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アブちゃんの登場
「ハードくんとメモリーちゃん」は、実は「青年とあの人の関係」でもありました。
2年前の「世界を変える戦い」で、青年は理想を目指します。ところが紆余曲折あって、そっちの道はあきらめてしまいました。対して「あの人」の方は、理想を追求し続けます。一生懸命勉強し、マジメに働き、休みの日にはボランティアに参加するというような生き方です。
「ハードくんとメモリーちゃん」は、表面上は童話に見えても、根底ではノンフィクションだったんです!
案の定、「ハードくんとメモリーちゃん」を読んだあの人は、こう言いました。
「メモリーちゃんって、私にそっくりだわ!」
そりゃ、そうです。
「当然だよ。だって、君をモデルにしてるんだもの!」と、青年は心の中で叫びました。でも、口に出しては言えませんでした。
毎回、こんななんです!あの人のために一生懸命尽くし、いいとこまでいくのだけど。恥ずかしかったり、そこで満足してしまったり、エネルギーが尽きてしまって、それ以上先の関係に進むことはありませんでした。
*
この頃になると、青年は中野区のボランティア団体で積極的に活動するようになります。土曜日や日曜日に、中野にある児童館で子供の遊び相手をするのです。
「ここも1つの魔界だな…」と思いました。
子供の頃から頭の中に存在し続けていた物語。それを現実の世界に持ち込むことで、物語によりリアリティを与え、満足していたのです。
ここに「あの人」を呼び寄せていれば、物語はもっと別の展開に進んでいたかもしれません。現実の方の物語は…
あの人は「伝説の魔女ランシーヌ」と一致し、あの人自身の人生も大きく変わっていたかもしれません。たとえば、中学校の先生になどならず、小学校や児童館で働くようになっていたかも。
そのくらい、あそこは彼女にピッタリの場所だったんです!それこそ、あの人にとっての「理想郷」と言えるくらいに。
でも、なんとなく声がかけられませんでした。また、同じコトになるのが嫌だったのかもしれません。2年前の「世界を変える戦い」と同じようなコトに…
代わりに、あの人は別のボランティアに参加するようになります。家庭教師だったり、障害者の相手をしたり、板橋区の母子寮だったり。何か近いところにありながら、2人はバラバラの人生を歩むようなっていきました。
ま、それはそれで1つの関係ではあるし、上手くバランスが取れていたとも言えるのですが。
*
この頃になると、中野区のボランティアに「アブちゃん」というのが参加し始めます。
アブちゃんは「キザオ君」の弟で、それまではあまり面識がなかったのですが、この辺りからなんとなく仲良くなってきて、一緒につるむようになっていきます。
ボランティアもそうですし、いろいろと冒険に出かけたり、一緒にマンガ喫茶に行ったりしました。
この当時のアブちゃんはムッチャ太ってて、お相撲さんみたいでした。確か0.1トン越えてたはず。柔道やってた経験もあるし、ご飯食べるの大好きだったので、当然体重は増えていくばかり。女子校生がプリクラ撮るのと同じように美味しい物を食べるのが大好きでした。むしろ、「ご飯食べるために生きてる」くらいの勢い!
美味しいもの食べる >>>>>>>>>>>>>> 人生
…ってレベル!!
そんなアブちゃんが、何を思ったのか、いきなりダイエットし始めた時のエピソードが残ってたので載せておきます。
ここに「番長」も加えて、3人で行動することもよくありました。
次回は、そんな3人が兄弟の契りを交わす「ダークトライアングル」のお話をします。
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