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ウエスト・サイド・ストーリーは米国『もののけ姫』

ハロー、マオです。

スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」観てきました。


私はリメイク前の映画も元のミュージカルも観てないし、
更に元ネタのシェイクスピア「ロミオとジュリエット」も概要・要約を知っているだけでテキストは未読です。
なので悲劇でびっくりした。笑
アメリカ人はハッピーエンドを好むと私が勝手にイメージしていたので…
何も知らずに観賞したので非常に楽しめました。

なぜ「もののけ姫」なのか

観賞中終始「もののけ姫やん……」と感じていました。

もののけ姫とは、1997年に公開された宮崎駿監督の長編アニメーション作品。
私は小学生のとき、VHSで毎日2回×夏休み毎日観るくらい狂ったハマり方をしていました。
大人になった今でも作画やストーリーの中に観るたびに新たな発見があり、飽きない大好きof大好きな作品です。
金ロー毎に鳥や自然の美しい描写に感動して涙ぐんでしまうヤバめのオタクです。

スピルバーグ監督がもののけ姫をパクったとか、
宮崎駿監督が、1957年にブロードウェイで上演されたミュージカルや1961年版の映画「ウエストサイド物語」をパクったとか
そういう表面的なことを言っているのではありません。

元のミュージカルも「ロミジュリ」を下敷きにつくられている通り、
この構造は普遍的かつグローバルなフォーマットなのだと感じました。

それでは一体「ウエスト・サイド・ストーリー」のどこら辺が「もののけ姫」なのかご説明して参ります。

①弱者VS弱者

ウエストサイドストーリーは
地元不良少年VSポーランド移民でした。
ニューヨーク都市開発のため疎まれる町の悪集団の縄張り争いです。

一方、もののけ姫は
タタラ場VS森の動物
小規模ベンチャー企業と知能を失いながら住処と仲間を減らしていく太古の生物たちです。
ちなみにアシタカも高齢化部族の王子様と「弱者」です。

②ロミオとジュリエット


トニーとマリア
アシタカとサンですね。

アシタカは故郷にもタタラ場にも属せない人間
サンは属したい森に人間として見なされる
それぞれ孤立した立場としても描かれていて一枚複雑です。

③超部外者の「本筋」

ウエストサイドストーリーは、「警官」が強者であり、
もっというと本編には出てこない都市開発を進めてる人(州知事)が史実に残る本流であり勝者です。
トニーやリフの所属するジェッツ、プエルトリコ民の悪集団であるシャークスの戦いは、
社会的弱者同志のなんやかんやのいざこざで、歴史に全く残りません。

一歩、もののけ姫は「侍」が強者であり、
もっというと本編には出てこないシシ神の首を所望した帝が史実に残る本流であり勝者です。
エボシがなんとか女性の地位を守りたいと思った国・タタラ場も、モロやオッコト主の明晰さも
なにもかもが日本史には残りません。

そういう強者の「スクラップ&ビルド」において、
ビルド寸前世界を取り合う弱者同志の戦いを描きつつ、
結局その世界はいつか強者にスクラップされてしまうことが観賞側には分かってしまう。

両作品ともそんな地盤があります。


争ってる場合じゃないでしょ!と遠巻きに見たら思えるけれど
二者にはそれぞれ争わなければならない事情や矜持があり
それらをすべて歴史の本流が飲み込んでしまう。
こういった構図は世界的に見ても、人類の歴史を振り返っても何度も何度も大小繰り返されてきたことなのでしょう。
だからこそおおいに古くならず、色あせないのですね。

個人的「ウエストサイドストーリー」の見どころ

ミュージカルなので音楽が素敵!ダンスが素敵!なのは言わずもがな

私のなかでの見どころはもうアニータ一択です。
アニータが可愛い。
目くばせや涙をこらえる演技、パワフルさ、儚さを同時に表現する歌声、激しいラテンなダンスはもちろん最高。
肉感なスタイルや笑顔も素敵でした。
夫を殺したトニーが、夫の妹マリアの部屋にいて間男みたいにこそこそ逃げたシーンのあと、
色々なやるせない怒りからマリアを抱擁するまでの歌の掛け合いは
彼女の演技力がなければ、
「いや! そんな酷いの絶対許せないでしょ!」となってしまうところ。
この無理難題をよくまとめ切ったと思います。
素晴らしい。
アリアナ・デボーズさんという女優さんみたい。今後推していきたいです。

ミュージカルの古典ともいうべき名作リバイバル、良かったら観てみてください。というかアニータを観に行ってください。

またね!

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