創造力を磨く「デザイン思考」の学習方法!日常的に取り入れられるデザイン思考力アップのコツも紹介
2022年になり、春のインターンや本選考に備えてWebテストの対策を本格的に始めながらも、「デザイン思考テスト」の対策に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?創造力を問うテストには実際に学習方法があるのか?と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。私自身も就活の際に全く対策方法が分からず悩みました。今回は、そもそもデザイン思考とは何か、また「デザイン思考テスト」を受けた経験を元に、デザイン思考力の身につけ方を紹介します。
ーそもそもデザイン思考とは?
デザイン思考は、多様化したニーズに対応する解決策を見つけるための考え方として注目されています。社会の変化に伴い人々のニーズが変化し、従来の多くの人に向けた商品やサービスを作るアプローチでは人々のニーズや期待に応えられなくなってきたためです。
デザイン思考では、一般的に5つのステップを踏んで物事を考えます。そのプロセスは以下の通りです。
①観察、共感
課題をユーザー視点でとらえて、根本的な解決策を探す。
②定義
①のプロセスから得られた意見からユーザーのニーズや現状の課題を抽出し、仮説を立てる。さらに、課題解決に向けた具体的な方向性を定める。
③概念化
定義したユーザーのニーズをどう満たすか、課題をどう解決するか、アイデアを出し合う。「概念化」のステップではたくさんのアイデアを出すことが大切。その後、出し合った数多くのアイデアを分類し、最も支持されたアイデアに絞り込む。
④プロトタイプ(試作)
固まったアイデアをもとに商品やサービスの試作をする。アイデアを形にする過程でこれまでは見えていなかった課題を改めて洗い出す。完璧を求めているわけではないため、できる限り短期間で行うことが大切。
⑤テスト
④で作成した試作のユーザーテストを行う。このプロセスで得られたユーザーの反応をもとに仮説が正しかったかどうかを検証し、プロダクトがユーザーのニーズに沿っていたかを確認する。
デザイン思考では、以上の5つのプロセスを反復して商品やサービスを生み出していきます。
ーデザイン思考を活用する上で必要な3つのこと
デザイン思考では、上記の5つのプロセスを一通り進めたら終わりではありません。これらのプロセスを「戻って繰り返す」ことで徐々に精度を高めていきます。つまり、デザイン思考は一度やったら終わりでなく、そこからがスタートなのです。そのため、デザイン思考を用いて物事を考える際には以下のマインドを持つことが大切です。
● とりあえずやってみる
● やり直しをすることが大前提
● ユーザー視点を忘れない
デザイン思考というと実際にイメージしづらく、難解に聞こえるかもしれませんが、真新しいアプローチでも、難しい考え方でもありません。ニーズを探し、仮説をたてて検証するプロセスを繰り返す、いたってシンプルなアプローチです。
ー「デザイン思考」を実践する上での2つのコツ
シンプルなアプローチとはいえ、ゼロからデザイン思考を自分自身の考え方に取り入れるにはコツも必要です。次にデザイン思考を実践する際に使える考え方や実践方法のコツを2つ紹介します。
①デザイン思考の考え方のコツ「共感マップ」
デザイン思考のプロセスの中でもやはり大切なのは、ユーザー視点を徹底しているか、解決策に共感できるかではないでしょうか。この「共感」に関しての思考法を鍛え、ユーザー視点で状況や感情を理解するのに役立つフレームワークとして「共感マップ」があります。
「共感マップ」では、ペルソナが普段見ていることや考えていること、行動や願望などを「6つの視点」から具体的に書き出し、マップ化します。これによってペルソナの本当のニーズを発見しやすくなります。「共感マップ」で用いる「6つの視点」の要素は、以下が一般的です。
1. 見ているもの(視覚)
2. 聞いていること(聴覚)
3. 考えていること、感じていること(思考)
4. 言っていること、行動していること(言動)
5. 痛み、ストレスに感じていること(感覚)
6. 欲しているもの、得られるもの(願望)
以上を書き出して整理することで、ペルソナを内面からはっきりと理解できるようになってきます。しかし、「共感マップ」のフレームワークを行う上で注意点が2つあります。
1つ目は、数人でアイデアを出し合うことです。感情は主観的なのでグループで取り組むことでただのイメージで終わらせないようにしましょう。2つ目は、「共感マップ」は、1人のペルソナに対して1つとすることです。同じ案件でもペルソナが変われば共感マップも変化することを頭に入れておきましょう。
②デザイン思考の鍛え方のコツ「デザイン思考テスト」
「デザイン思考テスト」は、何らかの状況の中でニーズを見つけ、ニーズにあった解決策を提示する力と、それらのアイデアを的確に評価できる力を測るテストです。前述の「共感マップ」などを用いて普段から特定の人に深く共感して考えられる力を養えば、「デザイン思考テスト」のスコアも上昇していくでしょう。
日常生活の中でデザイン思考のプロセスや「共感マップ」のフレームワークを実践した実力試しとして「デザイン思考テスト」を受検してみることもいいかもしれません。創出するアイデアの数が増えたり、アイデアへの評価が高まったりすることでモチベーションの維持にもおすすめです。
これらのフレームワークやテストは、デザイン思考と組み合わせて使うことで生産性を高められます。自分の使いやすい活用法を探して、ぜひデザイン思考の実践に利用してみてください。
ー最後に
デザイン思考は、社会に出てからも必要とされる頭の使い方です。デザイン思考を取り入れるメリットは、社会で活躍するスキルだけでなく、普段の生活にも応用できる姿勢が身につく点であるといえます。例えば、アイデアを沢山提案する習慣が身につく、失敗に対する恐怖心が薄れて提案やチャレンジする姿勢が養われる、多様な意見を受け入れる力が身につくなど、数え切れないほどです。
どんな考え方も、知っているだけでは結果と結びつきません。結果につなげるためには実践の中で経験を積んで、手法を自分のものにする必要があります。みなさんも日常の中で少しずつデザイン思考のプロセスを意識して取り入れながら慣れていき、徐々に応用してみてはいかがでしょうか。