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読むって…

どうやら見えるものだけじゃないらしい。


本を読む
手紙を読む
ブログを読む…


文字は目に見える。
でも…


空気を読む
流れを読む
気配を読む…


目に見えないものも、人は読む。


ただ僕は…やっぱり文字を読むことが大事な気がしている。文字は、見えないものを見える化したものだ。


国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

『雪国』川端康成


メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。

『走れメロス』太宰治


春が二階から落ちてきた。

『重力ピエロ』伊坂幸太郎


名文はいつも、目の前にない景色や心情を描き出す。目に見えないものを読ませるために生まれたのが文字。


だからこそ…


文字を読むことで人は、目に見えないものを読み取れるようになるのだと思う。空気や流れや、気配を。


それを読むことが必要かと言われると、そうでもないかもしれない。だけど、それが読めないことで苦労してる人が多いのも事実。だからきっと…読めないよりは読めた方がいい。少なくとも大半の人にとっては。


「読む」は技術。


文字を通して磨きたい。



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へいなか(安部 顕)
放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。