成原葵

凡庸な30代日本人の徒然。 好事の解釈集、になるとおもいます。

成原葵

凡庸な30代日本人の徒然。 好事の解釈集、になるとおもいます。

最近の記事

レクイエム

2020年秋 6年振りに再会した旧友は真っ赤な車で現れた。 迎えを駅で待つ間、異国の地でたまたま出会った日のことを思い出していた。 ・2011 10月 西オーストラリア州 パース パース中心部の北に位置するノースブリッジでは 夜とうってかわり静かな通りを人々がまばらに行き交い、歩道沿いのカフェテラスからは観光客がビクトリア・ビターを飲みながら笑う声が聞こえた。 スーツケース片手に背中にはドラム缶の形をした大きなバックパックを背負い急ぎ足で歩いていた。移動日に限って天気が

    • 遠い日に後悔しない為

      チーズケーキが有名な近所のcafe 期間限定商品とホットコーヒーを注文する。初めて入店する店で看板メニューよりも自身の嗜好を優先して選んだマロンチーズケーキは、甘さよりも濃さが際立って感じられた。 コーヒーも美味しい。 愛好家や専門家筋じみた気の利いた感想は持ち合わせてはいないが、風味と苦味が心地良かった。 ステンレス製のトレーや食器は温かさを醸し出し、テーブルの上はどこか異国のような空気が漂った。 夕暮れ時の店内は週末だというのに閉店間際なこともあってか混み合うでも