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(2巻上) 今巻に出てくる人形 一覧
あいうえお順
◇今巻から出てくる新しい人形
●<人誑> イッシン[一心]
金髪の少年と青年の中間みたいな見た目をしている男の人形。
腐京コミュニティの数少ない〈マトモ枠〉の一人。
新人の相談にのったり、仕事のノウハウをていねいに教えたり、チームリーダーや指揮官として人形たちを引っぱったりなど、面倒見がよくて良心的な人形。
みんなからとてもしたわれ、頼りにされている。
ただ本人は自分がそのようなポジションにいることに、イマイチ満足できないでいる。
アオイやモーガン、ハルカ、シャーロット、リコのように
もっと悪いことしたい……
もっとまわりを気にせずスットンキョウなことやってみたい……
などとまわりと自分をくらべて、悶々としていることが多々ある。
最近 (2220年)コレではいけないと思いなおし、なにか自己表現をしようとブログをはじめようとしたが……読者に読ませたい内容が自分の中からわいてこなかったため、しかたなく自分用に日記を書いている。
最初期からいる人形の一人。
●<下手> フィリップ[Philip]
パーマがかかったふんわりした髪型が特徴の東アジア系っぽい男性の人形。
ドジっ子にして、豆腐メンタルもち。
買わなきゃいけない品物を忘れる、寝坊してはいけない時にかぎって寝坊する、といったケアレスミスをすることが多く
「がんばってるんだけど……ドジなんだよね」
と、皆から思われているちょっと残念な人形。
失敗するたびに、ズドーンと落ちこんでしまう。
しかし戦闘になると話はべつで、最前線で数的不利な状況で戦っても、ちゃんと生き残れるしぶとさ、カンの良さ (戦闘スキル?)がある。
(戦い手としてのフィリップは、みんなからとても信頼されている)
趣味は料理を作ること。
(料理をする時は、あまりミスをしない)
とくに彼が作るラーメン(製麺、スープ、タレ、特製の油、チャーシュー、煮卵まで、全て自作のラーメン)はアオイなど他の人形たちから絶賛されている。
それもあってか腐京 人形コミュニティではフィリップが手がけたラーメンセット
「麺匠浮遊」
を腐京土産として販売している。
(スープは醤油と鶏白湯の二種類。とんこつにも挑戦したのだが、どうしても"腐京的なとんこつ"になってしまい……味になっとくできず、お蔵入りとなった。最近《2220年》羊を使ったスープとチャーシューを開発中。ラーメンはキッチンカー (屋台)での販売もおこなっており、リピーターもかなりいる)
ちなみに、モーガンが居酒屋で食べてきた酒の肴を再現することも得意で、モーガンにとてもありがたがれている。
●<不諦> マドレーヌ[Madeleine]
アフリカ系の女性の人形。
キリッとした顔立ちで、非常にりりしく、酒とバラを愛する とても豪快な人。
人形の技術研究をおこなっている研究員。
(『東日ノ本人形技術研究所』の主任研究員の一人)
研究しているテーマは、人形の魔法回路の出力向上と、魔力を増大させる回路にもちいる素材の選定または素材そのものの開発。
本職は研究なのだが、実戦にも参加している。
(こういう人形は、コミュニティ内部に結構いる)
休日はよく完宿のバッティングセンター、あるいはゴルフの練習場 (打ちっぱなし)、オートテニスなどによく行く。
オートテニスにハマったさい、なぜかスカッシュに興味をもち熱中している。
よく他の人形や武の怪、ディープワンといった生命体たちと楽しんでいる。
モーガンやアカリなどと共に飲み屋をハシゴする、といったこともよくやる。
ちなみに好きな酒はコニャックとアルマニャック、カルヴァドス (calvados)など。
意外なことに同じ蒸留酒であっても、ウィスキーや焼酎は苦手らしい。
●<芸能> ミカ[美花]
日ノ本人的な見た目をしている女性の人形。
目力が強く、ちょっと近よりがたい人。
人形コミュニティの情報機関〈人忍 NinNin〉の責任者の一人。
様々な公開情報、メディア、組織/政府関係者などからえた情報を整理分析して、コミュニティに不利益をもたらす企みがないか日夜チェックしている。
コミュニティで働くかたわら、劇団と芸能事務所を経営。
(といっても、本人は役者として舞台に立つことはなく、経営や製作など裏方の仕事のみおこなっている)
彼女が経営する芸能事務所『ブルー・トワイライトBlue Twilight』は中規模ではあるものの日ノ本屈指の芸能事務所。
劇団を保有し、演劇、映画、ウェブシリーズ (VODで配信されるドラマ)、番組の製作を独自におこなっている。
