〜プレスの剥がし方〜19-20 Premier League 第8節Southampton VS Chelsea 2019.10.6
今回はプレッシングサッカーを主体とするサウザンプトンと後方からのビルドアップをするチェルシーの試合からプレスの剥がし方について。
[得点] 1ー4
前半17分 タミー・エイブラハム
前半24分 メイソン・マウント
前半30分 ダニー・イングス
前半40分 エンゴロ・カンテ
後半44分 ミシー・バチュアイ
[スタメン]
我らが吉田も先発フル出場したこの試合、チェルシーは得意なサウザンプトンに乗り込んで快勝。 若きアタッカー陣が躍動してスタートに出遅れたチームに希望を見せてくれた。
テンションの高い状態で試合に入ったサウザンプトンは前線からかなり激しく追いかけてくる。
対してチェルシーはキーパーのケパを使いながらビルドアップをしボールを前に運びたいという方針。
この試合、両チームのゴールキーパーの足元の技術も勝敗を分けた。
両者ともに前線からプレスをかけるため、裏のスペースがあきがちだった。
サウザンプトンの守備とチェルシーのプレス回避
サウザンプトンは守備時には相手のビルドアップ位置に合わせて2種類の守り方をしていた。
①チェルシーが低めの位置でビルドアップをした時。
チェルシーのセンターバックに低い位置でバックパスが入るとイングスが外を切りながらプレッシャー。
同時にイングスが切った方と逆のウイングがチェルシーのもう一枚のセンターバックに寄せ警戒。アンカーのジョルジーニョのところにはIHのホイビアが寄せる。
こうすることでケパはボールを放棄するしかなくなる。
しかしこれでも打開してしまうことがあるのはさすがチェルシー。ロングが完全に寄せ切った時にも、ケパはアスピリクウェタに展開しプレス回避、疑似カウンターを作り出すこともあった。
②チェルシーが高い位置でビルドアップをした時。
一度チェルシーが高い位置へボールを運び切ると、サウザンプトンの両ワイドは絞りサイドバックへパスを誘導。サイドバックからウイングの足元に入るボールに激しく寄せてボールを奪う。
これに対してチェルシーが作った解決策は2つ
(a) カンテが裏を狙う。
サウザンプトンのサイドバックは縦パスに対して激しくぶつかりにくるため、裏があきがちだった。そこに対して、IHのカンテが飛び出すということをやっていた。
(b)アロンソのオーバーラップ
サウザンプトンの両ワイドは絞り気味だったためサイドバックの攻め上がりについていけないことがあった。そのためサイドバックで詰まったボールをセンターバックに下げて逆サイドバックに展開することもあった。
40分のカンテのゴール
マウントがビルドアップ参加をしに低い位置へ降りていくと、ウォードプラウズがそれに引き寄せられ中盤にスペースが開く。そこにタイミングよくオドイが落ちることによりサイドバックが釣り出されサイド裏にスペースができ、そこへアロンソが走り込んでクロスからのゴール。前述もしたのが前からハメに行っているのである程度後ろが開くのは仕方ない。しかし、ウイングのロングはアロンソのオーバーラップに多分気付いてたが見送っていた。もし、これをするのならパスのでどことなったジョルジーニョにもっと激しくあたりに行くべきだったと思う。
チェルシーは基本的にほとんどの時間でボールを握っていたので、守備時はサウザンプトンの前線からのプレッシングと同じようなことをやっており、2得点目などはまさに同じ形からボールを奪いゴール結びつけた。
サウザンプトンは攻撃では両ワイドの裏にボールを放り込みそこに向けてプレスをかけるという攻めを見せた。
2失点目を喫するまではチェルシーのビルドアップに対してプレスをはめることができており、点差こそあれどサウザンプトンのペースで試合が進行。
チェルシーの2点目が入って以降、チェルシーは高い位置で落ち着いて繋ぐ機会が増えサウザンプトンは前から行く意識を変えかったため、マウント、ウィリアンが中盤とディフェンスラインの間で受ける機会が増加。
失点シーンについて
スローインからリターンを受けたバレリーがそのまま持ち運んでクロスをあげられての失点となった。もともとスローワーに対してはマーカーがおらずリターンを受けたバレリーがドリブルをしてきた時にチェルシーの選手たちは誰が行くの?(あるあるかも?)のようになってしまい対応が送れた。スピードに乗らせたところで最後ジョルジーニョがたまに見せる軽さでかわされた。ジョルジーニョはカードを1枚もらっていたので強くいけなかったのではという見方もできる。
ピッグアッププレイヤー
MOM チェルシー10番 ウィリアン
結果こそ出なかったものの攻撃時には得意のドリブルで相手を翻弄。そしてなんといっても守備時の献身性はずば抜けていた。前線から激しくチェイスをしたかと思えば、猛スピードで戻り相手のサイドバックの上がりに対してタックル。そして終盤にはキレを落とさずに相手を剥がしながらボールを前に進め時間を作った。
データ紹介
タックル数
1 アロンソ 5
2 ロメウ 5
3 バレリー 4
4 ウィリアン 3
4 トモリ 3
守備的に選手が並ぶ中、ウィリアンが4位にランクイン。ここでも献身性がよくわかる。
インターセプト数
1 カンテ 6
2 バレリー 3
3 ジョルジーニョ 3
3 トモリ 3
3 オドイ 3
やはりというか、さすがというべきかカンテが飛び抜けている。終盤のボール奪回が多かったイメージ。
ドリブル数
1 バレリー 3
2 レドモンド 2
3 ロング 1
3 バートランド 1
3 アロンソ 1
こうして見ていくと、唯一全てのデータで顔を出しているのがバレリー。アシストもしたことを考えると、この試合の裏MOMだったかも。
総括
サウザンプトンが高いテンションで試合に入ってきた中、チェルシーが徐々に個の力でプレスを無効化したというイメージ。サウザンプトンも内容の良いゲームだっただけに次に期待。チェルシーは若手が活躍しかなり今シーズンに期待が持てた。特にエイブラハムは得点能力も高いだけに高身長を生かした空中線をもっと強くなって欲しい。
出典
https://www.whoscored.com/Teams/15/Show/England-Chelsea
#サッカー #チェルシー #サウザンプトン
#プレミアリーグ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?