パラサイト~韓国映画「パラサイト 半地下の家族」公開記念!学園青春SFホラー~
皆さんの記憶の中に眠るあの素晴らしきB級クソ映画の思い出を掘り起こしていきたい。
そしていつか当時(2002~2008頃)の「木曜洋画劇場」の制作に携わっていた番組関係者の方と繋がり、この「木曜洋画劇場」という枠を作ってきた素晴らしい仕事への感謝の気持ちを直接伝えたい。
皆さん明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
あっという間に迎えました2020年。
東京オリンピックに高輪ゲートウェイ駅開設、5G導入、米大統領選挙etc...今年もトピックス満載な一年になりそうですね。
去年は僕の周りで環境が変わる人がたくさんいました。
新しい次の10年間。どう生きようか。
皆さんの2019年の映画ライフはいかがでしたか。
WIREDの2019年映画記事でも読んで振り返りましょう。
僕の1位はアベンジャーズ:エンドゲームでした。
さてこの記事の1番頭に上がっていました韓国映画「パラサイト」。
世界での公開に遅れて日本ではようやく来週1月10日(金)公開です。
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。 Filmarksより抜粋
「殺人の追憶」「母なる証明」「スノーピアサー」「okuja(Netflix限定作品)」の監督を務めたポン・ジュノ監督の最新作。
主演にはポン・ジュノ監督作品常連のソン・ガンホを迎える。
カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞し話題沸騰中の本作。
韓国という国が抱える格差社会、高学歴社会の闇をポン・ジュノ特有のセンスで悲喜劇的に映し出す。
何かと話題沸騰な作品なので要チェックだ。
ちなみにポン・ジュノ作品を未見の方、とりあえず過去作を予習してから行くのであれば
・「殺人の追憶」
※実際に起きた未解決連続殺人事件をベースにしたサスペンス。最も衝撃的な映画の一つだ。
・「グエムルー漢江の怪物ー」
※カエルとトカゲを混ぜた生き物がソウル市内を暴れまわる。木曜洋画劇場的なノリのB級モンスター映画だ、と思いきや痛烈なアメリカ批判のメタファーも入り交じり実は面白い。
そんなポン・ジュノ監督最新作、待望の「パラサイト~半地下の家族~」の公開を記念して今回紹介するのはこちらの映画。
パラサイト(原題:The Faculity)
1998・米
監督:ロバート・ロドリゲス
主演:イライジャ・ウッド、ジョシュ・ハートネット他
「木曜洋画劇場」での放送歴:2006年7月20日
他テレビ枠での放送歴
2004年1月25日→日曜洋画劇場
2005年6月26日→日曜洋画劇場
2006年7月20日→木曜洋画劇場
監督を務めたのはロバート・ロドリゲス。
メキシコ系アメリカ人の監督で
「シン・シティ」「デスペラード」「スパイキッズ」シリーズなどが代表作。
ゾンビやヴァンパイアをテーマにしたB級感漂う映画を得意とするまさに「木曜洋画劇場」にもってこいな作品を量産する人物だ。
(最近では「アリ―タ:バトルエンジェル」も撮ってました)
昨年公開された「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の監督を務めたみんなの大師匠ことクエンティン・タランティーノとは互いの映画にチョイ役で出演しあうほど親交が深い。
また、今回調べて初めて知ったのだがメキシコ系俳優ダニー・トレホと従兄弟らしい。この人みんな絶対一度は見たことあるよ。笑い飯の西田さんを5000倍怖くしたみたいな人。
そんなロバート・ロドリゲスが1998年に制作した「パラサイト(原題:The Faculity)」
田舎町の学園を舞台に教師や生徒たちが謎の宇宙人に寄生されていく恐怖を青春映画らしいポップな雰囲気で描いた学園青春SFホラーだ。(ごちゃまぜやないかい)
冴えないオタク主人公を「ロード・オブ・ザ・リング」で主役を務めたイライジャ・ウッド、
宇宙人に寄生された女教師役をファムケ・ヤンセン。
(ファムケ・ヤンセンと言えば当企画の第1回として紹介した「ザ・グリード」でヒロインを務めていました!!!)