彼女はそれらコンテンツ製作のための資金をきわめてすばやく調達する、非常に優秀なプロデューサーとして有名で、日ノ本の芸能業界では一目置かれた存在となっている。
彼女にとって芸能とは、愛と情熱をそそぐ対象であり、だからこそ、それを作り上げるために"ありとあらゆる努力"を惜しまない。
しかし、その"努力"がゆえに他の人形たちから、すごーく怖がられている。
それと同時にシャーロットといった、ごく一部の (頭のネジが取れた)人形たちからはとてもしたわれている。
●<店主> モーガン[Morgan]
中性的な顔立ち、浅黒い肌、セミロングまたはミディアムの長さにととのえられたキレイな銀髪、ブラウンの瞳を持つ、少年のような見た目をした男の人形。
物腰がやわらかく紳士的……のように見えて毒舌家であり、親しくなればなるほど辛辣なことを容赦なく言ってくる。
とはいえ放言を言うわけではない。
相手がまちがった事実をしゃべったり、フワフワして的外れとしか言いようがない考えをのべたりする時だけ辛辣なことを言う。
そんなことを"ほざかなければ"物腰はやわらかいままである。
戦闘能力も高いが、ミカやシャーロット、シュウヤ、ニグラなどといっしょに他生命体コミュニティとの交渉の場につくことも多い。
彼は腐京で四つの店……バー、飲食店、クラブ、喫茶店を経営しており、そのことが腐京人形コミュニティ、ひいては人形コミュニティ全体の成長につながっている。
(クレアやブルックなど、モーガンの店で働いている人形もけっこういる)
店にはモーガンたちが人形だとは知らない一般のゾンビや、コミュニティとして交流があるヘビ人、グール、ポリプ、ディープワン、イス人、ミ=ゴ、武の怪なども客としてよくやってくる。
趣味は腐京の居酒屋をめぐること。
(よくアオイやアカリ、シュウヤ、イッシンなどをつれて飲み歩いている)
no name (1) (2) (3) (4) (5)
no data
◇ゲストキャラクター
あじたま人形コミュニティの人形
●<粘強> ケント[賢斗]
グシャグシャしたカンジのパーマが印象的な男性の人形。
(外見は日ノ本人。なんかチャラそうに見える)
あじたま人形コミュニティのトップ。
といっても、アカリほど現場に出てくることはなく、現場の指揮はほかの人形にまかせることが多い。
蛮東の人形コミュニティが所有する不動産 (物資を保管する倉庫、セーフハウスなど)の管理/購入がおもな仕事。
ペーパーカンパニーの登記もおこなっている。
以上のことから兵站部門や人形コミュニティの情報機関〈人忍 NinNin〉の責任者の一人でもある。
趣味はカセット、CD、レコードあさり。
廃盤になった昔のアルバム/EPを集めるのが大好き。
好きな音楽は
◯ヒップホップ
◯R&B
◯ジャズ
◯レゲエ
◯ダブミュージック
→本来はレゲエのサブジャンルということになるのだが、ダブテクノ、ダブポエトリー、アンビエントダブ、ダブポップなどレゲエ以外の要素が入ったジャンルが生まれているので、独立した音楽ジャンルとしてあつかう
◇前巻から出ていた人形 一覧
●<悪> アオイ[蒼]
見た目が男の娘そのままであり……子供っぽい、ひ弱そう、カワイイ、というイメージを抱かれがちな男の人形。
が、性格はじつに好戦的であり、かつ口が悪い。
オマケに自分がカワイイと思われていることを自覚しており、よくそれで自分を子供ゾンビと思いこんでいる腐京のゾンビ(だいたい男性)をつって小金をまき上げている。
人形のあいだでは、マイペースを絶対にくずさない人形とみなされており、基本的にノンビリ屋。
といっても、それなりに仕事はできる。
ただ、気が進まない仕事、やる気が起きない仕事はしんちょくが遅く、たいてい誰かからケツを蹴られて仕事を進めている。
趣味はラーメン屋めぐり。
最初期からいる人形の一人。
●<頭> アカリ[明莉]
どことなくアジア系、もとい日ノ本人っぽい外見、スラーっと肩あたりまで伸びた黒髪が特徴的な女性の人形。
個性が強すぎる面々しかいない腐京人形コミュニティのトップ。
人形コミュニティ全体にとっても重要人物。
ただ、リーダーシップは間違いなく一流なのだが……仲間内での評判は悪い。
仕事がない日は、一日中寝てる、昼から酒を飲んでいる、街をふらついている、本を読んでいる……それぐらいしかしない。
かなりの昼行灯。
冬は特にひどく、コタツから全く出ない。
下手するとコタツを背負って外出することもある(カタツムリかイモムシのように動く)。
趣味は利き酒。
日本酒、焼酎、梅酒、泡盛、ソジュ、マッコリなどを好む。
