親から子へどうやってレシピを継承するのか問題。『最初に読む料理本』を読んで
アラフォー新婚夫婦で二人暮らしをしています。夫と一緒に生活を初めてもうすぐ一年になります。わたしたちは料理することも食べることも好きで、色んな料理を二人で作ってきました。最近は妊婦になったので、生まれてくる子どもと色んな美味しいものを食べるのが今からとても楽しみです。ただ、その子が巣立つときにどんな思い出の味をどうやって持たせてあげられるかなと思うのです。私自身、特に母から料理の作り方を習ったことはなく、大学生の頃からの自炊は独学でした。いつか子どもにレシピを伝えようと思ったら、データでまとめるとか、愛用の料理本をコピーしたものを渡すとか、そんな方法は思いつきます。しかし、私の場合は、いくつかの本や過去の経験から、個人的に好きなところをかいつまんでアレンジしているところがあるので、なかなか伝えるのが複雑そうなのです。「料理はこの一冊を読めば大丈夫」と言ってプレゼントしてあげられる本があるといいなと思っていたところ、この『最初に読む料理本』のことを知り、購入しました。
料理をすることは、生きること
この本はレシピと食のコラムで構成されています。料理と監修は、10代で渡欧し、世界各地で暮らしてきた経験のある古谷さんという方。私もオーストラリアやアフリカのジンバブエで暮らし日本とは違う外国の土地で揃う食材で料理してきて心身を整えてきた経験があるので、本の内側に書かれたこの言葉に惹かれました。そうそう、子どもには”生きること”を伝えたい。
自分の感覚を鍛える
この本には、分量や時間など詳しく書かれていません。たとえば、”鶏粥”の材料は鶏のささみ、味付けは、塩とごま油のみ。さっそく作ってみました。まず2切れのささみから、だしをとります。思っていたより味が薄かった。次は3切れにしようか。いや、もっといいささみなら濃いだしがとれるのかもしれません。
生米を入れるもなかなか、少し硬めに仕上がった。これもその時の体調に合わせて柔らかさを変えていくのがいいのでしょう。
今まで、いろんな人のレシピ通りに分量を量って料理をし、一回作れば満足した気でいたけれど、料理とは一回で成功や正解にたどりつくものではないのかもしれないなと思いました。そんなモヤモヤした気持ちを、この鶏粥を食べながら感じていました。
次はこうしてみようか、この素材なら味付けは濃いめにしようかなど、何回も作って、いつか本がボロボロになり、もうこの本要らないなと感じたころ、子どもが大きくなっているのかな。そんな未来を想像しました。
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