質問_1

質問をする意味

ある程度の年齢になると、誰かに質問することが少なくなる。

仕事、恋愛、趣味‥いろいろなことで、「初めて」の経験が少なくなるからだと思う。


わたしは最近から野球を見るようになった。

きっかけは特にない。ただ、選手達が一生懸命プレイしている姿に感動したからだ。

だが、いざ試合を見ても大まかなルールしかわからない。


「ストライク3つでアウト1つ。アウト3つでチェンジ」


本当にこのレベルで見始めた。

もちろん選手の名前ほとんどもわからない。いつか深夜のスポーツニュースで見た選手の顔をおぼろげに覚えているぐらいだ。


これでも一応楽しいのだが、けれどもっと知識をつけたい。

そう思ったとき、わたしの友人で野球が好きなSのことが頭に浮かんだ。


久しぶりに連絡を取り、約束を取り付け、スポーツ観戦ができるバーに出かけることになった。


それはちょうどセ・パ交流戦で 巨人 VS 日ハム の試合。

13連敗からの脱出をもくろむ巨人と、こちらも5連敗から抜け出したい日ハムの戦い。


Sにこの試合の見どころを聴きながら観戦をする。


” 楽しい ”  素直にそう思った。


そこで、わたしもいろいろな質問をした。


「この選手はどんな特徴があるのか?」

「なんでいまのタイミングでピッチャーの交代をするのか?」

「カットボールってなんだ?」


など、野球ファンの人からすれば聞くに堪えない内容だと思う。


しかし彼はそれに丁寧に答えてくれた。


彼曰く、「わからいことは聞けばいい。それで野球を好きになるなら、知ってることは教えてやるよ」とのこと。


この言葉を聞いたとき、質問をすることの意義を見つけた気がした。


それは「新たな気づきと新しい関係の構築」ができること。


まさにこれに尽きる。実際に、わたしは彼から教わることで楽しく試合を見ることができ、野球観戦という新しい楽しみ=新たな気づきがあった。また、彼との距離感も変化してきていて、「今度は生で観戦しに行こう」なんて話しも出るほどの関係性になった。



「質問をする意味」

それぞれがその答えを持つことで、新たな発見が生まれ、それが人生を色彩豊かなものにするのだと、わたしは思う。


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