ホストグランプリ
2004年の年の瀬、ホスト業界である革命的な出来事が起こる。
全日本のホストの一番を決める大会が開催された。
その大会の名前は
ホストグランプリ。
それまでは個人同士の売り上げの対決こそあったものの、それ以外の人としての魅力や力、総合力を量る大会だ。
審査員には加藤鷹をはじめ著名人が務める、本格的な大会。
この大会は開催前から黒い噂が飛び交うことになるのだが、この大会がホスト界に膨大な利益をもたらすことになるのだからそこは暗黙の了解。
この大会にジゴ郎は応援として来場するよう、社長からの直の命令が下ったので仕方なく会場に向かった。
会場はベルファーレという、当時最大規模のクラブ。
そして社長から渡されたチケットを入口のマッチョなやつに見せると、案内に従いチケットに書かれた席に向かう。
たどり着いた先は、なぜか二階の立ち見席。
ここじゃどう頑張ってもステージに声は届かない。
アリーナ席にすら届かない。
そこでここに来た意味を考えた。
応援で呼ばれたのに応援する声が届かないなら意味がない。
それにステージに立ちたくなってきたし。
↑これが一番の要因。 早速アリーナへと続く道を視察。
そこには関係者たちがゾロゾロとアリーナ席に入っていく。
そこに入っていく人たちを見てジゴ郎はヒントを得る。
「うん、ドヤ顔!!」
ドヤ顔でアリーナに向かうと何も言われずそのまま入れた。
屈強なSP達もジゴ郎の前では銅像と化していた。
アリーナ席にたどり着くと早速社長のもとへ
驚き顔の社長から一言。
「どうやって入ってきた。。。」
「関係者用のチケットを頂いたんですんなりと入れましたよ。」 と皮肉100%。
早速社長たちのテーブルにある豪華な料理とお酒を平らげ、ステージに向かう。
その動きは最初から予定されていたかのようにスムーズな流れだ。
ちょうど衣装がえ時間ということもあり、ステージの上はがら空き。 まさにジゴ郎の一人舞台のためのステージに思えた。
颯爽とステージの上に登り人差し指をさっと突き出し決めポーズをすると、休んでいた15人ほどのカメラマンがバッとジゴ郎の周りを囲ん だ。
サイッコウの気分だ。
自然と手足が動き出し、気がつくと踊っていた。
ジゴ郎ダンスの誕生の瞬間だ。
フラッシュが眩しく、目を閉じそのまま主役気分に浸って踊っていると、両腕をガッシリ掴まれた。
その時思った。
チークの時間かと。
しかし、それは違った。
退場の合図であった。 そのままSPに連れられ退場させられたのであった。