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以前、「鬼子母神」のことを書きました。改心した鬼子母神に対し、柘榴は人肉の味がするから人が食べたくなったらそれを食べるようブッダ釈尊が教えたという、仏典にはないあの「俗説」。あの話の出どころを探ってみたわけですが、今のところまだわかりません。 仏典では「もし人が食べたくなったら」という万が一のことは想定されていないようですが、しかし、善神となとなって子どもを食べなくなった鬼子母神の「今後の食事問題」の対策は、仏典にも書かれています。 唐の義浄三蔵(635~713)訳『根本
※タイトル画像:『普賢十羅刹女像』(部分)、鎌倉時代・13世紀、絹本著色、1幅、縦112×横55cm、奈良国立博物館蔵、重要文化財、出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/) 森雅秀先生(仏教美術、金沢大学教授)の『仏教の女神たち』(春秋社、2017)を読んでいます。仏教の「女神」や「女性のほとけ」とは何なのかと、かねて関心はあったのです。 森先生によれば、部派仏教の時代(釈尊入滅〔入滅年は大別して3説ありますが、紀元前380年頃とする