猫の日本輸出からカナダ輸入までの実際の流れ
今回はにゃんこたちの輸出、輸入日までの準備と当日の流れについて書いていきたいと思います。
あまり「輸出、輸入、(輸送)」という言い方をしたくないんですが悲しいことににゃんこたちも貨物扱いなんですよね。
動物検疫所のサイトにも「輸出、輸入」で記載されているのでややこしくないようにそちらに統一します。
当日までの準備
1、カナダへの輸入に必要な処置や書類を揃える
こちらに関しては以下の記事に詳しくまとめてありますのでご覧ください。
2、利用する航空会社へ連絡、同意書を準備する
チケットを購入したら航空会社へペットを連れていきたい旨の電話をしてにゃんこたちの予約を取ります。
私たちはANAを利用しましたが時期によっては動物の貨物受け入れをしていない航空会社もあります。
例をあげるとAir CanadaはSummer Heat Restrictions(夏場の気温による規制)があり6月1日から9月30日までは日本ーカナダ間のペットの貨物受け入れをしていません。
ただし、手荷物としては受け入れているので座席の下に収まるサイズのキャリーに余裕で入るぐらい小さい子であればAir Canadaで輸入が可能です。
Air Canadaは関空からバンクーバーへの直行便があるので可能であればAir Canadaを使いたかったんですが私たちの出発は7月頭の夏真っ盛り。
うちの子たちは手荷物で座席下に収まるサイズではなかったのでANAを利用することにしました。
ANAに電話をしてにゃんこを連れていきたい事を伝えると空きがあるか確認をしてくれます。
空きがあればそこで予約を取っておしまいです。
気を付けておかないといけないのが
にゃんこの予約は自分たちのチケットの購入後です。
サイトには「詳細、ご予約は事前にお電話にてお問い合わせください」とありますが、自分たちのチケットを取ってからでないとにゃんこの予約はできません。
なので購入してから万が一空きがなければ便を変更する必要があります。
その場合の変更/キャンセルは”こちら都合”になるので払い戻しはありません。(と、ANAのスタッフの方に言われました)
なので対策としては
オンラインで日時変更可能なチケットを買う
オンラインでチケット購入前にANAに電話で問い合わせをしてペット貨物受け入れの空きがあるか確認してからオンラインですぐにチケットを買う(で、またANAに電話してにゃんこの予約を取る)
電話で自分のチケットとにゃんこの予約を同時に済ませる※ただし、電話での予約は一人当たり5500円の発券手数料(2024年10月現在)がかかります。また予約変更/キャンセルなどが必要になった場合は電話でのみ対応可能で、かつ交換発行手数料が別途かかります。
私たちは②の方法でチケットの購入とにゃんこの予約をしました。
一番確実で安心なのは電話で自分のチケットを取って、そこでそのままにゃんこの予約を取ることだと思うんですがただでさえ高い航空券。
たかだか5500円なんですが、できるだけ出費を抑えたかったので私たちは②のやり方を取りました。
にゃんこの予約が取れればあとは航空会社が指定している書類やペットケージの要件を確認します。
ANAの場合書類は同意書のみ必要だったのでそちらを当日持っていきました。
3、輸送用のペットケージを準備する
ペットケージの選び方に関しては大変申し訳ないのですが、アドバイスができません。
というのも、私たちの使ったケージはカナダから日本に来る時に利用した動物輸送専門会社が用意してくれたものを使ったので詳細(ブランドやどこで買ったかなど)は私の方では分からないのでお伝えできないです。
ただ、実際の輸出時にどのように準備したかは参考になればと思うので書いていきます。
まずANAのケージの要件を確認すると
となっています。
リンクも貼っておきます。https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/international/pets/
