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常人が立ち止まるとこで先に進める人間

結局、ラスベガスは2泊3日しかいなくて。しかも、1日目はニューヨークから飛行機で移動した日だったので、丸々自由に行動できたのは2日目だけでした。

3日目は日が高い内にホテルを出発して、飛行機でロサンゼルスに向かいます。ロスとベガスは距離が近いので、そんなに時間がかかりません(飛行機で1時間くらい)

ここで竹ちゃんとはお別れ。一足早く日本に帰国してもらうことになります。なぜかというと、ロサンゼルスには親戚のおじさんが住んでいて、青年と弟だけが泊めてもらうことになっていたからです。

親戚って言っても遠い親戚なので、顔を合わせるのは生まれて初めてだし、存在を知ったのもこの旅を企画した時でした。


おじさんとの交渉は全て弟にまかせていたので詳しいコトはわかりませんが、航空機を作る会社に勤めていて、特許をいくつも取っていて、そこそこなお金持ちだということは聞いていました。

でも、わざわざ休みを取ってくれたりして、親切な人でしたよ。ディズニーランドのチケットを取ってくれたり、キャンプにも連れて行ってくれたので。

ただ、せっかくのディズニーランドも3つくらいしかアトラクションで遊ばせてもらえなかったし、「これだったらわざわざ本場に来なくても、東京ディズニーランドでよかったかな~?」って感じでした。

このおじさんって、何かと行動を制限するタイプなんですよね。自分でキッチリ予定を決めて、周りの人たちをスケジュール通りに従わせようとするタイプ。

対して、青年の方は「自由奔放」を信条にして生きてるような人間なので、あまり相性が合いませんでした。


…というわけで、ロスはあんまり思い出がないんですよ。街の中心部にもほとんどいかなかったし。せいぜい車に乗せてもらって、ひと回りしたくらい。

ただ、しょうがないと言えばしょうがなくて。ロサンゼルスって車社会なので、自動車に乗れないとどこにも行けないんです。地下鉄が発達してるわけでもないし。

それに加えて、超危険地帯なんです!「当時のニューヨークよりも、遥かに危険だ!」って言われてたくらいなので(ニューヨークはこの時期、徐々に安全になりつつあった時代)

だから、あんまり出かけなくて正解だったんです。


一番の思い出と言ったら、これですね。

これ、ほとんど実話です!

あの時は、「死」よりも「おじさんに怒られる」方が嫌だったんです。「死ぬのが全く怖くなかった」っていうとウソになっちゃうけど、「ここで遅刻して激怒されるくらいなら、死んだ方がマシか…」くらいの気持ちですね。

この辺も、少年時代に母親の制限下で生きていた経験が影響してて。子供ってそういうものなんですよ。あまりにもガミガミ言われ過ぎちゃうと、「世の中には、死ぬよりも嫌なコトがある」って学習しちゃうんです。

だから、フツーの人よりも冥界に近い生き方をしてる。生存感が希薄。他の人に比べると死ぬのが怖くないんです。

それって、ある意味で「最強の能力」とも言えて。常人が立ち止まるとこで先に進めたり、ブレーキを踏むべき場面で逆にアクセルを全開で踏めるから。


この物語の主人公である青年って、普段は「この人の何が凄いの?」って全然わからないくらいに平凡なんです。パッと外から見ただけだと誰も理解できない。

ところが長くつき合ってると、みんなその異常さに気がついてくるんです。「あ!信じられないくらいに死に近い世界で生きてる人なんだ!」って。

その能力を使って、数々のピンチをかいくぐってきたし、常人が成し得ないような行動をいくつも取ってきたんですね~

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ヘイヨー
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