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ホームタウン担当者はどこ所属?

※今回のホームタウン活動についての文章は分かりやすくするために簡素化抽象化していたりする箇所、あるいはちょっと勘違いしている箇所もあるかもしれません。正しい姿を理解するための叩き台の叩き台くらいのつもりでご覧いただけたら幸いです。
あとメイン写真は本文と関連性はありません。
以下本文

Jリーグが地域に在る上で欠かせないのがホームタウン活動です。
各クラブが、地域性を活かした個性豊かな活動を日々行っています。
しかし、興味深いのがクラブによってホームタウン活動の担当者と言っても多様な背景を持っていることです。
ホームタウン活動の部署として独立しているのではなく、他の部署に所属して、その部署の一環としてホームタウン担当がいる、みたいなクラブがけっこうあるのです。

ざっくり分類していくと
1.営業系
クラブが活動していくためにはスポンサー収入は柱となるので、ホームタウン活動の収入性向上を考えれば自然な発想です。そもそもスポンサー企業のホームページを見ると「地域貢献の一環として地元Jクラブの○○をスポンサードしています」と表現されている例が多いので、ある意味Jクラブは「地域密着の象徴」とも言えます。
また自治体や公的機関との共同事業などを考えても、営業部管轄になるのは合理的な気がします。

2.事業系
事業というくくりも大雑把で、クラブによってグッズとかイベント企画とか権利関係とか色々な体制がありますが、地域との関わりをエンターテイメント的に捉えるという意味では親和性が高いように思います。
近年ホームタウン活動のプレイヤーとして存在感を増しているマスコットも、事業系の領域と関連する部分が多いので、その点でもホームタウン活動の担当が事業部系に属するのもありだなーと思います。

3.普及スクール系
ホームタウン活動で最初に挙がるのがサッカー教室ではないでしょうか? 高齢者の健康増進、若年層の運動不足解消など自治体にとっても重要なテーマであり、プロスポーツクラブが地域のためにできることとして一番分かりやすい例です。
結果、スクールコーチがサッカー教室のみならず職業講話とか自治体の委託事業展開まで担っているクラブは多いです。

4.広報系
新聞テレビの報道や公式ホームページやSNSなどを通じて、クラブと地域の人たちとの接点を作っていくのが広報部の仕事だとすると、直接の面と向き合うことで接点を作っていくのがホームタウン活動と言えるわけでして、広報活動の一環としてホームタウン活動を位置づけているクラブもあります。
トップチームの選手に関わることが多い仕事という意味で重なり合うし、選手のピッチ外での良い活動を知ってもらう手段を使いこなせるという意味でも、広報所属にする理由なのかなと思います。

5.自治体からの出向者
ホームタウンを字義通りにとらえていけば自治体との関係性が土台になるもの。そう考えれば餅は餅屋というべきなのでしょうか、県や市から何年かのクラブ出向で所属している職員が、そのままホームタウン活動を担当しているクラブもあります。
これまで小林が接してきた出向者は柔軟で前向きな方が多かった印象です。ルールはルールとして、「だからだめ」と一刀両断するのではなく、「これはやるべき企画だから」と実現するための道筋を考えるのが得意そうなイメージでした。

その他の形もありますし、複数部署から担当者を出し合っているクラブもあります。
最近ではアンバサダーを置くクラブが増えているので、これがどうなっていくのかも個人的に注目しています。
もちろんどれが良いとか悪いとかって話ではありません。

本来は3~4人くらいの担当者がいて、上記のような業務を各部署と連携しつつも自分たちが主体となってほとんどの業務が行われていくのがひとつの理想的な姿なんじゃないかなと個人的には思いますが、そんな余裕はないクラブが大半でしょう。
目の前の現実と理想との間で、各クラブは様々な形で折り合いをつけながら日々進んでいます。
ホームタウン活動担当者が様々な部署に所属しているのは、そのひとつの例かなと思います。

ちなみに各クラブの現状を踏まえた上で、「シャレン!」という概念からの新展開を提示したのは元理事の米田惠美さんでしたが、そこら辺についてはまた別の機会に。

ということで今回は「ホームタウン活動」って担当者のあり方からしてクラブ独自の多様性にあふれているんですよ、っていう話でした。
これをご覧になって、それぞれのクラブのホームタウン活動について思いを馳せる機会になれば幸いです。

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