その中にそもそも”IATA規定に適合した、航空輸送に耐えうるペットケージ”でのみ受付可能と書かれているのでそこがクリアできていれば屋根や丈夫さ、取っ手、通気性などは大丈夫だと思います。
・鍵に関して
電話で聞いたところ指定があるわけではないそうなので南京錠でもダイヤル錠でもなんでもOKです。
私たちはワイヤーで留められるダイヤル錠にしました。
理由としては単純に普通のU字の鍵を通せる穴が私たちのケージにはなかったのでワイヤー式しか選択肢がありませんでした。
・液体や汚物の対策
ケージの床と底板の間にペットシートを敷いて、その底板の上にタオルを敷きました。
タオルはそのまま捨ててもいいものを使いました。
長時間のフライトかつ緊張でケージ内でおしっこをする可能性は高いです。
また飼い主の匂い、あるいはにゃんこ自身の匂いが付いているタオルの方がいいので新品のものではなく使い古しているものを使いました。
・暑さ対策(7月上旬の出発/夕方から深夜に向けての便)
タオルの下に大きい保冷パック(固くならないタイプ)を入れました。
サイズは底板の全面ではなく1/3ぐらいの大きさのものにして寒ければ避けられるようにしました。
・エサ用の容器に関して
こちらはもともとケージに付いていたもので、ドアに引っ掛けるタイプのものを使いました。
にゃんこが食べやすい高さに設置して、輸送中に落ちたりしないように結束バンドで固定しました。
エサはドライフードのみ。あとはおやつのカリカリも混ぜました。
・飲み水について
「お客様ご自身による確認事項ならびに事前準備について」というところに給水器についての記載があります。
なのでこの猫専用のノズル式給水器をAmazonで買いました。
めちゃめちゃおすすめするかと言われれば、、、これじゃなくてもいいと思います。(苦笑)
理由としては、軽い振動で水が出てきます。
猫専用なのでにゃんこの舌でも簡単に押して水が出てくるようにボールが軽くなっているそうです。
お家で使う分には全然問題ないんですが揺れることが多い輸送には向いていません。
カナダに着いた時には水は半分に減っていました。
あと口コミに付属の浄水フィルターをつけたままだと水が出てこず飲めないと書いてあったので私たちはフィルターなしで使用しました。
そもそもこの時以外ノズル式給水器を使うことはないと思うので、もしこれより安いのがあればそちらでもいいと思います。
あとこれはどこで見たのか、電話で聞いたのか覚えていないんですが給水器は外付けです。
国内線のペットの輸送ページを見ると、貸出用ケージに給水器が外付けになっているのもあり私もそのようにしました。
当日何か言われることもなかったのでこれで大丈夫だと思います。
うちの子たちは普段ボウルで水を飲んでいます。
なのでこのノズル式に慣れるため出発の少し前からこのノズルの先にちゅ~るをつけて「このノズルを舐めれば水が出る」という事を教えました。
覚えてくれたかは、分からないです。
にゃんこなんでね。
またペットケージも数ヶ月前から部屋に置いておき、ご飯もこの中であげていました。
にゃんこたちにとって飛行機での移動はめちゃめちゃストレスです。
なので少しでも安心できるようにケージには慣れておいてもらうのが鍵だと思います。
4、(オプション)カナダドルを現金で少しだけ用意しておく
これは絶対ではないんですが現金で$50−100ほど持っておくといいです。
($100ならできれば$50、$20✕2枚、残りは$10か$5)
なぜかというとバンクーバー空港でポーターを使う可能性があるからです。
関空では見送りなどがあり手が足りていたんで気がつかなかったんですがスーツケースに大型段ボール二箱、1歳の息子を乗せたベビーカーに猫2匹分のケージを大人2人で運ぶのは不可能です。
なのでポーターさんにお願いし、その利用料が$40(現金のみ)でした。
もしご自身で荷物とにゃんこを運べるようであれば現金の用意は不要です。
当日までにしておくことは以上です。
当日の流れ
1、にゃんこを日本から輸出する
①動物検疫所で輸出検査を受ける
事前にメールで送っておいた書類の原本とにゃんこを連れて検疫所に向かいます。
そこで書類の最終確認とにゃんこの健康状態のチェックがあります。
