子どもと行く美術館 その①
趣味は何かと聞かれたら「美術館巡り」と答えます。夫との共通の趣味でもあるので、休日に家族で行くのがほとんどです。香川県在住の我々がまずチェックしているのは、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・高松市美術館、少し足を伸ばして塩江美術館、県外でよく行くのは高知県立美術館、岡山県立美術館、といったところでしょうか。
美術館へは4歳の娘と7歳(小1)の息子を連れて行くことがほとんどです。美術館といえば、静かにしなれければいけなかったり、走ってはいけなかったり、子連れで行くにはハードルが高いイメージを持たれる方は多いかもしれません。しかし、いくつかの点をおさえると、きっと子どもと美術館巡りを楽しめるはず!
過ごし方を話しておく
美術館での約束事はいくつかります。
●小さな声で話そう
「伝えたいことは小さな声で話そうね。静かに作品を見たい人もいるよ。」と話しておきます。作品を見ながら会話はしたいので、話したらダメとは言いません。
●ゆっくり歩こう
走り回って騒ぐと、その気がなくても作品や他のお客さんにぶつかってトラブルになりかねません。入館時に「お子様とは必ず手を繋いでください」と学芸員の方から伝えられることもしばしばです。
●作品は見るだけ
最近は「触って鑑賞OK」の作品も増えてきたように思いますが、基本的にはNGですね。一番ヒヤヒヤするポイントかもしれません。こちらも手を繋ぐことで回避できるかもしれません。
あとは、●傘は持って入れない ことや ●使える筆記用具は鉛筆以外 なんだよ〜など伝えると、「なんで!?」と面白がってくれるかもしれません。
注意点は「しゃべっちゃダメ」「走っちゃダメ」「触っちゃダメ」と否定的に伝えるのではなく、肯定的に伝えるようにしています。ダメダメ言われると難しい印象を受けてしまうかもしれません。
最適な時間帯を選ぶ
訪れる時間帯はかなり重要だと思います。子どもはそれぞれ個性や生活リズムがありますし、その日の予定の流れも考慮した上で、その子に合った時間帯の選択が必要だと思います。
例えば我が家なら、子どもたちが元気な時間帯は午前中です。なので朝からいきなり美術館へ行くのではなく、まずは公園などで思いっきり遊んで、どこかで昼食をとった後に行くことが多いです。ある程度、遊びたい欲・食べたい欲が満たされた後だと落ち着いて美術館で過ごせると思います。「後で公園に行こうね」と言っても、「早く公園行きたい〜!」と急かされるので先に行ってしまう作戦です。朝から楽しいことたくさんしたね、次は私たち(親)が行きたい美術館に付き合ってね、という感じで行くと、子どもたちも納得して付いてきてくれることが多いです。
ベビーカーの貸し出しを利用する
ほとんどの美術館ではベビーカーを借りることができます。4歳の娘などはそのまま寝ることもしばしば。遊び疲れてお腹も満たされた上に、美術館は春夏秋冬問わず適温で、静かで、スムーズな床を進むことで寝てしまうのでしょう。ちなみに息子が小さかた時は神経質なタイプだったので、どんなに疲れていても貸し出しのベビーカーで眠ることは絶対にありませんでした。ガッカリしたくないので、寝てくれるかも〜♪と期待もしていませんでした。同じように育てていても、子どもって本当にそれぞれですね。
寝るまではしなくても、手を繋いだり急に走り出したり、作品に触ったりするリスクは回避できるので、ベビーカーの貸し出しは幼児にはおすすめです。
ワークショップに参加してみる
美術館ではよく子ども向けのワークショップが開催されています。その多くは展示期間中に、開催中の展覧会に関連したテーマだったり、作家本人が開催するものだったり内容は様々です。
特に夏休みやゴールデンウィークなど、子どもの長期休暇に合わせて企画されているワークショップはたくさんあります。内容によっては人気で競争率の高いワークショップだったりするので、早めの予約をおすすめします。
私も昨年の夏休みに息子(小1)と美術館のワークショップに参加しました。まず、何度も訪れている美術館の、普段は入れないフロアに館内のワークショップスペースがあり、「こんな部屋があったんだ〜!」と驚いていたのを覚えています。自分が作品作りをした後に展示会場で作品を鑑賞しましたが、やはりいつもより理解した様子で楽しんで作品鑑賞をしていました。体験は強いですね。
ちょうど夏休み期間だったので、その完成した作品をそのまま夏休みの宿題にすることができました。
注意する点としては、内容によって対象年齢が決まっていることが多いので事前に内容をよく見ることです。〔小学生1年生以上〕対象が多い印象です。大人が参加できるワークショップもたくさんあるので、親子で参加するのも良いかもしれません。
託児所のある美術館
思いきって託児所に預ける、というのも良いと思います。私は息子がまだ1歳頃だった時に、1度だけ託児所を利用した経験があります。息子は人見知りをしないタイプで、別れる時に泣くこともなくおもちゃがたくさんあるスペースですぐに遊びだしました。専任のスタッフも居たので安心して預けることができました。が、やはり早く迎えに行ってあげなきゃと思ってしまい内心焦りながら鑑賞したことを覚えています。子育て中の方ならこの気持ち、共感してくださる方もいらっしゃるかもしれません。
選択肢のひとつに!
全国の美術館の遊ぶところ一覧(託児所ありのおでかけスポット)
ゲーム感覚で鑑賞ミッション!
とはいえ、展示内容によっては退屈そうにする子どもの姿をたくさん見てきました。そこで、我が家では子どもたちに最初に必ず伝えることがあります。それは「一番良かった絵を教え合おうね」と伝えるのです。
「一番良い」の基準は何でも構いません。一番怖い、一番大きい、一番色が好き、など。
このたくさんの作品の中から「ひとつ」を選ぶぞ!と思って鑑賞すると、少しゲーム感覚でよく作品を見ている気がします。
ちなみにこれは参加する人が多ければ多いほど色んな意見が聞けて面白いので、4歳の娘にも、私も夫も参加し、いつも帰りの車の中で「今日の一番は〜」と盛り上がります。
まだまだ語り足りぬ・・・
書きながら、子どもと行く美術館についてまだまだありそうだったので、タイトルをその①とします。
あまりアートや美術館は高尚なものでなく、身近なものだと感じてほしいですね。公園や図書館へ行くような感覚で、気軽に美術館を楽しむことができたらいいなと思います。
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