交通以外の機能も充実へ-奈良公園バスタ計画時の経緯【連載交通⑧】
奈良公園のエントランス館-誕生へ
奈良公園バスターミナルの交通機能とその詳細については、これまでのこの連載にてお伝えした通りです。しかし、奈良公園バスターミナルには物販や飲食の店舗も入居しています。
この記事ではそれら交通系以外の機能を導入した経緯や、奈良公園バスターミナル開業前の計画についてお伝えします。
レストラン、ホールなどの誕生
「奈良公園バスターミナル」の議論が具体化してくると、交通系機能以外の要素についても検討されるようになります。2013年7月に開催された「奈良公園地区整備検討委員会」では、飲食、土産のエントランス機能やターミナル上部空間の活用が資料に文字として登場します。
2014年2月の検討委員会では、展示・学習をする施設や、奈良公園に不足する機能として店舗、トイレ、休憩スペースが資料に登場しています。
その後、同年12月の検討委員会ではバスターミナルが「奈良公園のエントランス」として「交通系機能」の他、「交流機能」として観光情報発信、物販、休憩スペース、トイレが、「学習機能」として展示や学習施設、情報発信端末が資料に登場します。
2015年8月の検討委員会では交通ターミナル機能に次ぐ位置づけで「複合機能」として情報発信をする学習室、にぎわいづくりやコンベンション機能を有する講習室等、周辺環境を向上させる休憩スペースや屋上庭園、トイレ等、来訪者の満足度を向上させる店舗が資料に登場します。
奈良公園バスターミナル 計画がまとまる
交通視点から見るバスターミナルの必要性については「連載交通③」を、特に団体バス視点から見たバスターミナルの必要性については「連載交通⑦」にてそれぞれ解説しました。
また、「パークアンドライド」、「ぐるっとバス」については④~⑥についてバスターミナル開業後の様子も含めて解説しました。
2016年3月の検討委員会ではバスターミナル計画についてほぼ「まとめ」に近い資料が登場することになります。
この時点での計画をまとめると、バスターミナル建設直前の役割について以下の4点に分類することができます。
団体バスによる渋滞への対策(大仏殿前駐車場入口での混雑緩和、ピーク時に不足する駐機スペースの確保)
ぐるっとバスの乗り継ぎ拠点(園内バス、エリア間移動兼P&BRバス)
奈良公園の学習、ガイダンス施設
飲食、物販を含めたおもてなし施設
建設前と実際の運用の変更点
奈良公園バスターミナルについてお詳しい方や、これまでの連載をご覧いただいた方ならご存知かと思いますが、建設前と実際の運用では変更になった点がいくつかあります。
まず、団体バスの交通処理についてはターミナル内での駐機は無く、施設内では乗降のみに特化し駐機は全て別の駐車場へとされる事になりました。
ぐるっとバスの乗り継ぎ拠点については、ターミナル完成と併せてルートが再編されることとなり、また、ターミナル完成により余裕が生まれた「大仏殿前駐車場」に乗り継ぎ機能が設けられることになりました。
完成した「奈良公園バスターミナル」の様子については、また別の機会とさせてください。
参考文献
【奈良公園地区整備検討委員会の資料より】
「登大路ターミナルの整備について」https://www.pref.nara.jp/secure/108323/shiryou-4.pdf
「Ⅱ.吉城園周辺地区・登大路ターミナルの進め方」https://www.pref.nara.jp/secure/114585/siryou-5.pdf
「第9回奈良公園地区整備検討委員会」(PDFで3部目)https://www.pref.nara.jp/secure/132699/siryou03.pdf
「(仮)登大路ターミナルの整備について」https://www.pref.nara.jp/secure/144154/05siryou.pdf
(仮称 )登大路 バ ス ターミナルの整備について(本編の1~3)
https://www.pref.nara.jp/secure/154097/shiryou01.pdf
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