これらが済むとケージには検疫検査済のステッカーが貼られ、「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」が渡されます。
「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」はカナダへの輸入時に必要になるので必ず手荷物に入れてください。
②利用する航空会社のカウンターでチェックインする
にゃんこたちのチェックインはANAの場合搭乗時間の90分前から可能です。
チェックインの際ににゃんこたちの貨物輸送費を支払います。
2024年7月時点では1匹あたり40,000円でした。
なので2匹で80,000円です。んーーえぐい。。。
私たちは現金で支払いましたがカードでも大丈夫だと思います。
不安であれば予約時に確認をお願いします。
同意書はチェックイン時に受付カウンターの人に見せましたが、提出は日本を出国する空港での提出になります。
なので私たちの場合は関空→羽田、羽田→バンクーバーだったので羽田の搭乗口カウンターのスタッフの方に提出しました。
チェックインを済ませたら貨物としてにゃんこはカウンター内に運ばれていきます。
にゃんこたちを信じてしばしのお別れです。
2、にゃんこをカナダに輸入する
輸入に関しては入国審査官次第で対応が違うかもしれませんが大まかな流れは同じだと思います。
①自動端末機(キオスク)で動物輸入を申告する
一昔前だと飛行機の中で関税申告書を記入したと思うんですが、今バンクーバー空港ではすべて到着後に端末で行います。
出口に向かって歩いていくとキオスクがズラーーーっと並んでいます。
最初に必ず言語選択ができるので日本語か英語を選択します。
この辺りちょっとうろ覚えで申し訳ないんですが、申告項目の中に「Live animals」があるのでそれを必ずクリックしてください。
うちは夫がぱぱっと読みもせずにやろうとしたので危うく申告しそびれるところでした。
おそらく普段だと全て「NO(いいえ)」で答えるような質問が並んでいる中にあります。
必要情報を入力すると白い紙が印刷されます。
その紙とパスポートを持ってキオスクの出口に向かい入国審査官に見せるとおそらく別のカウンターに行くよう指示されると思います。
そのカウンターで紙とパスポートを再度見せると私たちはにゃんこたちを受け取って、そのまま出口に向かうよう言われました。
その出口で紙を見せればそこのスタッフが右手にあるCustomsに行くよう指示するからそれに従うようにとの事でした。
②にゃんこを受け取る
さてにゃんことの再会です。
にゃんこたちは荷物受取のベルトコンベアではなく、サイズ超過荷物のカウンターBelt 35から出てきます。
荷物受取のベルトコンベアを右手に見てBelt 35は左奥にあります。
私たちが入国審査を終えた時にはにゃんこはすでにそこに出てきていました。
もう心臓バクバクしながら駆け寄りましたがうちの子たちは二匹とも無事でした。
③輸入検疫検査を受ける
にゃんこを受け取ったらそのまま出口に向かいます。
事前に聞いていた通り指示があり出口手前の右手にあるCustomsに進みました。
私たちはひとまずポーターさんに見えるところににゃんこを置いて待っててもらい関税申告の列に並びました。
順番がきたらパスポートと白い紙を見せてにゃんこ二匹の輸入があることを伝えます。
すると書類を見せるよう言われるので「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」を見せて、おしまいです。
にゃんこたちの健康状態のチェックも何もなかったです。
なんて簡単!
おそらく狂犬病の予防接種をしているかが確認できればそれで大丈夫みたいです。
申告が終わり、許可が出ればCustomsの出口(通常の出口とは異なります)から出るよう指示があるのでそれに従い無事にゃんこの輸入はおしまいです。
いかがでしたでしょうか?
必要な処置をして、書類さえ揃っていればカナダへの輸入は難しくないと思います。
どなたかのお役に立てれば嬉しいです。