この映画で扱われている基本的なプロットである「宇宙人による見えない侵略」という話はすでに使い古された往年のSF的な話である。
「遊星からの物体X」などで過去3回実写化されたジョン・W・キャンベルの「影が行く」や、「SF/ボディ・スナッチャー」などで過去4回実写化されたジャック・フィニィの「盗まれた街」といった小説及びその実写化作品の影響を受けているのは間違いないだろう。
前者の「影が行く」では南極探検隊の基地で、
後者の「盗まれた街」ではアメリカの小都市サンタ・マイラでいずれもそこに住む人たちが徐々に正体不明の宇宙人に寄生されていく恐怖を描いている。
寄生された人々。アメフト部全滅の画。
「パラサイト(原題:The Faculity)」ではその舞台を学校に移し、いかにも青春映画らしいメンツや学校らしい小道具で見えない寄生型宇宙人に立ち向かう。
例えば、いかにもなくだりとして真っ先にあげたいのが
「ドラッグを使って感染者を見分ける」
という展開だ。
宇宙人に寄生された人間は特徴として異様なまでに水を欲する。
寄生された体育教師は水を浴びるためにグラウンドの水撒き器のそばに仁王立ちしてたり、
ラスボスとして正体を表したとある人物は学園内のプールに飛び込んで巨大化したり、
プールだのグラウンドの水撒き器だのといった、THE 学校的な設備を使って水を摂取するという特徴を描くこだわりには感服した。
ラスボスはクソデカかった。前述のポン・ジュノ監督の「グエムル-漢江の怪物-」のクリーチャーにどことなく似ている
水を生命線としている特徴に気づいた主人公たちは学校一のジャンキーと結託して感染者をあぶりだす方法を見つける。
ジャンキーの捌いていたドラッグにはカフェインによる利尿効果があり、水が弱点の生物にとってはその利尿効果が弱点なんだと。
水が体から無くなることがマズいと言ったって利尿効果があるってだけでそんなのありなんですか!?と思うような超絶展開だがそこはそういう映画なので皆許してください。
それが「木曜洋画劇場」のチョイスなんだ。
とにもかくにもドラッグという最強の「宇宙人判別装置」を武器に主人公たちは仲間と宇宙人を見分けていく。
頭空っぽなバカ男やジャンキーどもは遠慮なく吸ってハイになっていく。
しかし真面目気な生徒や教師は立場的にも倫理的にもドラッグを吸うことを拒む。
しかしドラッグを吸って平気なところを見せつけない限りは信用を得ることができない。
そんな「人類が生き残るために味方かどうか証明させる」という壮大な目的と学園内の秩序を保つという倫理観がバチバチに対立しているところが面白いんだ。
遠慮なく吸うやつに最後まで拒むやつ、仲間だったはずが吸った瞬間本性を現すやつなど出てきてドラッグが重要なカギとなって物語が進む。
ヤク吸ってハイになって右も左もわからないところでまさかの本物が出てきちゃったというこのくだり、最高にあほらしい…
「木曜洋画劇場」的小話だが、当時(2004年1月25日放送時)見ていた小学3年生の僕は正直このドラッグのくだりの意味が全く分からなかった。
しかしみんな当然のようにまるでみんな知っているかのように話が進むから分かったフリして見ていた。
思い返せばこういう安っぽい映画にありがちなドラッグでハイになるノリとか性的なジョークを交し合うノリとかは、当時意味も分からず受け入れて「これは面白いもの」と自分を信じこませながら鑑賞していた
「愛想笑い」と「知ったかぶる」という行為は「木曜洋画劇場」で身につけてしまったのかもしれない。
とはいえドラッグの描写ばかりかと言えばそんなわけではない。
冴えないオタク(主人公)、スポーツマン、チアリーダー、転校生にジャンキーとスクールカーストヒエラルキーの各階層から連れてきたような寄せ集めのような面々が結託していくその様は「ブレックファスト・クラブ」のような青春映画らしい爽快感を味わえるし、
サスペンスとしても最後の最後で、(とってつけたような)どんでん返しも待ち受けている。
そして当時小学3年生だった僕を最高に困らせたエッチなシーンも出てくるからなおのこと見逃せない。
今年公開される「パラサイト 半地下の家族」はパラサイト界隈の代表格としてロバートロドリゲス版「パラサイト」を越えていくことができるのか!?
なおのこと1月10日公開のパラサイトが見逃せない!!!!
ちなみに今回紹介した「木曜洋画劇場」での「パラサイト」は原題が「The Faculity(訳:才能・能力・学部)となっており、パラサイト全然関係なかったです。あばば。
以上第5回のGOOD GUY’s THURSDAY TV SHOWでした。
「パラサイト 半地下の家族」は1月10日より全国で公開!
世界線も国籍も全く異なる映画ですが予習として「パラサイト」、是非どうぞ!
寄生されることの怖さを教えてくれる…はずです!!!
ありがとうございました。
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