「FF11を支え続ける力」品質管理とサーバー運用
YouTubeのスクウェア・エニックス公式チャンネルに
「スクエニの創りかた」というシリーズがあります。
これまでスクエニを支えてきた人達のインタビュー動画で、こういう話が好きな人にはたまらないだろうなぁという内容になっています。
最新の動画ではFF11に関する内容で、いつもの松井Pや藤戸Dはもちろんですが、今回は品質管理面やサーバー運用を支える、普段は目立たないけれどとても大事な役割を担う裏方さんたちが登場しています。
20年も続いているFF11ですので、当然その間には多くのトラブルや技術的にブレイクスルーしていかないといけない事があったはず。
そこを乗り切ったうえで、今も私たちプレイヤーが遊べていることが「ありがたいなぁ」と思える内容となっています。
品質管理部門の面では開発スタッフに、バグの状況を見てもらうために
VHSのビデオテープでその現象を撮影して、何度も使っていた話。
初期のころは「なんかへん」「おかしい」といった報告があがることもあり、それでは使い物にならないわけで、言語化する力がとても重要な部署であるという話。
ゲームの事を熟知したうえで、アイテムの取得難易度や問題点などを指摘できる伝説的なデバッガーさんがいた話など。
また、FF11ほど最初期から多様なデバッグコマンドがきちんと用意されていたゲームはなかったという話。
そして、情報システム部門関連では今回主にインフラ面を支えている方がインタビューに答えていらっしゃいました。
個人的に一番印象に残ったのは20年という月日の中でインターネットそのものやパソコンの機能向上、それらをとりまく環境にどう対応していくかということをドライに、しかしFF11を護っていくという視点で維持されてきたことについての話でした。
ISDNで動くことを想定したFF11は、現在のインターネットの中でのトラフィック量はネットの片隅を使う程度のとてもささやかなもの。ですが、スタート当時は当然そんな状況ではなく、多くのインターネット事業者に協力を仰ぐことになった、というのは前にもどなたかがお話されていました。
が、今回はスクエニそのものがインターネットの一部であるといった、より踏み込んだ話もされていました。
そしてその基盤を作ったのはまぎれもなくFF11であったということも。
半ばつぎはぎだらけの中でも今でも維持できているのは一番最初にFF11を作ったときにしっかりと基幹部分を作っていたからこそだということも。
だからこそなのでしょう。
FF11では廃止されたコンテンツはほぼなく、今でも遊べるものばかり。それはまるで重要文化財を保護しているようだともお話されていましたね。
こうやって品質管理・情報システムの両方からの話を聞くと、
「最初がほんとに肝心なんだなぁ」と思い知らされますね。
いくつかのユーザーからの質問にも答えておられましたが、
さすが年季の入ったプレイヤーも多いせいか、質問に使われている言葉もなかなか高度で笑っちゃいました。思わず「同業他社さんかな?」と皆さんが笑いながら答える場面もありました。
でも、FF11の長年のプレイヤーならインターネットやパソコン(用語)にはそこそこ強い人多いんじゃないかと思うので、まぁそこは……ね(笑)
それこそNIFTY-Serveなどを経験していた人が、真っ先にプレイしていたんじゃないかなーなんて想像するので。
出演者の方々のラストコメントの中で
「(FF11)は終わらない勉強の場(を与えてくれる場所)」
「最新技術を使いながら、サグラダ・ファミリアの増築を続けているようだ」
という言葉がとても印象的でした。
あと少し寂しい話ですが、FF11が25周年を迎えるときは松井Pは定年を迎えられるらしく、それでもニコニコしながら「誰かに引き継いで遊び続けてほしい」といってたのも心に残りました。
私自身、技術面にそれほど詳しいわけではありませんが、全編非常に興味をもってみることが出来ました。
難解すぎる内容でもなくとても分かりやすく話してくれているので、私のような人でも「へー!」って見ることが出来るのではないでしょうか。
ここでは書いていない内容もたくさんありますので、ぜひご覧くださいね。
文:ヘコヘコボタン
最後に少しだけ宣伝させてください。
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