ターミネーター1~最新作公開記念!今だからこそ観てほしいシリーズの原点~
皆さんの記憶の中に眠るあの素晴らしきB級クソ映画の思い出を掘り起こしていきたい。
そしていつか当時(2002~2008頃)の「木曜洋画劇場」の制作に携わっていた番組関係者の方と繋がり、この「木曜洋画劇場」という枠を作ってきた素晴らしい仕事への感謝の気持ちを直接伝えたい。
そんな想いから立ち上げたGOOD GUY’s THURSDAY TV SHOW第2回目。
突然だが皆さん、サングラスをかけた映画キャラと言えば誰を思い浮かべるだろう。
1.「トップガン」のトム・クルーズ。
(35年ぶりの新作が2020年6月末に公開予定!お帰りマーヴェリック!!)
2.「メン・イン・ブラック」のJとK。
(今年MIBシリーズの新作が公開されましたね!まだ見てないけど!)
3.「マトリック」の仮想世界を巡る面々の皆様
(まさかの4作目制作決定!こちらもどうなることやら。)
メンインブラックから始まり、2020年のトップガン、ひいては制作が進行中のマトリックス。
そう。今年のメンインブラックを皮切りにサングラスをかけたやつらが銀幕に再び返り咲くラッシュが起きている。
そして去る11月8日(金)。時を同じくして往年のサングラスアイコンとしてこいつを忘れちゃいけねえシュワちゃん演じるアイツが帰ってきた。
まさに”アイルビーバック”
『ターミネーター:ニュー・フェイト』(原題:Terminator: Dark Fate)
製作総指揮 ジェームズ・キャメロン
監督 ティム・ミラー
11月8日(金)より全国公開中
制作に「2」の監督を務めたジェームズ・キャメロンが入り、リンダ・ハミルトンが復帰。
名作「ターミネーター2」の正統な続編として、わざわざ「3」と「4」を公式に黒歴史と認めさせたターミネーターファン必見の意欲作だ。
今回のGOOD GUY’s THURSDAY TV SHOWでは新作公開を記念して、35年前に公開されたターミネーターの記念すべき第1作目の紹介をします。
**ターミネーター1984・米
監督:ジェームズ・キャメロン
主演:アーノルド・シュワルツェネガー、
マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン
木曜洋画劇場放送日:2003年05月29日、2004年12月16日**
今でこそSF映画の金字塔として名高い「ターミネーター」シリーズ。
しかし1作目である本作はB級映画並みの予算で作られた。
監督であるジェームズキャメロンは監督デビュー作「殺人魚フライングキラー」でまあまあコケてしまった。
そんな彼にとっては今後のキャリアを考えていくための勝負に出た1本でもあった。
「タイタニック」「アバター」で世界中を泣かせた男の監督デビュー作がこれである。「ターミネーター1」がヒットしてほんとによかったねジェームズ・キャメロン…
~1分でわかるターミネーターのあらすじと結末~
ロサンゼルスでウェイターとして生計を立てているサラ・コナー。
ある日、ロサンゼルス市内の同姓同名の「サラ・コナー」が連続して何者かに殺害される事件が起き、ルームシェアしていた友人のジンジャーが自分と間違われ殺害されてしまう。
恐ろしさを覚え、逃げこんだ先のクラブで謎の大男に襲われる!
シュワちゃん演じるターミネーター。当初は別の配役だったが「オーストラリア訛りがひどい」という理由で無機質であまりしゃべらない機械役(ターミネーター)に変更させられたがそれががっちりハマって大ヒット。
キャメロン同じく、シュワちゃんもこの映画をきっかけに確固たる地位を築いたのだ。
がしかし、突如現れた「カイル・リース」と名乗る若い男に間一髪のところで助けられる!
カイル曰く、自分は機械と人類が戦争する2029年の未来からやってきた人類軍の兵士であり、先ほどの大男は2029年の未来で人類を抹殺するために作られた機械軍の人型兵器「ターミネーター」だと言うのだ。
そんな馬鹿気た話を信じられるわけもなく「なぜターミネーターは私を襲うの?」という問いに衝撃の答えが。
「サラ、君は2029年の未来で人類を導く指導者の母親なんだ」と。
人類軍の指導者ジョン・コナーの抹殺に業を煮やした機械軍はタイムマシンで刺客を過去の世界に送り込み、ジョンの母親であるサラを抹殺しようとしていた。
カイルは未来世界からその計画を防ぎにやってきたのだった。
人類軍の兵士として戦っていたころのカイル。
カイルの回想シーンで出てくる荒廃した地球のセットの作りこみがまたカッコいい。
恐ろしいほど執拗に追跡を続けるターミネーターを前に、サラもその話を信じ始め、やがて逃避行を続けるうちにサラとカイルは恋に落ちる。
そう。未来の世界で人類軍のリーダーとなるジョン・コナーの父親こそ未来からやってきたカイルのことだったのだ。
サラをかくまう警察署に乗り込み、ポリスたちを全滅させるターミネーター。
木曜洋画劇場でたまにあったおっぱいがっつり映っとるやんという思春期男子を困惑させるシーン。
翌日の登校時に友達たちの間で「昨日の木曜洋画劇場ヤバい」という一言は「おれはしっかりおっぱい見たぞ」という共通言語となっていた。
つかの間の愛も虚しく、激しい戦闘の末にターミネーターを倒すもサラを守り抜きカイルは戦死する。
全てが終わり、ジョンを身籠ったサラは機械軍の襲来に備え、1人荒野へ車を走らせる。
完
