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Xanadu

いよいよアルバム「Xanadu」勝手に曲紹介もラスト。

アルバムリリースから1ヶ月、クリスマスの今夜、この曲のナイスなMusic Videoも公開になりました。まずはたっっくさんの動画を送ってくれたみなさん、ほんとにありがとうございます!


「10周年イヤー」というものは一度しかないので、楽しもうと思ったし、今年のはじめに1年の計画を立てる上ではとっても意識したし、2020年が特別な1年になったことは間違いないんですが、

曲をつくる上では、このある種の「私情」はまったく意識していませんでした。し、そういう曲をつくりたいとも思いませんでした。ただ純粋に、僕たちの最新のシティポップ・ニューミュージックとしていい曲を、という思いのみでした。

でも、この曲だけ、出来上がってみたら、曲のつくりも、歌詞の中身も、10年間の僕たちの歩みがじんわりと滲んでいるような、そんな不思議な曲になりました。


8月に入り、アルバム制作は佳境を迎えていました。

先にリリースが決まっていた先行配信の6曲に加え、その隙間を埋めるようにアルバム曲の選定もほぼ終わっていました。

ただ、アルバム最後を飾る曲だけが、未完成のままでした。

正確にいうと、別の曲のデモがずっとその位置にありつつ、メンバー全員がそこに少し煮え切らない感触を持っていました。


僕の中で、このアルバムのラストナンバーはこういう曲にしたい、というポイントがいくつかありました。

・前向きで、

・肩の力が抜けていて、

・サビはコーラスがメイン。

元の曲も、その要素は満たしていたんですが、何かが足りなかった。

その何かを探して、曲を1から作り直すことにしました。


結果、残ったのは最初の大仰なイントロだけ。笑

スタジオでまずみんなでセッションをしながら、いろんなリズムを試して、コード進行を決め、メロディーを探していきました。

「メロディーを探す」というのはなかなかしんどい作業で、本来なら閃いたメロディーが屋台骨としてあって、そこからアレンジや全体像を膨らませていくのに、漠然としたゴールがあって、そこに向かってメロディーを探すのは、本当に手探りの感覚。でも、今年はそれをサマーレインやplasticでもやっていたので、きっと辿り着けると信じてやってみました。

少しずつ少しずつ、ピースが集まって、それを続けていると、ある時不意にその集めた断片たちが「ひとつの曲」になって見えてくるのです。嬉しい瞬間。そうすると、アレンジまで一気に見えてきて、そこから曲の完成までは早かったです。アルバム最後のレコーディングの、おそらく1週間前とかでしたが…危なかった。

この曲には、2曲の「ルーツ」があるなと、個人的には思っています。

ひとつはこちら。

「サビでコーラスがメインになる」というアイデアの発想元です。ベーシックのコード進行も、オマージュしてます。

そしてもう1曲。

こちらもコード進行を少しオマージュしていたり、あとは「YOU」だけに限らず、大江千里さんらしいフレーズがシンセで入っていたり、エッセンスを散りばめています。

でも、どの曲もそうですがリファレンスも結果的に曲が呼んだものしか入れてないので、たまたま普段から聴いているものにインスパイアされただけ、なんですけどね。メンバーそれぞれのそういうものが重なり合って、新しいものになっているんだと思います。


そんなこんなで、曲ができてから約1週間の間で歌詞を仕上げることに。

延本が苦戦し、何パターンか書くものの「何か違う」となり、いよいよ時間もなくなってきたので、僕も書いてみることに。

なんとか書き上げた僕の詞が「OK」になり、REC当日を迎えた、のですが、

歌入れ当日の朝、スタジオに着くなり延本がおもむろに詞を書き直しはじめました。

別の作業がちょうど終わる頃、延本が手に持ってきたのは、僕と延本の詞がドッキングされたものでした。

今までも共作というかたちの歌詞はたくさんありますが、だいたいは僕の書ききれないところを延本が手伝う、もしくは延本の詞を音に合うように僕が手を加える、というものでした。

なのでこの曲の詞のつくりは今までとは少し違います。両方の詞のいいところを組み合わせたら、完成したのです。年々違うタイプの詞にそれぞれがなってきたのですが、この曲は、その両方の要素を必要としていたのかもしれません。


そんな曲のつくりも含め、各々のプレイにしても、この曲は10周年のアルバムの締めにとっても相応しい1曲に仕上がったなと思います。

本当にギリギリ、最後の最後にできた曲なので、この曲がなかったら、、と思うと、おそらく全然違うアルバムになっていたんだろうなと思います。


この間の配信ライブでこの曲を初めて演奏したら、思ったよりもなんだかロックでびっくりしました。笑

曲をつくり直し、錬金する過程で、いつの間にかこの曲に「決意」や「アティテュード」みたいなものを込められたのかな、と思いました。

「ウケる」ためにポップスを選んでるんじゃなくて、本当にポップスを尊敬し、愛しているからポップスをつくる。

ポップスをつくるということが、どれだけ難しくて、どれだけやり甲斐のあることか、知っているから。

そんな音楽への「愛に生きる」決意。僕たちは「準備万端」です。


ということでリリースから1ヶ月、あらためてアルバム「Xanadu」を何卒!よろしくお願いします。このアルバムをつくれて、間違いなくスペシャルな2020年でした。





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倉品翔
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