No. 1を巡って殴り合い
ホストを始めて一年ほど経つと、HOSTのナンバー1はジゴ郎の席であった。
ガングロが代表になりナンバーを外れてからはライバルなどいなかった。
HOSTは他のホストクラブとは異なり、売掛の入金日が特に決められていなかった。
正確に言うと入金日は決まっていたのだが、入金されてもされなくても最終売り上げでナンバー決まり、未入分は給料から天引きとなっていた。
だから無茶をすれば、入店一ヶ月目にナンバー1になることも可能なのだ。
しかし、それは莫大な借金を抱える可能性が大。
HOSTの歴史でもこんな馬鹿げた行動を起こす人間などいなかったのだ。
そんな馬鹿がとうとう登場するのだ。
にんにくだ。
にんにくはチャイニーズマフィアの女とあと一人ドエムのエムちゃんの2人でこの日までに200万以上売り上げていた。
ジゴ郎に勝つには最終日のこの日最低でも200万は必要だった。
そこでにんにくはエムに無理を言い400万を売り上げようと企んだ。
しかし、エムはデブスの風俗嬢。
一か月フル稼働しても80万稼げるかどうか。
つまりホストに遊べる遊興費は月50~60万が限界。
にんにくはそんなエムの恋心と気の弱さに付け込んで無理をさせていた。
お客さんの財布を知るのはホストの基本。
端から見ても無謀な挑戦
しかし店はにんにくを止めない。
なぜなら、ホストクラブの原価などたかが知れている。
そのお金でバンスしてそのホストを囲うのが利口な考えだからだ。
なのでお店もバンバンにんにくを煽った。
酔ったにんにくはかなり無敵モード
ジゴ郎はにんにくのことを考え制止するが、先輩であるジゴ郎に対して
「おめーがナンバー1取りて―だけだろ!」
と喧嘩モード
ここでプッチンときたジゴ郎はにんにくの顎を右ストレート。
ここから壮絶な殴り合いが始まる。
20~30分後、先輩達のエクステが飛び交い
辺りはエクステの嵐。
結局その月はにんにくナンバー1を取ることになるが、200万という借金の代償が伴ってしまうはめに。