初めて日本チェス連盟公式戦に出た時の話(3年前のこと)

はじめに

 あけましておめでとうございます。突然ですが、私が「チェスとかちゃんとやってみようかな」と思ったのは、2022年の箱根駅伝をぼんやり見ながらのことでした。そうすると、本格的に取り組みだしたのはピッタリ3年前ということになります。(とはいえチェス自体は、実は、学生時代に少しかじってはいましたが。)
 Chess.comをやりこんで、地元の例会に初めて参加したのは2月末。そこで来月、全日本の予選があるから参加してみなよという話になり参加したのは3月の末のことでした。

当時の実力

 Chess,comの統計を見返すと、2022年初頭でラピッド1500点位でした。
 知っている知識は、白番の時は図1の形にする。黒番の時は相手がe4でもd4でも図2みたいな形にするということだけでした。
 特にエンドゲームの知識は皆無。「異色ビショップのエンディングはドローになりやすい」と聞いて、この人はなんてすごいことを知っているんだと思いましたからね。
 将棋の経験があるのでタクティクスはちょっと自信あり。「ここでいい手があります」と耳打ちされれば当時の自分でもある程度指せたんじゃないんでしょうか。

図1(ロンドンシステム。私もロンドン一辺倒マンでしたね)
図2 (KIDorピルツ。両者は全くの別物ですが、当時は似たようなもんだろと思ってました。)

1R

 対局時計の扱いやある程度の対局マナーは、これまた将棋の経験があるので履修済み。「久々にチェスクロック触ったな」という印象でした。
 「あんまり楽しくなかったらチェスなんかすぐやめよう」と思っていましたが、この1Rで快勝を決めてしまうわけです。(図3)
 「Your Rating?」との問いに気持ちよく「Acutually, This is my first game.」と返したことを覚えています。

図3(当時ははこの対戦相手と2023年、2024年の同じ大会でまた対戦する運命であることなんかつゆ知らず。)

2R

 午後の2R。将棋は午前中に予選として2,3局指すパターンが多いので、「チェスの大会待ち長ぇ。」とか感じながら2R。
 ハイハイ。クイーンの前のポーンを突いて図2みたいにして、と、ここで大事件が起きます。OTBの経験が少ない私。キングとクイーンを間違えて1…d6と指すところを1…e6と指してしまいます。ここで、知識皆無のオープニングという大海原に投げ出されてしまうわけです。(図4)(図5)

図4(e6-d5-c5にすることまではかろうじて知っていた。)


図5(数手進んで出した自分の結論がこの形。半分正解。半分間違い。)

 結果負けるのですが、この試合は、熱戦になりました。(図6)(図7)(図8)

図6(キングサイドを責められるも)


図7(キングサイドを耐えきってイコールに)


図8(ここでのNxg5が逸機。正着はNh4)

3R、4R

 3Rはドローの試合でしたが、時間落ちになり勝ち。
 ここで、1日目が終了。2日制の試合だったので、家に帰ってのんびり過ごして寝て。
 起きて、床屋行って(のんきですね。)、遅刻して。
 焦って、黒番かと思って、また、1…d6と1...e6を間違えて(図9)、負け。

図9(さすがにこれは間違い。)

5R、6R

 5Rは相手が試合開始時間を間違えていて、相手の見落としもありなんとか勝ち。6Rはついに私はdポーンとeポーンを間違えず1…d6とつけた(目覚ましい成長ですね)のにも関わらず負け。結果3勝3敗。

結果

 ここで、チェスの大会はこんなもんかと思ったという話で終わるところですが、この成績で運よく、全日本選手権の出場権が回ってきました。
 当時は上位者の参加辞退による繰り上がりでの権利獲得が認められていましたので(現在は参加辞退による繰り上がりはなし)、真ん中より下の順位でも全日本選手権の出場権を得ることはそんなに珍しいことではなかったようです。
 かくして、1月にチェスを始め、5月に入門書を片手に全日本選手権に出場することになりました。

おわりに

 ここ数年、箱根駅伝を見ながらチェスの本を読み込むのがお正月の過ごし方になってます。今年も読みたいチェス本があるんでそうなるでしょうね。
 「1年に新しいことを10個始めてみる」というバックギャモンの矢沢亜希子さんの言葉に触発されて始めた1個の新しいことでしたが、ここまでハマることになるとは。
 オンライン対戦とOTB対戦は似て非なるものですから、皆さんぜひOTBのチャンスに参加してみてはいかがでしょうか。

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