二言目には「共通認識をもって…」と言ってしまう残念な人達。
1.困難事例を巡る話し合いで必ず出てくる話
問題児や大きなトラブルに際して、対応を考えるミーティングや事例検討で必ず耳にする「しっかり話し合って共通認識を持って対応することが大事」というセリフ。
正直、聞き飽きました。
もちろん共通認識は大事。
共有部分は広いにこしたことはない。
が
それってスタート地点なの?
っていつも思います。
状況説明が済み、いよいよこれから対応を話し合いましょうという段階で、いきなり「共通認識を持つことが大事」なんて言ってしまう人のなんと多いことか。
そんなの現場にいねぇから言えるんすよ。
大事なのは「何をどこまで共有するか」だし、もっと言えば「共通認識を生み出せていない状況で何を行うか」が大事なんだと僕は思うのです。共通認識なんてね…トラブルが起きてから生み出すもんじゃないんです。基本的には。
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2.そもそも「共通認識」の意味わかってる?
柔道団体戦とサッカーは違う。
サッカーでは11人全員が別の動きをする必要がある。そこには共通認識もあるかもしれないが、実際には「先に動いたやつに合わせる」が大前提で、共通認識は先じゃない。
誰かが動き出して、それを受けて後続の奴が動きを調整する。
共通認識しているのは「試合に勝つ」というモチベーションや、基本的な戦術だけで、実際の現場ではその戦術に基づいて刹那の判断を繰り返し続けるしかない。
90分同じメンバーで試合をしていても、まったく同じ状況が生まれることは稀だ。一度やったプレーは相手も警戒するから二度は通用しないことが多いし、一手目が同じでも二手目から別の流れに持っていくことが多い。
こんな感じ。
で
その選手の動きが一度目と違うのだから、当然、周りの選手はその動きに合わせて走る場所を選択しなおす。ほんの一瞬の中で敵味方の動きを認知して、動きを選択する…。
これが連携。
共通認識なんてのは、実際の現場では判断基準のひとつに過ぎない。
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3.共通認識がなきゃダメだと言う人は…
事前に示し合わせたプレーしかできないんだろうね。
誰がどんな対応をするのかをきちんと決め、淡々とそれを繰り返す。目の前の子どもがそれにどう反応しているかなんておかまいなし。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。