言葉が足元に欠け落ちていたので
言葉が足元に欠け落ちていたので、僕はそれを拾ったが、何の一部か分からない。
手にすっぽりと収まってしまうほどのそれは、秋のようなひんやりとした淋しさをしていて、でもからっと晴れた青空の香りがする。
その言葉を光に透かしてうっとりするのだが、やはりどうにも意味が分からないので丸めて耳の中にいれて見ると僕は意味なくふわふわ浮かんで青空に消える。
何か残っていたらいいなという叶わない願いに悲しくなるがそれもひと時のことで、どうでもよくなる。
そうだ、どうでもいいのだ。
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