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Pages | Fukuoka Art Book Fair 2024
10/14-16の3日間で、Pages | Fukuoka Art Book Fairが太宰府天満宮で開催された。主催は薬院にある本屋青旗の川﨑雄平さん、INN THE PARK 福岡の瓜生賢太郎さん、Tokyo Art Book Fair(TABF)でおなじみの東直子さんのお3方。100組ほどの出展者は福岡、九州周辺はもちろん、東京から、台湾、韓国、香港のアジア、オランダ、ニュージーランドなどからも参加していた。ブックフェアに関連してトークイベントやジン制作などのワークショップ、宝物殿ツアーなど、さまざまな企画も用意されていた。
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Fukuoka Art Book Fairに出展するにあたって、心掛けようと決めていたことがあった。とにかく笑顔で、スタッフ、他の出展者、お客さんに挨拶をしっかりする、一緒にフェアをやっているという意識を持って取り組む、売買に拘らず、コミュニケーションに前向きになること。
書き出すとなんてことないし、今まで出展するときに意識してこなかったわけではないが、今回は明確で、強い思いがあった。それはやはり、4月にPrinted Matter’s New York Art Book Fair(NYABF)を訪ねたことが大きかった。
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NYABFは、地元のお祭りだった。高校の文化祭のように、出展者はこれまでの成果を積極的に見てもらおうとするし、来訪者も友人や親類のことを見るかのような気持ちで接する。店と客のような線引きがどこか曖昧で、みんなでフェアを盛り立てようという気概みたいなものを感じ、大いに胸を打たれた。これまでもTABFなどで出展者として参加してきたが、客としてアートブックフェアを訪ねてみて、出展者一人一人のコミュニケーションがフェア全体の印象を作ることにようやく思い至った。これは何よりの収穫だった。
いろいろな国の人がNYABFを訪れ、自分の国でもこれを始めようと思ったのが、なんとなく実感としてわかった。この文化を自分の街でもやろう、と。
へきちはビジネスというより、クラブ活動のようなものだ。経済性を追求するばかりでは文化にはなりにくい。文化はトレードオフするようなものではなく、種を蒔き、水をやり、その土地に根を生やすものだ。その行為は経済性を追求すると見落としてしまう気がする。
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会場は余香殿と文書館の2箇所で、へきちの出展は文書館だった。風が抜け、畳の空間が気持ち良い場所だった。ただ、エアコンがなく、連日最高気温30度前後の天気予報を見ていたので、なかなか厳しくなりそうな予感がした。だが始まってみるとそれも楽しく、出展者来訪者問わず「暑いですね」と言い合い、それがコミュニケーションのハードルを下げてくれてむしろプラスに働いていた。2日目には大きな扇風機を数台設置してくださり、また多くの出展者が暑さ対策をしたりと、ずっと建物内にいる分には全く問題なかった。私は宝物殿でLawrence Weinerの扇子を購入したのだが、そんな人が何人かいてみんなで写真を撮ったりして、本当に高校生みたいなことをして楽しかった。むしろ外でずっと来訪者を出迎え続けていたスタッフの方々は暑くて大変だったと思う。受付こそ涼しいところでやれたらいいのにと思う。
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また、東京組は一人で接客しているブースも多く、声を掛け合いながら3日間を過ごした。隣のブースのサニーサイドプレス西山さんには大変お世話になった。都度声をかけてくれ、おかげで気兼ねなくトイレに行ったり休憩できた。twelvebooksからはブックスタンドを貸してもらったり、telescopeからは梅干し(外で食べましたよ)、YOUR-MINDからは熱さまシートをもらったり(してもらってばっかりだったな)みんな本当に親切だった。本が好きという一点で繋がっていて、そんな人間が集まっていて、みんなでフェアをやっている実感があった。
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余香殿のほうは奥にステージがある体育館のような造りだった。空調が効いていて涼しい。文明よ。ありがたし。
駆け足でしかまわれなかったが、それでも少しは話ができたり、買い物をした。私が行ったときは爆音で寿司くいねが流れていた。別の日はチーム未完成がラブマシーンを踊っていたらしい。文書館との温度差(二重の意味で)がすごい。
制作の背景や、活動している場所のことを聞きながら歩いて回る。本は買ったり買わなかったりだったが、どのブースも面白かった。また買った本の紹介もしたい。
本当にあっという間の3日間で、終わるのが寂しいねと出展者同士口々に言い合っていた。来場者は3600人だったらしく、大盛況だったようだ。お客さんの中には過去に東京や京都でお会いした方もいて、再会が嬉しかった。もちろん新しい出会いもたくさんあり(というよりそればっかりだ)全部の本をじっくり見てくださる方もいた。スタッフの方々のおかげで私は大満足のイベントだったが、お客さんの一人一人はちゃんと楽しんで帰ってくれただろうか。そうだといいなと思いながら、今羽田への帰りの飛行機内でこれを書いている。
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