最初期からいる人形の一人。
●<虜> アヤノ[綾乃]
優雅な雰囲気をかもしだす色白な金髪美女。
見た目は大人。中身は子供。
すぐ泣く。すぐ怒る。すぐすねる。
お菓子をあげると機嫌がよくなる。
とにもかくにも天真爛漫な性格。
性格からは想像しづらいが、仕事はキチンとすばやくやる。
そのため、まわりからとても頼りにされている。
戦闘能力はそれなり。
相手を倒すことよりも邪魔しながら足どめし、リコやアオイたちが仕留めやすい状況を作りだすことを目的に行動する。
<虜>としたのはワケがあって、彼女が日ノ本のキャラクターコンテンツ企業『だんだんトリコ』の熱狂的なファンだからだ。
(外部の人たちは、この熱狂的なファンを「虜」と呼称している)
寝る時は必ずとなりに『だんだんトリコ』のキャラクター人形をおいている。
じゃないと、よく眠れないとのこと。
(すんでいるアパートの部屋は『だんだんトリコ』のキャラクター人形によって埋めつくされており、毎年 大金を払って人形のクリーニングをおこなっている)
人形たちが活動をはじめた初期に加入した最古参メンバーの一人。
●<博士> アッゲェーラ[ハカセ]
お団子ヘアに強いこだわりを持つ白人の女性の人形。
(見た目は南欧の人っぽい)
ほかの人形からはアッゲェーラではなく、ハカセとよばれることが多い。
人形たちがつかうツールの開発/管理部門の責任者。
ツールを一から開発することもあるが、他国で広まり出した技術を加工/修正して、人形コミュニティ全体がつかいやすい技術に変えていくことが得意。
(既存の武器、道具の改良も得意で、改良にともない性能が大幅に向上したモノがいくつもある)
戦闘など前衛として前に出ることはすくなく、後方で人形たちの支援にまわることが多い。
日ノ本のソウルフード「ナポリタン」を心の底から嫌悪しており、ナポリタンを見かけるたびに
「なんでスパゲッティにケチャップをかけるの、普通にトマト使えばいいじゃん‼︎」
と怒り出す。
たが、蛮東あたりでたまに見かける白いパスタ料理「イタリアン(※)」にかんしては……
「サラダ油はつかわない方がいい。オリーブオイルかごま油を使う。いためるのはピーマン、タマネギ、マッシュルーム、厚切りベーコンだけでいい。できあがったらチーズをたっぷりかける。もちろんコショウはあらびき。しょうゆは……かけてもいいし、かけなくてもいい」
と、意外なことに肯定的である。
(ハカセが作る「イタリアン」は、蛮東の人形コミュニティに所属する人形たちから絶賛されておりレシピを教わる人形も多い。ちなみに、本人が好きなパスタ料理はCasoncelli(カゾンチェッリ))
趣味は雑貨屋めぐりと雑貨の購入。
どのような用途があるのか、ぱっと見よくわからない雑貨品をよく買う。
(※)イタリアン
蛮東ではケチャップを使わず「ナポリタン」で使う具といっしょに、パスタを油でいためる(そこにしょうゆをくわえたり くわえなかったりする)白いパスタ料理として存在している。
しかし、天西では「ナポリタン」のことを「イタリアン」とよぶ店が数多くある。
さらに中部では熱した鉄板(ステーキ皿)に「ナポリタン」を盛り、さらにそれをかこいこむようにしてとき卵を流しこみ、半熟になった卵といっしょに食べる料理「鉄板イタリアン」というのもある。
ナポリタン……奥がふかい。
●<働> クレア[Claire]
黒髪と茶色の肌をもつ女性の人形。
とても熱心にはたらき、よく燃えつきる。
感情の上がり下がりが激しく、彼女がいないと、なんだか寂しい気分になる……そんなおいしいポジションの人形。
とにかく よく働く。
朝から夕までバイトしつつ、そのうえで人形コミュニティで働いている。
なのでまわりの人形たちから、働きすぎなところを心配されている。
本人いわく
「なにかしら動いていないと落ち着かない」
だそう。
それとは別に、つねに誰かがとなりにいないと不安になるらしく……一人でいると将来のこととか、昔のこととか、自分はどうありたいのかとか、いろんなこと(考えても答えが出ないこと)を考えこんでしまうクセがある。
趣味は、ほかの人形といっしょにどこか行くこと。
カラオケ行くなり、遊びに行くなり、飲みに行くなり、どんなことも一緒になにか楽しむことが楽しい。
一人で遊びに行っても、なぜか楽しめず、誰かといっしょに楽しみたいな……と、つねに考えている。
●<狼> シュウヤ[修也]
人形コミュニティで働きながら農業をいとなんでいる男性の人形。
日ノ本人。
実直でカタブツ、頑固な性格なのだが、仲間内では とても信頼されており、かつ したわれている。
