オーストラリアのコロナ感染対策
「コロナで世界を学ぶ」第16回。
今回は、オーストラリアの行った感染対策を見ていきましょう!
オーストラリアはコロナ優等生
世界的に見ても、オーストラリアは新型コロナウイルスの感染者・死亡者ともにトップレベルに少ない国の1つです。
中国・台湾・シンガポール・ニュージーランドといった国々と同じように「コロナ封じ込め作戦」を取っていたからです。
しかも、中国のように強制的に家の中に閉じ込めて、「買い物にも行けない」「生活費も払わない」というのとは違っていました。
「家から出ないように!」という期間も長かったのですが、時間を決めて外出することもできましたし、申請すれば補助金ももらえました。
そういう意味では、コロナ対策において理想的な国であり、モデル国家と言えるでしょう。
具体的なコロナ対策
では、オーストラリアはどのような対策を行ったのでしょうか?
2020年3月。海外からの渡航者に「2週間の隔離措置」を行います。5日後には、「オーストラリアに居住地を持っていない人を渡航禁止」とします。
いきなり、国内に人を入れないようにしたんですね。
時を同じくして、レストランやカフェなどを閉鎖。数日後には、「家から出ないように」と外出制限を発令します。
さらに、州境を封鎖して、「最低限の物流以外は通さない」という徹底ぶり。
オーストラリアは、コロナ戦の最初期から非常に厳しい制限を行ってきたのでした。
実は、ここまでやっても、5月とか6月くらいまでは「日本の方が感染者・死亡者ともに少なかった」んです。そのくらい、日本の初期の対策は完璧だったんですね~
オーストラリア、外出制限を解除
その後、2ヶ月ほどで、段階的にロックダウンが緩和されていきます。
たとえば、このような感じで。
ただし、州によって新規の感染者数が違っていました。なので、州や都市によって、外出制限が解除された時期が違います。
早いとこでは5月の初旬には解除されてましたが、メルボルンのあるビクトリア州では、6月10日まで待たねばなりませんでした。
サーキットブレーカー戦略
1度は外出制限を解除したオーストラリア政府。ところが、解除すると新規の感染者が増えてしまう都市が出てきます。
そこで、「こまめにロックダウンを強めたり弱めたりを繰り返す」という戦略に出ます。
これを「サーキットブレーカー」と呼びます。わかりやすく動画で解説されているので、見ておいでください♪
このサーキットブレーカー、何がいいかというと…
感染が拡大する前に早めに使えば、「短期間のロックダウンで済む」のです。さらに言えば、「地域限定で発動する」コトも可能です。
たとえば、「特定の州だけ」「○○市だけ」「同じ市の中でも感染者出た区だけ封鎖」といった感じで。これにより、ほとんどの地域は変わらず日常生活を送るコトができます。
オーストラリアの課題
こまめにロックダウンを発令したり解除したりを繰り返すことで、オーストラリアは驚異的なレベルでコロナを抑え込むコトに成功しました。
たまに新規の感染者を出したとしても、死者数はほぼゼロのまま推移していきます。
ただし、こんなコトを1年半も繰り返していると、さすがにオーストラリアの国民も疲れ果ててくるんですね。
「またかよ~」みたいに。
どんどん精神的に疲弊していってしまうのです。
さらに、世界のコロナ対策は「封じ込め対策」から「ワクチン戦略」へと移行していきます。
ところが、封じ込めに成功していたオーストラリアは、ワクチンの接種が遅れてしまったんですね。「うちは感染者も死亡者もほとんど出てないから、急いでワクチン打つことないか~」って。
余裕をこいてたオーストラリア政府は、ワクチンを全然注文してなかったんです。
それで、今は国民の怒りを買って、急いでワクチンの輸入を進めているところですw
ただし、国民の方も「別にたいした被害になってないし、別にワクチン打つ必要ないよね?」と、ワクチンを敬遠している人が多いのもまた事実。
なので、オーストラリアのワクチン接種率は、今のところあまり上がっていません(日本よりも、さらに遅れているレベル)
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。