【読了】「トランスフォーメーション思考 未来に没入して個人と組織を変革する」


Kindleが良いやすかった

未来に没入しようぞ! 60からでも遅くない?!

一見DXの本かと思いきや、そうではないというのが自分の結論。
未来とはどうやって描くのか?その未来にたち、現在を見た時のギャップ(違和感)をどう克服するかが変革を起こすドライバーである。
未来志向の実現法を記した本である。
「未来が見えているのに、どうしてやらない理由があるんだ?」という問いかけにはまさに頷くしかない。未来が見えているならやれ!である。
課題はその見るべき「未来」である。その考え方にMTP(Massive Transformative Purpose)、つまり、個人や組織が最低30年以上先に実現する、現状とは全く異なるような世界観を描き、臨場感を持つというのを脈々と語っている。
自分の世代(今もそうかも)がよく口にし、教えられてきたPDCAは計画思考であり、変革は生まれない。
こういうふうになるという未来を確信し、その未来に対して臨場感を持てれば、脳はその世界観に没入して積極的に取り組もうとする。我々の脳は臨場感に支配されている。
今没入している世界にしか臨場感はなく、臨場感がなければ脳は働かない。
想定外の事態を嫌うという脳の働きということらしい。
いかに臨場感ある想定をするかに限るわけだ。
一括りにしてはいけないが、これはまさしくSDGsの思考と同じ気がする。17の項目が2030年にはなくなるという世界観を描き、どう対応するかを定めたものだ。
なんとなく、17のうち、#3に取り組んでます的なことを言う企業が多いが、それでは真のサステナブルな社会が実現する世界観にはならない。
そのためにも、過去・現在志向の徹底的遮断が最も大事という。
では具体的にどうするかが、フレームワークとして記されている。これらは、やはり経営層がしっかり読み共感してコミットすることをしない限りは”変革”は起きないと言うのを自分の周りの環境を見渡すと言わざるを得ない感じがする。
目まぐるしい経済環境の変化に右往左往しがちな企業経営者ほど、シッカリと読み、未来思考に没入してほしい。
一方で自分自身も、若かりしころ今のこの年の自分を考えていたか?「No」であることは間違いない。今更30年後(90歳)の臨場感をと言われると、ちょっと引いてしまう。人生100年時代でもほぼ終盤の年だもの。
とはいえ、まだも少し生きていくつもりなので、過去・現在志向は遮断してせめて10年後あたりの世界観にムーンショットを置いて考えてみることにしようと思った良書であった。

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