1 「不自由」
「なぁフーラ。」
「なにか用ですか?」
「なぁ、ここは、ここは本当にどこなんだ?過去の記憶は正しいのか?わたしはあの時に死んで、もう墓の下なんじゃないか?今の私は、ほんとに私なのか?」
「はぁ、そんなことを聞くために呼んだんですか?」
「…ああそうだよ、悪かったな。」
「いえいえ、別にいいですけどね?そんなこと、どうにかしたら分かると思っているんです?何か凄い何かがいて、全部決めてもらえるとでも思っているんですか?」
「……。」
「結局、自分で決めるしかないんですよ。真実も、何もかも、全部、全部。本当はわかってますよね?認めたくないだけで。」
「…ああ。」
「あなたが自分が自分だと思ってる限り、世界は変わりませんよ。この世界だって、奇怪に映るものはあっても、あなたの信じる過去の世界と大して変わりはしません。」
「…ハハ、なんも変わんないのかよ、なんであそこでおわんなかったんだろな?」
「さぁ?」
「まだ歩けっていうのか。」
「歩けるのでしたら、ご自由に。どこへ行くのも、あなたの自由ですから。」
「わかってて皮肉言いやがって。」