【シャニマス考察】色即是空、智慧の仮面を纏いて【和泉愛依】
今回は【メイ・ビー】和泉愛依の思い出演出について!
ストレイライト2周目のPSSRに共通して、思い出アピール中にはそれぞれ3つのキーワードが出現します。
これらは仏教の三法印という教えを指し、愛依に対応しているのが諸法無我というものです。
これは彼女の、友達を大切にする、プロデューサーと作り上げた「アイドル和泉愛依」というキャラクターを大切にしている事など、人との縁とそれによって生じた物事を大切にしている、という性質を表現しています。
以下、解説します。
キーワードについて
演出中に出現するキーワードは以下の3つです。
①All is vanity(色即是空)
②Transient life(夢幻泡影)
③A dream within a dream(夢の中の夢)
①All is vanity(色即是空)
簡単に言えば、この世のものすべてには実体がなく、同時に、その実体のないものが縁によって、私たちの目に見える存在になっているという意味。
要はこの世のすべては縁で形作られ、それを大切にしましょう的な教えです。
これは即ち、Pと作り上げた「アイドル和泉愛依」の事と、コミュに登場する友人さなぴーとの縁を示しています。
元々は人前に立つと緊張してしまう愛依の弱点を補う、あるいは隠す為のものであった愛依のキャラクター。しかしそれはPとの縁によって生まれたものであり、つい声を荒げてしまうほど、それを大切にしている事がコミュ内容や普段の会話から伺えます。
また朝コミュ等を見ると、愛依は友達が多くいることがわかります。そしてそれらを大切にしている。これは学校の中だけでなく、ストレイライトのメンバーに対しても変わりません。
相手へのリスペクトを忘れず、その関係性を大事にし、それによって生まれた「アイドル愛依」というキャラクターも大切。まさしく色即是空を体現していると言えます。
②A Transient life(夢幻泡影)
人生や物事は実体がなく、非常に儚い。そしてそれは人との縁であっても例外ではありません。
前述した、愛依は友人とP、身の回りの人との関係(=縁)を大切にしています。愛依にとっては、どちらも捨てがたいもの。
しかし、愛依のアイドルとしてのキャラクター(=Pとの縁)は、友人であるさなぴーには受け入れられませんでした。Pとの縁を否定され、それに対する思いが強いが故に、さなぴーとは気まずい空気になってしまいます。
つまりは、縁によって縁に傷が、あるいは失いかけてしまいました。
③A dream within a dream(夢の中の夢)
夢のように儚い人生という、夢幻泡影と近い言葉です。元ネタはおそらくエドガー・アラン・ポーの詩。
人は大切な何かを失った時、現実感をも喪失してしまい、夢のような心地になってしまう事があります。
Pとの縁によって生まれた「アイドル愛依」というキャラクター、そしてそれを通して行っていくアイドル活動は、愛依にとっては夢のような日々。
しかしその思いが強いあまり、友人とすれ違い、関係が悪くなってしまいます。どう言えば伝わるか、どうしたらよかったのか。彼女は喪失感に苛まれたことでしょう。これが夢だったらと、現実逃避したかもしれません。
しかしそれでアイドル活動が終わるわけではありません。
友人との関係悪化による喪失感で現実感を失い、夢のような心地になっている愛依。そんな状態でも、アイドル活動という夢のような日々は続く。それがつまりは、「夢の中の夢」なのかもしれません。
しかし愛依はこれでは終わりません。
武装メイドという仕事を通し、彼女は「大切な人を守れるようになりたい」と決意します。
大切な人。それはすれ違ってしまった友人に留まらず、自分に大切なものをくれたPの事も指しているでしょう。
そしてそれは即ち、縁を大切にするという事に他ならない。
アイドルも友達も大切。どちらかを選ぶのではなく、どちらも守る。
Pがくれた、サイコーにクールで魅力的な、「アイドル愛依」という武器で戦い続ける。
それが和泉愛依の決意であり、強さだったのです。
まとめ
Pとの縁と、友達との縁。それは夢幻泡影のように儚く、いつか消えてしまうかもしれない。だからこそ大切にするし、「アイドル愛依」という武器で戦い続けて、守りたい。
3つのキーワードは、そんな和泉愛依の生き様とさえ言える、強い決意を表したものでした。
そして実はこれらのキーワード、全て「般若経」に通じる考えなのです。
愛依が被る般若面は、つまりはそういう事です。
そも般若というのは智慧を司ると言われています。
智慧とは、現象の背後にある道理を見極めるという仏教用語。
人との縁という道理を大切にする愛依だからこそ、般若面を被るにふさわしいと思います。
そうして決意した愛依は、その仮面を纏って「戦い続ける」。
以上!