
季語六角成分図「落葉」‐01
俳句ポスト 第230回 2019年10月17日週の兼題。

落葉という季語は、今まさに落ちてゆく葉も、既に散って地上にある葉も、どちらも指すという点が面白いと思いました。ある方と話していて気づいたのですが、句を一読してどちらの落葉かがわかるかというのも作句の大事なポイントになるのではと考えています。
例えば、「むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋桜子」は明らかに今散っていく落葉の様子ですし、「家をめぐりふるき落葉の上に落葉 長谷川素逝」などは両方の意味の落葉を一句の中に読み込んでいます。
一方で落葉降る、落葉舞うなどとすると落葉は降るものだから、となりくどくなりそうです。使い方に悩む季語でした。
季語六角成分図に関する注意事項