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季語六角成分図「芒」

俳句ポスト 第277回 2022年8月20日週の兼題。

季語六角成分図「芒」より。
(視覚)光をまとう花穂、細長い葉と茎、丈の高さ、群落、風に揺れ、うねり、ざわめく。金色、銀色、緑、青空。野山の広がり。花瓶に挿して部屋に飾る。
(嗅覚)土、草の素朴な匂い。
(聴覚)葉ずれの音、風の音。
(触覚)葉の鋸歯が鋭く、うかつに触ると指を切る。花穂はふわふわ。肌を撫でる涼風。
(味覚)なし。
(連想力)寂しさ、極まり、活気、しぶとさ。剣先。万葉、恋。月見。

★視覚が強く、触覚、連想力もある。
★イネ科ススキ属の大型多年草。日当たりのよい山野に群落となって茂る。秋の七草の一つで、尾花とも。傍題多数。
★植物遷移のうち、草原の最終段階。つまり、放っておくと森林へ遷移する。芒野は火入れをして保たれ、茅葺き屋根の材料や、家畜の餌として利用されてきた。
★秋の哀れ・寂しさや風の涼やかさを表す代表的な植物季語の一つ。その習性から広がりのある空間を作りやすい。風、光、月、雁、道、由緒ある地名などがよく似合い、つまりベタつきなので、使うときは注意が必要。
★好きな句「この道の富士になり行く芒かな 河東碧梧桐」「花薄風のもつれは風が解く 福田蓼汀」など。

季語六角成分図に関する注意事項


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