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子どもの頃から、夏は私にとって、一年のうちで最も強く、多くの「死者の存在」を意識させられる季節でした。 理由は多分、いろいろとあります。原爆の日、終戦の日、甲子園球場の黙祷、7月のお盆と8月のお盆、お祭りの踊り、お墓参り、怪談噺、心霊番組、百物語、稲川淳二さん――。 それから、私は北海道の生まれ育ちですが、俗にいう、お盆は海へ行かない、山へ行かないといった話も聞いた気がします。子どもの頃、塾の先生がよく聞かせてくれた怖い話にも、お盆の時期の海や山の話がありましたが、
宿泊者以外は客室へ立ち入るべからず――。 先々週泊まった関西のビジネスホテルは、それをエレベーター内に割と大きめに張り出していた。駅前飲み屋街の真ん中という立地であるし、ときどき問題を起こされるのだろうと推察したが、この掲示を読んで、以前別のホテルで経験した奇妙な出来事を思い出した。 “コロナ禍”前の春、仕事で長野県に行ったときのこと。駅から少し離れた国道沿いのビジネスホテルに宿をとった。移動は車だったから、駅前でなくてかまわないし、宿泊費をできるだけ抑えたかった。ホテル