最近の日本のコロナの状況
「コロナで世界を学ぶ」第32回。
今回は「ここ最近の日本のコロナの状況」について見ていきましょう。
1日の新規感染者は激増中
日本のコロナ感染者数は、6月頭に「1日の新規感染者が2000人を切る」ところまで落ちていました。
ところが、7月10日辺りから増えてきて、毎週1.5倍ペースで増加しています。先週は「1日の新規感染者が3000人」、今週は「1日4500人」といった感じで増加中。
このペースで進み続ければ、来週には「1日6000人」再来週には「1日9000人」を超えてしまいます。
これまで、日本での新型コロナウイルスの新規感染者数の最高が「1日8000人程度」だったので、記録を更新しそうですね。
死亡率は減少中
ところが、死亡者はほとんど増えてないんですよ。むしろ、若干減ってるくらいかも?
つまり、「コロナによる死亡率」はどんどん下がってきているんです。
日本のコロナによる死亡率は、全期間を平均して「2%程度」だったんですけど。ここ1ヶ月の死亡率が1%を切るレベル。ここ1週間にいたっては0.5%くらいですね。
感染した人が当日に亡くなるわけではないので、1週間くらいズラして計算しているのですが…
先週の「1日の新規感染者数が3000人程度」なのに対して、今週の「1日の死亡者が15人以下」にまで減ってきているので、15÷3000=0.005となり、0.5%という計算。
ワクチンの威力
それもこれも、ワクチンの威力ですね。
日本のワクチン接種率が本格的に上がってきたのが今年の5月からなのですが、ワクチンの接種率が上がるのに比例して、死亡率が目に見えて下がっていくのがわかります。
ちなみに、現在の日本のワクチン接種率は…
1回目37%
2回目26%
…となっています。
この数字は、世界平均をそれぞれ10%程度は上回っています。
このままのペースで(供給量が落ちているので、多少低めに見積もっても)ワクチン接種が進んでいけば…
8月末には、1回目50%。2回目40%程度。
9月末には、1回目60~65%。2回目50~55%程度。
まで進む計算。
ここまで来れば、現在のアメリカのワクチン接種率を超え、イギリスに迫る勢いとなります。
そうなれば「そろそろ時短営業やアルコール提供の自粛などの規制は、全部撤廃してもいいんじゃない?」って話になってくるはずです。
重症者と中軽症者の数
ワクチン接種のおかげで死亡率は下がってきているんですけど…
重症者の数は、あまり変わっていません。退院する人がいる一方で新たに入院してくる人もいるので、増えたり減ったりで総合的には同じくらい(むしろ、ちょっと増えてるくらいです)
ただ、死亡率と同じで重症化率はどんどん下がってきています。
それに対して、「中軽症者」というのがいて、この数は毎日ガンガン増えていっています。
なので、「重症者用のベッドは、ゆとりがある」のに「中軽症者のベッドは埋まっていく一方」となっています。
中軽症者とは何か?
「な~んだ。死亡率も重症率も下がってきてるんだ。じゃあ、安心じゃん!」と思うかも知れません。
ところが、そうとばかりも言えないんですよ。
ここで重要なのは「コロナの中軽症者って結構重い病気だ」ってコトなんです。人によっては、酸素吸入を必要とするレベル。さらに、ここから重症化する人も出てきます。
つきっきりで看護しないといけないので、お医者さんも看護師さんも非常に大変です。1人で看護できる入院者の数も限られてきますし、ヘトヘトに疲れ果ててしまいます。
なので、病院のベッドがどんどん埋まってきているというのは、結構めんどくさい事態なのです。
現在は「綱引き状態」
ワクチンの接種率が上がるに従って、「死亡率」や「重症化率」は下がってきています。けれども、感染者の数は激増しています。
なので、現在は「ワクチンの接種率上昇ペース」と「感染者増加ペース」で綱引き状態なんですね。
中軽症者が増えていることを考えると、感染者増加ペースの方がちょっと強いくらいかも知れません。
どこまで犠牲者を許容できるか?
「じゃあ、どこまで行けば戦いが終わるの?」と、みなさん疑問に思いますよね?
どんなに理想的な戦略を取ったとしても、感染者や死亡者をゼロにするのは、ほぼ不可能です。それは、コロナだけじゃなくて、風邪だろうがインフルエンザだろうがみんな同じ。
だから、どこかであきらめる必要が出てきます。「もう、このくらいの犠牲者だったらしょうがないよね?」って。
年間の死亡者が5000人以下ならOKなのか?1万人以下ならOKなのか?
あるいは、3000人以下にしたいのか?逆に3万人くらいに増えても許容できるのか?
それによって「どこで戦いを終わらせるか?」が違ってきます。もちろん、規制を解除する時期も、みんながマスクを外す時期も変わってきます。
現時点では、まだ早いでしょう。少なくとも「希望者全員がワクチンの接種を終える」までは。
それでも「どうしてもワクチン打ちたくない!」って人は、しょうがないですよ。これだけ手を尽くして、ワクチン打たずに病気になったり死んだりしても、それは自己責任というモノです。
でも、「ワクチン打ちたいんだけど、まだ順番が回ってこないんだよ!」っていう人がいる内は、最後まで待つべきでしょうね。
その時期が来るのが、今年の10月末から11月くらいと言われています。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。