教員の社会経験問題。田舎の小さな会社に勤めてふと気がついたある側面。
2007年に大学を出て、いろんなところで働いてきました。
今、僕の社会人経験の中でもっとも小さな職場にいます。茨城県のとある放デイ。会社自体もまだ4年目だか5年目だか。
放デイ自体のニーズは強く、まだまだ地域の中では増えている。うちの会社も波に乗って毎年新規開設し、当然のことながら社員も増えている。
田舎ではよくあることなのかもしれないけれど、縁故で採用してることも多い。そもそも社会的には無名だから、経営者や社員のツテで…
みたいなこともあるのだろう。
社員だけでも30名弱。パートを入れれば総勢50名をゆうに超える立派な会社になっている。
が
それはあくまでも人数の話。
縁故だろうとなんだろうと若いスタッフが増え、また中途採用で様々なバックボーンを持った人が入ってきているが「我社のスタイル」みたいなものはほとんどなく、事務のフォーマットすら統一されていない状況。
スタッフはみな、ほとんどまともな研修もなく、ただ現場で、身体で仕事を覚えていく。
僕はそこまで中小企業の事情に明るいわけじゃないけれど、こういう会社は決して少なくないだろうと思う。
・・・・・・・・・
Twitterなどでは定期的に教員の社会経験が話題になる。
大抵は「結局人それぞれ」というなんの答えにもならないド正論が出て一旦落ち着くが、結局、似たような議論はまたしばらくすれば再燃する。
あまりにも配慮やマナーに欠ける教員の言動が炎上すれば、「社会経験のない教員は」という声が出て、その声に対して「そもそも社会経験ってなんですか?」という反論にもならない怒りの声が教員側から上がる。
まぁ双方の言い分に理解はできる。
その上でふと思う。
今の僕の職場みたいなとこに新卒で入って、しばらくしてから教員になったら…それは「社会経験のある教員」と言えるだろうか?と。
経歴上は言えるだろう。放デイスタッフを5年くらいやってれば資格が取れたりもするし、少なくとも明確な職歴が履歴書に残るのだから。
でも…
うちの会社で普通に社員を5年やってても、ぶっちゃけ世間が「社会経験」と呼ぶものはほとんど何も身につかないだろうと僕は思っている。
ただなんとなく発達支援、障害児支援に詳しい人間なだけで「社会経験」とはそういうことではきっとない。
世間が社会経験と呼ぶのは、ビジネスマナーとある程度システマチックな事務処理、民間のスピード感、相手に応じた柔軟な対応…などを指すのではないか。さらには、営業力・企画力・交渉力・経営的視点…なども含まれるかもしれない。
その点で言えば、教員や保育士の大半は著しく欠けているし、欠けていることにも気づけてない。
ただ感情論と履歴書的な事実を指して「教員だって社会人じゃないですか!」と反論したところでまったく意味がない。指摘されてるのはそういうことじゃないんだから。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。