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眠る前のお話
小さな頃の私は よく預けられ いろんな家庭でお世話になっていた。
優しかった 曽祖父、曾祖母。
本家に預けられた日の夜は 布団を押入れから引っ張り出すところから 大暴れがはじまる。
押入れに入り込み 枕を放おり投げ 布団にダイブする。他の家庭ではしないが ここでは 良しとされていた。
曽祖父、曾祖母と川の字になって寝た。
なかなか眠りにつけない私は 「お話をして!」とせがんだ。二人は 優しく付き合ってくれ、いろんなお話をしてくれた。
……
曽祖父は子供の頃ハワイに住んでいた。
日本へ渡る前の話。
ハワイの市場で海亀が売られていた。
縛られて泣いている海亀を見て
可哀想に思った曽祖父は海亀を買取り 海に離してあげたそう。
その後、船で日本に渡りました。
ある日、曽祖父は 街を歩いていると易者に呼びとめられ こう言われたそうです。
「 あなたは 海亀に守られていますよ。
海亀はあなたの乗る船を追いかけたが遠すぎて追いつけなかった。でも あなたにとても感謝していて、あなたを海から守っています。」
そう言われたそうです。
本当なのか、作り話なのか 今は もう聞くことはできません。
………
曾祖母は 沢山の日本の昔話をしてくれました。
大蛇の話や狐の話 ちょっぴり怖い話。
いつも話しながら 私より先に眠ってしまうのです。
曾祖母が寝ないように 私は体を揺すり、声をかけます。
「 もっと お話して! 」
「 じゃあ 次はね… そら豆の話 」
優しい曾祖母は続けて話し始めます。
………
「 屁には ぶーすーぴーの3種あり …
ブーは音高く臭い低し、
スーは音低く臭い高し、
ピーは実の出る恐れあり 」
ブー、ス〜、ピ〜と
面白可笑しく声を出す曾祖母。
私は ゲラゲラと笑ってますます眠らなかったのを 覚えています。
この話は どうやら 「 放屁論 」
曾祖母が部分的に お話してくれていたようです。
heidi.