自宅でもプランターでミニトマトやバジルなどを育てていて、部屋のいたる所にプランターや植木鉢がおかれている。
そのため、部屋の中がジャングルみたいになっている。
ハイキングとあてもなく放浪するのが趣味。
(あてもなく放浪するといっても3年に一度、アカリたちにことわりを入れてから、ためていた有給休暇をイッキに消化して3ヶ月ほど蛮東や天西などを放浪する)
最古参メンバーの一人。
シュウヤの加入は、人形コミュニティ結成の契機となった。
●<月華> ニグラ[尼古拉 Niggura]
薄茶色の肌で、東あるいは東南アジア系の見た目をした女性の人形。
しっかり者。
腐京人形コミュニティの数少ない良心。
まわりの人形たちからは〈マトモ枠〉とみなされており、とてもありがたがれている。
他生命体コミュニティとの折衝役をつとめることが多い。
そのため腐京や蛮東に在住しているゾンビ以外の、ヘビ人、グール、ミリィ・ニグリィ、イス人といったさまざまな生命体コミュニティとコネクションを持っており、他生命体コミュニティから別の生命体コミュニティとの調停を依頼されることもある。
戦闘においても優秀。
前衛、後衛、どちらのポジションであっても重要なはたらきをするオールラウンダー。
趣味は美術館・建築めぐり。
ヒマさえあれば日ノ本中の美術館・建築を見に、さまざまな場所に行く。
好きな建築家は
◯白川起領
◯EAHAA (イーハー)
→日ノ本の有名な建築ユニット、または建築設計事務所。
(鑑賞のついでに、街をブラブラして評判のレストラン、カフェに行くのも趣味の一つ。おいしい料理やケーキ、お茶、コーヒーなどをよく楽しんでいる)
●<春雷> ハルカ[春香]
茶色の肌、しなやかな黒髪、なんとなく東南アジア系の外見をもつ元気いっぱいな女の子……にしか見えない女性の人形。
人好きというか、ゾンビ好きというか、コミュ能力がむちゃくちゃ高い。
とにかくファッションにうるさい。
そのせいか、見た目が頻繁に変わる。
とくに髪型がコロコロ変わる。
ボブにして学生っぽい見た目になったり、ウルフにしてミステリアスなオトナをよそおったり、ロングの姫カットにして地雷系になったり、ゆる〜くカールしたツインテールにして量産型と……
なんつーか独特なムラっけというか、気ままというか、浮気症というか、よくわからん こだわりというか、そういう点で一本筋がとおっている人形である。
おもにチームや部隊をひきいて前線に出ることが多い。
人形たちに訓練をほどこす訓練教官でもある。
趣味はDJ。
(ファッションではない。彼女にとってファッションとは生きることそのものだからだ)
最初期からいる人形の一人。
●<中佐> べンニャーミン[Benijamin or Bennijamin]
(アルファベットの表記は、Benijamin か Bennijaminどちらが正しいのか聞き忘れた)
ブロンズ色の髪と浅黒い肌を持つ細マッチョな男性の人形。
(外国人的な見た目をしている)
一部の人からは「中佐」と呼ばれしたわれている。
非常に律儀な人で、マジメかつ優しい。
(逆に仕事中はキビしい)
統率力にすぐれていて、アルファやブラボーといった、現場で任務をおこなうチームの責任者(リーダー)をまかせられることが多い。
趣味は読書。
小説やエッセイ、昔の生命体の日記、ノンフィクションといったモノをこのんでいる。
(ただし詩は、あまり読まない)
既婚者。
妻と子供がいる。
(子供は男の子と女の子の二人。両者ともすでに成人している。ただし、"妻や子供たちは人形ではない")
家族仲がよく、毎年のように家族で腐京や天西などを旅行している。
そのため妻や子供たちは日ノ本の人形コミュニティにとって顔なじみだったりする。
●<純暴> マリロール[Marie-Laure]
茶髪のベリーショートで、小麦色のハダをしたアジア系の女性の人形 。
いつも元気いっぱい。
超がつくほど明るい性格。
ちょっとやそっとのことでは、まず動揺しない。
また、倫理的に悩ましいできごとに遭遇しても、たいして考えることなく なにごともパッと荒っぽく解決してしまう。
(「死んだヒトは生きているヒトに文句が言えないから、トロッコ問題は存在しない。あとトロッコに乗っているヒトは、そんなことを問題として認識しない」
と言い切るぐらい……ものすごい性格である)
ふーん、へー、ほー、おー、これらの返事だけで全ての物事を片づけることができる。
前衛で戦うことを得意としている。
趣味は旅、写真撮影。
地球のみならず、太陽系、天の川銀河など ありとあらゆる場所に行き、キレイな光景を写真におさめている。