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ワクチンのメリットとデメリット

コロナで世界を学ぶ「第9回」

では、この辺で1度、「新型コロナウイルスのワクチンとはどういうものなのか?」語っておきましょう。


ワクチンの種類

実は、一口に「ワクチン」といっても、いろいろ種類があるんですよ。それによって、リスクやメリットが違ってきます。

今回、コロナのワクチンとして使われているモノは、主に「メッセンジャーRNAタイプ」「ベクタータイプ」の2種類があります。

現在、日本で認可されているのも、この2種類です。

「ファイザー製」「モデルナ製」が「メッセンジャーRNAタイプ」で、「アストラゼネカ製」が「ベクタータイプ」のワクチン。

どちらも、新しいタイプのワクチンで、新型コロナウイルスのために初めて世界的に広く使用されました。


これ以外にも、いろいろ種類があるんですけど…

代表的なのが「生ワクチン」「不活化ワクチン」と呼ばれるモノです。

「生ワクチン」というのは簡単で。生きているウイルスの毒性を弱めて、人間の体内に注射する方式。

「不活化ワクチン」というのは、死んだウイルスを使い、毒性を完全になくしてから注射します。今回、コロナのワクチンとして中国が使用しているのも、このタイプです。


ワクチンのメリットとデメリット

では、ワクチンを接種するメリットとはなんでしょう?そして、デメリットとは?

簡単に言えば、ワクチンを打つことによって、コロナに感染しづらくなります。仮に感染したとしても、発症しづらくなります。熱が出たり、頭が痛くなってくれるのを防いでくれるわけです。

さらに重要なのが「重症化率を下げる」効果。もちろん、重症化率が下がるので、死亡率も下がります。


逆にデメリットは何かというと…

ワクチンを打った直後に、体が痛くなったり、熱が出たり、倦怠感を覚えたりします。これは、人間が体内で抗体を作っているので、当然起こる反応です。

それとは別に、血栓症になったり、心筋炎になったりすることがあります。つまり、血管が詰まったり、心臓の働きが悪くなっちゃうんですね。最悪の場合、死んでしまいます。


ワクチン接種の際に確率を考えよう!

そんな風に聞くと、「ワクチンって怖いな~」と思うかもしれません。

ところが、実際に心筋炎や血栓症になる人なんて、ほとんどいません。せいぜい10万人に1人くらいですよ。しかも、多くの場合は、死まで行かないんです。軽症か、その後の処置で助かります。

それよりも、「ワクチンを打たずにコロナに感染して亡くなる確率」の方が遙かに高いくらいです。


これまでのところ、「どのくらいの人がワクチンを接種した直後になくなっているか?」というと…

大体、「10万回に1人」くらいですね。コロナのワクチンは2回接種が基本なので、2回打つとしても、それでも「5万人に1人」の割合です。

これがどのくらいの数字かというと…

1億2000万人がワクチンを接種したとして、1回ずつ打って1200人。2回ずつ打ったとしても、2400人しか亡くなりません。

これまで「日本でコロナに感染して亡くなった人は、1万4000人以上」なので、既に5倍以上になってるんです。


「因果関係が証明されない」とは?

さらに言えばですね。

「ワクチンを接種した後に亡くなってる人の数」って、別にワクチンが原因とは限らないんですよ。全然関係ない死因の人も合わせて、「10万回に1度」程度なんです。

で、「死んだ理由がワクチンのせいだ!」なんて証明できるわけがないんです。解剖したって、遺伝子を調べたって、わかりゃしないんだもの。

これを「因果関係が証明されない」と呼んでいます。


ただし、ここで注意しないといけないのは、「因果関係が証明されない」は「ワクチンのせいではない」ではないんです。かといって、「ワクチンのせいである」でもない。

「ワクチンのせいかも知れないし、そうかも知れない」という意味。つまり、「どちらかわからない」って状態なんです。

この点を勘違いしている人が多いので、注意してください。

※この問題については非常に難しいので、ゆとりがあったら後日詳しく書きます。


ワクチンの種類によるメリットとデメリット

もう1つ。ワクチンの種類によっても、メリットとデメリットが違ってきます。

これも詳しく語ると長くなるので、現在日本で承認されている「ファイザー」「モデルナ」(メッセンジャーRNAタイプ)と「アストラゼネカ」(ベクタータイプ)に絞って説明しておきます。

簡単に言うと、「ファイザー」「モデルナ」の方が安全性が高く、価格が高い。さらに、冷凍保存なので、輸送・保存が大変だし、輸送や保存のためのコストも上がります。

「アストラゼネカ」も、基本的には安全なんですけど。血栓症ができる可能性が若干高い(そこまで大きな差ではないのですが…)のと、将来的に不安が残ります。

※詳しく知りたい方は、こういうとこを読んでください


なので、先のコトを考えると、アストラゼネカ製は使用せず、ファイザーとモデルナだけで耐えた方が無難だと思われます。

現在のところ、日本はファイザーとモデルナだけ使用しています(ただ、在庫が足りなくなると、アストラゼネカも使うようになるかも知れません)

日本は、そんなに焦るほどの切迫した状況でもないので、在庫が足りなくなったら、追加の輸入分を待って、ゆっくり接種を進めていった方がよいでしょう。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。