天空の落としもの シーン7.5
シーン7直後、野球場にて
ブルックが確保したシシャを仰向けに寝かせていた。
シシャの頭部、例の怪しげな装着物の頭頂部に自分の手(左手)をのせて、空中ディスプレイを出現させる。
ブルックのそばには、茶髪のベリーショートで小麦色のハダをしたアジア系の女性の人形 マリロール(ヘルメットを脱いでいる)がいて、しゃがんだ姿勢でブルックと一緒にディスプレイを見ている。
空中ディスプレイは3つほどウィンドウを表示(英語で書かれていて、どういう意味なのかわからない)。
左手には直径20cmほどの大きさのSunset色(赤みがかったライトイエロー)の魔法陣が展開されている。
3つのウィンドウが消えた直後、いきなり「おはよう」と書かれた達筆というか、かなり荒々しい筆致の「書」の画像(日本語で書かれた「書」、カリグラフィー)を表示した。
するとシシャの頭部をおおっている黒い装着物が……プシュゥゥという音と一緒に、カシャカシャと細かく折りたたまれていき、段々と"中身"が姿をあらわしていく。
<占者> ブルック[Brooke]
「ご開帳〜」
<純暴> マリロール[Marie-Laure]
「お、〈モデル・アルファ〉」
装着物が完全に折りたたまれ、ルービックキューブほどの大きさになるころには目をつむり眠る……銀髪の少年(どっちかというと青年)の姿が現れていた。
髪型がショートボブなので、一見すると少女のようにも見えた。
少年は、アオイそっくりの人形だった。
いや、まてよ。
似ていると書くと、違う気がするな。
より細かく書くと、アオイそっくりというか"アオイをもう少し男の子よりによせて、少し歳をとらせたカンジの青年"である。
アオイは、なんというか少年にも見えるが、少年というよりは"男の娘"なんじゃないか……筆者としては、そんな気がする。
なんつうか、レディースの服がきれるメンズみたいな人だ。
いや、レディースの服をきせて少しメイクしたら、マジで女の子にしか見えないと思う。
(たぶん後々書くことになるとは思うが、アレは ちょっとヤバい……)
なので文字で表現しづらいが、両者の間には"キャラクターデザインが、古いデザインから新しいデザインに変わった"……みたいなカンジの変化がある。
そもそもアオイは最初期から生産されている人形のモデル、〈モデル・アルファ〉と呼ばれるシリーズの最初の一体(一人)である。
で、このモデル・アルファ、この時点(2220年)においても、そうとう人気があったモデルだったようで、人形を開発/製造する企業群によって大量に生産されていた。
だから、この場合 目の前に転がっているシシャは、アオイのデザインをリニューアルしたもの。
いわばニューモデルとか、モデルチェンジってことになるのかもしれない。
(ここらへんの事情は、今まで2回ほど聞いたのだが、とても面倒そうなハナシなので、このシーンではここまでとする。長くなってしまいすまない)
まぁいい。
とにかくだ。
〈クラリスのシシャ〉
その中身は戦っていた人形たちと同じく、人形である。
そこんとこ、わかってくれりゃいいんだ。