。ことがすごく痛感した。
それにその倍、人の温かみも感じた。
自分がやりたいことを上手く伝える
むずかしさを感じたり、言い方や、
相手の受け取り方にとっては違うように
伝わってしまったり。
語彙力のない私にとっては、
たくさんもどかしさもあったけど、
なるべく自分の言葉で、相手を考えて、
気持ちを伝えること。
聞いてくれることに感謝の気持ちをもつこと。
大切だと思った。
仕事中に、いやなひとも
たくさんいただろう。
けれど受け入れてくれて、聞いてくれて、
撮らせてくれて、頑張ってね〜!って。
たくさん、ありがとうの気持ちがあふれた。
めにみえないところで、
こうやってしてくれてる人たちがいるから、
私たちの生活があって、
ひとりではないってことを。
あたりまえがあたりまえでないことを。
伝えたい。と強く思った。
きっかけをくれた人、むちゃぶりにも協力して快くさせてくださったギャラリーの方々、応援してくれる人、きてくださった方たちが、いることもあたりまえでないのだと、痛感し幸せなろうそくが心に灯り、言葉ではいえないようなものがあふれるような経験だった。