1月12日:場を制圧する空気
おはようございます。
身体の半分はマンガでできている男・へいなかです。
さて今日は、覇王色の覇気について。ワンピースの話ではなく、人前で立つ者として僕が勝手に心がけていることです。
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『藝人春秋』という本があります。
水道橋博士さんが、芸人やアーティストについて、御自身の目からみた異材としての性質などを書いている本。いわゆるお笑い芸人だけでなく、ロックシンガーの甲本ヒロトさんやアナウンサーの古舘伊知郎さんのエピソードも登場する。
出版当時はオードリー・若林さんのあとがきも大変話題になった。美しく、想いのこもった文章なのでぜひ読んでいただきたい。
そんな『藝人春秋』の中で、水道橋博士がダウンタウンを評してこんなことを言っている。(記憶をもとに書くので原文とは異なると思います)
この「スタジオ全体を制圧するような」空気というのは、まさにワンピースでいう覇王色の覇気だろうと僕は思っている。
戦わずして格の違いによって勝敗を決してしまうもの。
その人の、人そのものの圧。
こういうのは、いくら本を読んでも身につくものじゃない。知識や技術をねじ伏せる圧倒的なパワー。内面から溢れ出るもの。
この本を読んだのは30歳になったかならないかくらいの頃だと思うけれど…経験上、この種の圧をまとった人を何人か知っていて、読んだ瞬間に納得したのを憶えている。
そして
以来僕は、人前に立つとき常に、この空気感をまとえるように意識するようになった。前に立つときだけじゃない。少年院で集団寮に入っていくときもそうだった。一歩踏み込んだその瞬間に、領域展開するようなイメージだ。
決して威圧するわけじゃない。
眉間にシワを寄せるわけでもない。
平然と穏やかにその場に立つ…ただそれだけで全員を引き込む。そんな空気感を意識している。
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法務教官1年目からずっとお世話になった先輩がいる。法務教官のなんたるかを現場で示してくれた僕の大好きな先輩。その人が以前、僕についてこんなことを言っていた。
心の底から尊敬し、信頼している先輩からの言葉。これほど嬉しいものはない。自己改善に奮闘したり、社会に対して漠然とした怒りと孤独を抱えていたり…何にせよそこらの社会人よりエネルギッシュな悪ガキたち。そんなヤツラと全力で語り合う法務教官という仕事…その現場においてこれ以上の褒め言葉はないと思っている。
覇王色の覇気…少しは使えているだろうか。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。