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震災の日はなにしてた

一人カラオケしてました。


その日は春休みで、わたしは家の近くの歩いて数分にあるラウンドワンへお昼頃にいって、満室だから全然入れなくて、となりのゲーセンをうろちょろしたりして時間をつぶし、順番のアナウンスを聴き逃したかもしれないと業を煮やして受付にいったらアッサリ通され、なんだよも〜早く言ってよ〜アナウンスしてたか?聞こえなかったよ〜と思いながら曲を選んでたら、


揺れた。


なんかぐわんぐわんして、廊下に出てみた。外に出るまでの記憶はなくて、外に出てたくさんのひとと建物を見上げていた覚えはある。なんとなく収まった…?みたいなムードになり、わたしはカラオケの部屋に戻って受付にいくと、おねえさんに代金はいいですと言われたので、家に帰った。


ママがいて、テレビをつけて見ていた。


そのあとわたしとママと弟2人と祖母で、祖母のお店のお客様とそのお連れ様がハワイに避難するというので便乗し、飛行機にのる当日の終業式にはいかないでハワイへ行った。


ハワイは楽しかった。豪華なペンションにいくつもの部屋があった。かわいい外人の男の子が遊びにきていた。


震災というと、わたしはハワイの記憶にとぶ。極楽の場所。天国の地。「天国にはなんにもないよ」と言ったのは、山本文緒の小説のなかの誰かだった。なんにもないところで、わたしたちは海にいき、波に酔い、よくわからない高くて美味しいものを食べ、日差しにさらされて歩いて、ママは体調を崩した。


ハワイから帰ってきて、わたしは中学3年生になった。始業式の日、友だちにお土産でネイルを渡した。そこのネイルは「O.P.I」というブランド名が表示されてあるんだけれど、受けとった友だちが「OPIて!」「OPI!」「OPI!?」「オッパイじゃん!」とか言って爆笑した。



さすがは中学生や…



オッパイに爆笑する中学生なんて、今の時代どこにもいないよ。



OPIを見て笑う中学3年生になったばかりのあの時代から、早10年。



O.P.Iのネイルは、今でもわたしのベッドサイドに置いてあります。


あのときハワイで買ったものではないけれど、いつかハワイに行ったらまたネイルを買おうと思う。

あそこで泳いだ海の色を爪に載せよう



去年の誕生日に、大学時代の友だちからディオールのアイシャドウをもらった。エルサも顔負けの、きらめくブルーのアイシャドウだ。

最近はもっぱらそれをつけている。こんど恋人のまぶたにつけてやろう。大きくて丸い瞳にさぞかし似合うだろう。アイライナーも描いて猫みたいにしてやりたい。散々鏡をみて2人で楽しんだあげく、顔を洗いにいって戻ってきた彼が「落ちないんだけど!」「クレンジング使わないと落ちないよ」「クレンジングってなに!?」「オイルとか拭き取りシートとかある、化粧落とし専用の」「なにそれ」というような会話をするまで想像ができた。



滅多に、というか絶対に仕事を休まない恋人が、今日、臨時に休業していた。



体調不良とかじゃなければいいな、と思いながら、今これを書いている。



10年前、10年後の自分が福島出身の男の子と付き合っているなんて想像もしていなかったな


あのときなに考えて生きてたっけ



地震は、世界中の誰もが地震というものを忘れたその一瞬に起こるものだと思っている。

世界の全人類が、1秒でも頭から地震のことが離れたその瞬間に、起こるんだろう


というのを、先月にきたわりと大きめな夜中の地震を体験して、思いました。



ニベアを塗りたくった顔だったから、避難するのに二重のこわさがあったな





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JURIA
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