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【レポート】参加型ライブパフォーマンス《Polychromatic Skin》を北加賀屋で開催 前編

9月よりNYより一時帰国した増田セバスチャンは、滞在中の2ヶ月の間に、ジェンダーをテーマにした作品《Polychromatic Skin》を制作し、六本木アートナイトのプログラムとして行われた街中での展示に続き、大阪では参加型のライブパフォーマンスを実施致しました。

六本木アートナイトの様子はこちらから

当レポートの前編では大阪・北加賀屋で行われた《Polychromatic Skin》の上演の様子を、後編では制作から上演まで4ヶ月もの間参加していた京都芸術大学カラフルラボのメンバーの様子と彼らの反応をレポートします

《Polychromatic Skin》 
Polychromatic=多色なSkin=肌とは

人間が生を受ける瞬間に与えられた生物学的な性別から、社会によって形成されていくジェンダーは、時として個人の内的感覚との乖離による不自由さや、自分自身や他人に対して 抱く無意識下の固定観念に繋がる。 そうした無意識下の固定観念ゆえの生きづらさは、多くの人が生きていく中で感じたことがあるかもしれない。

本作《Polychromatic Skin - 身につける、脱ぎ棄てる -》は、 参加者が「身につける」ことにより既存のアイデンティティーを覆い隠し、何者でもなくなった瞬間に 「脱ぎ棄てる」衝動をあらわにする、実験的な参加型ライブパフォーマンス。
作品を通し参加者は、無意識に存在する固定観念を打ち破るヒントを探ります。
 
 
身につけることで、脱ぎ捨てる
セバスチャンは、このプロジェクトのはじまりをこう語ります。

はじまりは、2018 年のニューヨーク・ブルックリン。とあるクラブでトイレに入ろうとすると、2つのドアにあるはずの男性・女性を意味するサインは潰され、『non-gender』という張り紙が。
予想外の指示に困惑しつつ、いつも通りの色のドアを開けると、そこには普段とは全く違う光景があり、 また違う困惑を覚えました。
自分の中に、無自覚に眠る固定観念がある...。
ショックを受けながらフロアに戻ると、そこにはいつもと変わらない楽しい空間。 それからというもの、この自分の中の固定観念をどうにか壊すことはできないのか?と、 ずっと考えています。
 
壁を取りのぞくことだけが近道なのか。
正解は自分の中にあるに違いない。
身につけることで見えてくることもある。
自己をかなぐり捨てよ、脱ぎ棄てよ。
 
知らない間に着込んでしまった自分の中にある分厚い固定観念。
それはちょっとしたことで一枚一枚剥ぎ取ることができるはずです。
しかし、裸になれば、素顔になれば、シンプルにすれば、解放されるとは限りません。
身につけることで、別の何かになることで、たどり着く景色もあります。
この作品と出会うことで、昨日と何か一片でも世界が違って見える人が居るならば、それが私の作品を作る理由です。
 
増田セバスチャン

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