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アフリカ事件簿 #22 ~そんな中でもはっとした言葉たち③~
このnoteは、下記のマガジンで不定期連載中です。
アフリカの人たちと働いていて、
基本的には「は?」とか「え?」の連続なのであるが(笑)、
たまに不意に投げかけられた一言に
心を動かされたり、
自分の小ささに気づかされたりすることもある。
その中でも、特に印象的だった言葉を紹介したい。
③あなたは強い
モーリシャスで開いた国際会議のときのことだった。
いつもどおり(笑)
わたしは会議開催の準備に
焦りまくっていた。
今数えたら、南部アフリカ16か国から人を招く
会議や研修・ワークショップを
のべ10回くらい開催していたのだが、
このモーリシャスの会議は初期で不慣れ、
かつ最も高官が参加するものだった。
南部アフリカ16か国から
政府高官が集まる会議を
開くというプレッシャー。
3か国語同時通訳、
しかも通訳は他国から招致、
慣れない土地(初モーリシャス)
慣れない言語(公用語はフランス語)で
通訳ブースや機材の手配もしなければいけない
などなど
わたしのストレスは極限に達していた。
1ミリでも重心が傾けば
涙がこぼれ落ちそうで、
全部投げだして逃げ出したかったあのとき、
一緒に会議の準備をしてくれていた
関係者のモーリシャスの女性が一言
You are Strong!
(あなたは強い)
と言ってくれた。
日本人の感覚からすると、
こういう風に弱っているときって
「無理しないで」
「大丈夫?」
「手伝おうか?」
「少し休んだら」
とかだと思うのだが・・・
わたしは拍子抜けして
笑ってしまった。
「どういう励まし???」と。笑
でも、改めて考えてみると、
アフリカの女性たちは強い。
わたしが出会ってきた彼女たちが
特別なのかもしれないが、
みんな物怖じしなければ
変な謙遜もしない。
したたかでしなやかで
仕事より家族を大事にしていて、
でも1才の子どもを置いて
数週間単位の出張なんてザラ。
1、2年単身で留学したりなんかもしている。
政府高官が集まるイベントでも
女性の出席率が高い。
特に、わたしが長く過ごしたボツワナでは、
頭の回転が速くて気遣いができる、
けれど少々のことでは折れない
強くてたくましい女性たちが
主要ポストについている印象がある。
そんな女性たちの中の1人に言われた、
You are Strong!
(あなたは強い)
そのときのわたしは、
そこでぐっと踏みとどまって
深呼吸して
とりあえず、
今この瞬間は、この一瞬は逃げ出さずに、
目の前のことを1つずつやろう、と思えた。
そんな瞬間を重ねよう、と思えた。
どうせ、わたしが潰れるようが潰れまいが、
あと数日経てば会議は終わっているのだから、
今の自分でやれるだけのことをやろう。
やれないことはやれないし、
誰かに聞いたらいい。
You are Strong!
I am Strong!
と自分にも言い聞かせながら
数日駆け抜けて、
なんとか無事に会議を開催できた。
南部アフリカ16か国の代表と一緒に
会議の共同議長を務めてくださった日本人の方が、
「準備が相当大変だったよね。
自分も昔やっていたから、わかるよ」
と言ってくださって、
涙腺が崩壊した
(今も書いていて泣けてきた)。
あの頃から、
わたしは少しでも強くなれただろうか。
少なくともこのときの経験が
わたしの中で小さな自信となって、
「もうダメだ」と思ったところから
もう半歩だけ頑張る、
そんな力を与えてくれているように思う。
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