「ターミネーター2」が個人的に好きすぎるが故に1作目を再見したのは10年ぶりくらいだったが、全体の感想としては話が簡潔にまとまっていてターミネーターという存在の恐ろしさを強く感じた1本であった。
続編となる「ターミネーター2」では、1作目と同型のターミネーターが人類に鹵獲されてプログラムを書き換えさせられたという設定でサラたちの協力者となり、より強力な最新型ターミネーターとの死闘を繰り広げる。
「2」では家族の友情やロボットの感情の芽生えなど人間性的な部分に重きがおかれるのに比べ、
「1」は全体的にSFホラー調なよりダークな世界観が広がる作風であった。
改めて気づいた点を挙げていく。
・音楽
タ―ミネーターと言えば「ダダン ダン ダダン」で始まるあの曲が有名だ。
作曲したのはブラッド・フィーデルという映画音楽家。
ホール&オーツというアメリカを代表するポップユニットのサポートでキーボード奏者としても活躍している。
ちなみにホール&オーツはいつかの野村訓市のラジオで流されていたこの曲が好きです。Privete Eyes = 私立探偵
そんなブラッドが手掛けたメインテーマだが、「1」のメインテーマに違和感を覚えた。
メロディーこそ同じものの「1」のメインテーマは一言で表すとファミコンゲームのオープニングっぽい。
これは実際に聞き比べてみて欲しい。
1984年の1作目バージョン。
40秒あたりから聞いてみて欲しい。
ペレペーーーーーぺーーーぺーーー、とシンセサイザー(?)の電子音がなんだか時代を感じるいい意味で薄っぺらい。
変わって、1986年公開の2作目バージョン。
より重厚で激しい「鉄」や「炎」を感じさせるような、アクションがド派手になった「2」の雰囲気に寄り添いつつ奥行きを感じさせるテーマ曲となっている。
これを聞いた後でまた「1」を聞くと雰囲気が全く違うのがお分かりになるだろう。
編曲一つでこんなにも雰囲気変わるのかってくらい面白い。
・サングラスのわけ
最初に「サングラスをかけた映画キャラと言えば?」と聞いたが、実はターミネーターは最初からサングラスをかけていたわけではなかった。
物語中盤、反撃を頭部に喰らってターミネーターは人工皮膚が剥がれて機械の部分があらわになってしまう。
立ち寄った先のモーテルにて、周りの人間から見たら明らかに不自然なその部分を隠すためにサングラスをかけた、という流れで彼はサングラスを着用するようになる。
ちなみに「2」や「3」で人類の味方として登場した際には物語上別に必要なわけではないのだがは奪った服や車にたまたま入っていたからというだけでサングラスを着用する。「1」のサングラス着用こそシリーズ史上最も理にかなった行為だったということを書き留めておく。
・誰でも最初は素人だ
もう一つ感じたことはサラ・コナーのギャップだ。
1984年のロサンゼルスで己の運命を受け入れて覚悟を決めたサラは「2」以降の作品で「強い女性」として描かれる。
※精神病棟に収容された後も来るべき審判の日に備えてトレーニングを欠かさないサラ。
※機械軍の元凶「スカイネット」を開発するエンジニアの自宅を襲撃するコンバットおばさんと化したサラ
※最新作「ニューフェイト」にてロケランおばさんと化したサラ
色々な映画を見てきたが、トップ・オブ・怖くて強い母ちゃんというキャラクターこそサラ・コナーなのかもしれない…
そんなイメージが定着しているサラ・コナーだからこそ、まだ普通のどこにでもいる女の子だったころのサラ・コナーが見れる1作目は今見ると面白い。
客に嫌がらせを、がきんちょからセクハラを受けて同僚からの「あんなの気にしちゃだめよ」の一言に元気をもらう。
「2」や「ニュー・フェイト」のストイックな姿からはこんなオドオドしたサラ・コナーが想像できない。
「2」以降のサラであったら容赦なく嫌がらせする客の骨の1本や2本をへし折っているだろうのに。
とまあこんな感じで
・ここまで続編が続くと思ってなかった1作目当時のB級感
・シュワちゃんのサングラスをかける理由
・サラ・コナーという「強い母親キャラ」の原点
という要素を振り返ることのできるのがこの「ターミネーター1」なのだ。
この記事を公開する前々日に最新作「ニューフェイト」を鑑賞してきた。
今回は「サラ・コナー」という女の生き様に焦点が当てられているという感想を覚えた。
もちろん過去作のファンサービス的な描写も多々あるが、しつこすぎずいい塩梅で「新しい解釈」「その後の物語」が作りこまれている。
「2」が好きな方こそ改めて「1」を見返すと多くの発見と解釈が生まれるので、もしこれを読んでいる方で「ニューフェイト」を観る予定があれば是非とも本作「ターミネーター1」を観てほしい。
以上、第2回目GOOD GUY’s THURSDAY TV SHOWでした。
冒頭で述べたサングラスキャラの復活ブームだが、この理論で行けばそう近くないうちに他のサングラスキャラクターもピックアップされていくんじゃないだろうか。
例えばコイツ。
大人になって観葉植物の店を開いたマチルダの前に、ゾンビと化して地獄の底から蘇ったレオンが現れる。っていう触れ込みでまさかの続編作ってみませんかリュック・ベッソンさん。
そんな冗談はさておき次回はフランスが誇る盟友ジャン・レノの「レオン」以降の若い娘を守る系映画「WASABI」を紹介しようと思います。
お楽しみに!
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