一緒に世界を変えよう!
さて、みなさん。
あの人との関係を深めようとした青年は一体どのような行動に出たと思いますか?
この時の判断が、ふたりの関係を決定づけたとも言えます。
そして、同時にふたりの人生…いいえ、いろいろな人たちのその後の人生を変えてしまったのです。
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次の土曜日。
いつもの母子寮のボランティアが木曜日でしたので、その2日後。
先週ふたりきりで会って4時間過ごして告白してから、まだ1週間しか経っていませんでした。
青年は再びあの人に電話をかけました。先週と同じくらいの時間に。そして、こう言いました。
「一緒に世界を変えよう!」
あの人は驚きながらも、呼び出しに応じました。そして、今度は新宿駅で待ち合わせをします。
電話を切るとすぐに青年は母子寮に電話をかけます。
「家庭教師は先週で終わり。今週からはもう行きません!」と。
中学3年生の女の子は、この週の内に受験を終えていたので、青年の役割も終わっていたのです。
ちなみに、木曜のボランティアで面接の練習もしておきました。青年は小学校の時の受験の苦い思い出を脳裏に刻み込んでいて、2度と同じ失敗をさせたくなかったからです。
※この時の経験
「勉強だけではなく、ちゃんと面接の練習もしておかないと!」
そのおかげもあってか、家庭教師をしてあげた女の子は見事志望校に合格することができたのです。
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午後2時だったでしょうか?
新宿駅の南口で待ち合わせしたあの人とは、ちゃんと会うことができました。
それから一緒に近くの喫茶店ドトールに行って、今後の予定を決めました(この日がバレンタインデーの翌週でしたので、確か2月の21日か22日だったと思います)
最初、青年は「土日の2日だけ会って世界を変えるための計画を練ったり、行動したりするつもり」でいました。それでも、1ヶ月の間に8~10日は会えることになります。
けれども、彼女のスケジュール帳をのぞくと、白紙の欄がたくさんあるのがチラッと見えてしまったのです。それで予定を変更して、空いている日は全部一緒に会うことにしました。1ヶ月ちょっとの間に25日くらいだったでしょうか?
これから何度も一緒に会って、世界を変える算段をするつもりでした。世界を変えるための具体的な内容は何も決まっていませんでしたが、なにしろ「世界で一番大切な人」がいるのです。できないコトなどありはしないと心の底から信じていました。
「世の中を変えるのに大切なのは、何をするかじゃない!誰と一緒にやるかなのだ!」
完全に見切り発車でした。
けれども、ある意味で!ある意味で、この考え方とやり方は正しかったとも言えます。
ただし、この時の青年にはそれだけの経験がまだ備わっていませんでした。それと同時に、この時の経験が「応用力」という名の能力を飛躍的に向上させてくれたとも言えます。
ここで何もしなければ何も起こらなかった。でも、行動したコトにより運命はねじ曲がり、おかしな方向に進んでしまった。それも、また事実なのです。
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ドトールを出たふたりは新宿の中央公園に移動し、その辺りをぶらぶらと散歩したあと、ベンチに座りました。
あの人はバッグからオカリナを取り出すと吹いてみせてくれました。
「まだ、あまり上手には吹けないんですけどね」と言いながら。
「やってみます?」と、あの人はオカリナを差し出してきます。でも、なんだか恥ずかしくて青年は断ってしまいました。
なんだか夢のような時間でした。完全に物語の1ページと化していました。あの人とふたりきりで会っていた時はいつもそう。世界中からふたり以外の全ての人たちが消え、完全に独自の世界を形成してしまうのです。
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時間を持て余した青年は、彼女を家に誘います。彼女は何の疑問も持たずについてきました。
実は、あの人が青年の家に来るのは初めてではありませんでした。何ヶ月か前に、鍋パーティーをやった時に来たことがあるのです。ただし、その時は周りに他の人たちもいましたけどね。
部屋の中でふたりきり。世界を変えるための方法は、まだ何も決まっていません。気恥ずかしくなってきた青年は「誰か別の人を呼ぼう!」と考えました。
「世界を変えるために、ふたりだけでは人数が足りない」という発想が浮かんでしまったのです。
そこで、同じ渋谷区のボランティア団体に所属している浜田君を呼び出すことにしました。髪を長めにしていて、なんだかドヨ~ンとした暗い雰囲気をまとっていて、常に長い前髪から世界を恨むように睨んでいるあの子です。
何度も電話しますが、なかなか出てくれません。「もう駄目かな~?」と思った頃、ようやくガチャと受話器が上がり、電話に出てくれました。
なんだか調子が悪そうです。でも、「これから世界を変えるんだよ!」と無理やりに浜田君を呼び出すと、「じゃあ、しょうがないな…」という感じで1時間後にやって来ることになりました。
こうして、3人を中心として、世界を変えるための戦いが始まったのです。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。