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モチベーションってなんだろう

「モチベーション」という言葉を知ったのは、スタッフとして働いていた時に、ふと売り場を見に来ていたクライアントの営業担当の一言だった。

それまでは、なにも考えず(言い過ぎ)、営業活動をしていた。お客様が来店する。他の会社のスタッフより先に声を掛ける。提案をする。うまくいけば契約を行い、できなければ次のお客様へ。

自分の気分を省みることなく、機械的に行動していたのかもしれない。

ただ、その時に言われた一言、「モチベーション」という言葉が、僕を立ち止まらせることになった。

「モチベーションをあげて働きましょう」

「モチベーションが下がってないですか」

「モチベーションを維持していますか」

Google大先生で調べると、こう書いてある。

『行動を起こすことの要因、動機にあたる言葉。仕事への意欲を指し、それを引き出すための動機付け』

ほう。世の中にはそんな便利な言葉があるのか。

ということは、「モチベーションがあがらないから契約が取れない。上司が、同僚が、やる気がないから、モチベーションが下がった。その結果、実績が出せない」

この便利な言葉を使えば簡単に説明ができるのかもしれない。それは、他人に対しても、自分に対しても、もっともらしい言い訳になるかもしれない。横文字で格好もいいし。

ただ結局のところ、その言葉を使うことはなかった。

それは、なぜか。

「意味がないから」

どれだけ言葉を尽くしても契約を獲得できなければ、この仕事を続けることはできない。モチベーションなんていう曖昧な言葉の所為にして、自分の実力を棚上げすることは逃げたのと変わらない。

なにがあっても自分は自分、突然、明日から憧れた誰かになることなんて、ありはしないのだから

いまの自分に言い訳はしない。

そうして生きていく。ずっと、これからも

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