2024年中にもしも下北沢で法律事務所を開業するなら その1
2015年の3月、私は恵比寿で法律事務所を開業した。そこから10年経った今、気づいたことを少し整理しつつ、法律事務所の開業の話をしてみたい。
1 名付け
まずは「名付け」です。極めて本質的な作業だ。何を始めるにあたっても、まずは形から入ろう。
法律事務所を開設するにあたって「名付け」が必要になるのは二つ。「法律事務所の名前」と「サービスの名前」をどうするか、考えてみよう。
(1)法律事務所の名前
事務所の名前をつけるにあたって、重要な要素は二つあると思う。「自分がその名前に愛着を持てるかどうか」と、「お客さん候補がその名前を見てどんな印象を受けるか」だ。この二つは、法律事務所の運営全般に通じる重要なポイントだと感じる。
私が最初に事務所を始めたときは、恵比寿にはなぜか法律事務所があまりなかった。そこで、場所にちなんで「恵比寿南法律事務所」と名付けた。人生の「弁護士編」を恵比寿で始めるぞ、という意気込みもあって、自然と地名を使うことになったんだ。20代の頃にかなりの馴染みがあったからね。
2018年には「法律事務所fork」に改名した。これは、法務のアウトソーシングサービスに「法務受託」と名付けた時期なんだ。
音楽をやっている自分にとって、tuning fork(音叉)という言葉はフィットしていたし、独自に設けた「カタカナ4文字」という唯一の制約もクリアした。面白いことに、改名してからは事務所名を呼ばれることが増えたんだ。呼びやすさって本当に大事なんだなって実感したね。
実は今年の12月にまた名前を変える予定があるんだけど、それはまた別の機会に話そう。
要するに、事務所の名前は「自分が愛着を持てるか」と「お客さんにどう受け止められるか」の二つをクリアしていれば、何でもいいんだと思う。例えば、下北沢に事務所を作るなら、「下北沢法律事務所」なんていいんじゃないかな。
(2)サービスの名前
次に、サービスの名前だ。サービス名を決める前に、まずは「サービス内容」と「値段」を決めることが必要だ。
何をするか、いくらでやるか。それさえ決まれば、事業は始められる。ここでは、先行する事業者をよくリサーチして、相場を把握するのが大事だ。その上で、自分たちのサービス内容と値段を設定する。
この作業は楽しい。最初は勘でもいい。やっているうちに、現実とフィットするように調整していけばいい。むしろ、自分たちのサービスが独自のものになって、いずれ競合から参照されるようになるだろう。
サービス内容と値段が決まったら、いよいよ名前をつける。ありきたりな名前でもいいし、実際のサービスに注げる独自のアイデアがあればそれを生かすのもアリだ。
ここでも判断基準は同じだ。「自分が愛着を持てるか」「お客さんがどう感じるか」。これを考えれば、きっといい名前が見つかるだろう。
これで名付けの話はおしまい。もしこの話に「イイね」が10個たまったら、続きを書くことにする。それではまた。